2020年、考古学の10大発見(ARCHAEOLOGY magazine版)

今年もはや、この季節がやって来ましたか…。
今年はコロナ影響で発掘止まってたところも結構あったけどな…。
というわけで今年のTOP10とか適当に整理しておく。

https://www.archaeology.org/issues/406-2101/features/9263-top-10-discoveries-of-2020

top20.PNG

・エジプト/サッカラのミイラの隠し場所

今年はエジプトさん、サッカラでたくさんミイラを発見していて、そのたびにお披露目会をしていたので何回か見かけた人もいるはず。
ただ、ミイラシャフトの「シャフト」=縦穴を「井戸」と訳してしまうなど、わりと報道のされ方は適当だったなぁ、という印象。そして考古学は宝探しではないので、財宝見つけたわーい では意味が無い。
見つけたものを研究するのはこれから。それが出来なければただの墓泥棒になってしまうので。

古代エジプト末期、ミイラづくり工房の発掘まとめ
https://55096962.at.webry.info/202005/article_27.html


・陶器の壷の年代を正確に測る新技術

壷の中に残されている動物性の油脂から年代を測定すれば壷そのものの年代も特定できるのでは? という新技術。
放射性炭素測定は有機物にしか使えないのだが、この技術はわずか2グラムでも測定可能にするとのこと。ただ、古い壷を後世の時代に再利用してたりすると壷の作られた年代と使われた年代が違う可能性もあるので、万能な技術とは言い難いかな…という感じ。


・ヴァイキングのDNA調査の結果

これは、「ヴァイキングは実は金髪碧眼ではなかった」というニュースになっていた調査。(むしろ、そんな思い込みが一般的だったのか?? と疑問に思ったわけだが…。)
実際には多種多様な集団によって形成されており、一つのヴァイキング集団は近い血縁者によって構成されていた、という。
また出身国によって向かう先の傾向が決まっており、スウェーデンからはバルト海諸国、ポーランド、ウクライナなど東方ヴァイキング、ノルウェーからはアイスランド、グリーンランド、アイルランドなど北方~西方、デンマークからは主にブリテン島へ向かっていたことが明らかにされたという。

より詳しい記事は↓このへん

バイキングの豊かな多様性、大規模DNA分析で明らかに
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/091700548/


・メキシコで見つかった初期のアフリカ人奴隷

メキシコシティで見つかった人骨は、1520年代に連れて来られたアフリカ人奴隷だった可能性が高いという。歯の同位体から西アフリカ出身で、重労働や暴力の痕跡があるという。また、彼らの遺伝子は現在の西アフリカの集団とは繋がっておらず、奴隷狩りによって母集団が消滅した可能性があるという。


・トルコで発見されたルウィ語の記念碑

これ↓の話。
ヒッタイト滅亡後のアナトリア、知られざる「王国」の石碑が発見される
https://55096962.at.webry.info/202002/article_22.html


・ローマの設立者ロムルスのものと信じられた礼拝所

100年前に発見されていたけどそのまま忘れられていたものが再発見されたという話。伝説上のローマの始祖ロムルスの礼拝所で、紀元前6世紀に作られたものらしい。キリストの墓と同じで、実際にここにロムルスが葬られたことはなく、後世にそう信じられた場所だろう、とのこと。
これは再発見だし、例年に比べると10大発見に入れるのは微妙かなぁという気がする。


・中国で見つかった1万3500年前の彫刻

鳥の形を模しているらしいが、作りは結構粗雑。東アジアで最古級とのことだが、芸術作品と呼んでいいのかは微妙かも…。


・ジョージア州/ミシシッピ文明の儀式用マウンド(土盛り)

14世紀に作られたアメリカ先住民の文明の一つ、ミシシッピ文明の人工的な土もりは、北米に移住者がやってきたときに箒されたという従来の説と裏腹に、長らく儀式に使われていたようだという話。


・メキトコとグァテマラ国境付近にあるマヤ文明の古い神殿跡

最近流行りのライダー技術によって明らかにされた、完全に埋もれていた神殿跡。
紀元前1000年から800年くらいの遺跡だそうなので、マヤ文明の中でも「先古典期」と呼ばれる時期。確かにその時代の遺跡はあまり見つかっていないし、マヤの全盛期と言われる古典期より前に既に大都市を築いていたというのは面白い発見だと思う。



・イギリス/最古の芝居小屋レッドライオンの跡と思われるものが発見される

16世紀のもので芝居小屋として建てられた最古のもの、だそう。使われていた歴史はそう長くはなさそうだが、その後の芝居小屋の原型となったんだとか。ちなみにイングランドで2番目に建てられた芝居小屋であるシアター座は、シェイクスピアの活躍した場所だそう。


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というわけで、やっぱり途中、発掘や調査が止まってた期間があったり、国の間を行き来が出来なくなってたりする影響を受けて数を揃えるのに苦労したなって感じ。ただ過去履歴を辿ってみたら年毎にだいぶバラつきがあったので、そういうものなのかも。
あと、ここ数年は似たようなのがよく選ばれてる気がします。


2019年、考古学の10大発見(ARCHAEOLOGY magazine版)
https://55096962.at.webry.info/201912/article_24.html

2018年「考古学の10大発見」
https://55096962.at.webry.info/201812/article_16.html

2017年 今年の考古学10大発見物
https://55096962.at.webry.info/201712/article_22.html

今年もArchaeology Magazineの「10大発見」。今年は全般的に地味かな…
https://55096962.at.webry.info/201612/article_27.html