結局、最終的な結論の出なかったエジプト航空804便(2016年に墜落)の謎

この中にメーデー民、メーデー民はおるかー。
というわけで、2016年に墜落したまま原因不明でその後なにも聞こえてこないエジプト航空804便についてである。

この便は2016年の5月に、パリからエジプトのアレキサンドリアに向けて飛行中、到着を目前にして東地中海で消息を絶ったものだが、現在に至るまで最終報告書が出ておらず、真の原因が不明のままとなっている。墜落事故の解析によって航空規則が血で書かれる、とはメーデーでおなじみのフレーズだが、このままでは海に沈んだ人々の死は無駄になりかねない。
というわけで、今どこで止まっているのかなどを少し自分用も兼ねて纏めておくことにした。

BEA Pushes Egypt for Continuation of EgyptAir Flight 804 Crash Investigation
https://flightsafety.org/egyptair-804-crash-update/

ho.PNG

↑エジプト航空の機体には、エジプト神話の天空の神ホルスの顔が描かれており、飛行機全体が鷹の姿をしたホルスに見立てられている。エジプトマニア的にデザインの刺さる航空会社だ。なお、調査はメーデー民に建物がショボ質素倹約で愛されるBEAである。


●墜落の原因は「コックピット内の火災」

この点については、フライトレコーダーの解析から明らかになっている。しかし「なぜ」火災になったのかが分からない。荷物からの出荷なのか、機体の整備不良などなのか…。仮説として「タブレットなどのバッテリーからの出火では?」というものがあるが。飛行機の残骸をエジプト政府が握っていて調査にあまり協力的ではないため、確かめられていないという。


●テロか、事故か

エジプト政府はテロの証拠があるとし、BEAは証拠はないとしているように読める。これも、火災の真の原因が分からないことによる。
ていうか飛行機の残骸を見れば、爆発しているかどうかは判るはずなのだが…。

テロが疑われる背景には、前年の2015年10月に、エジプトの紅海リゾート地からロシアに向かう途中のコガリムアビア9268便が機内に持ち込まれた爆弾によって墜落したという事件がある。(こちらは最終報告書がある) しかし皮肉なことに、こちらはイギリスがいち早く「テロによるもの」と発表したことに対し当事者のロシアとエジプトが抗議するという行動が見られた。


●エジプトの航空機はテロに弱い?

実際、空港の警備にかなり問題があったらしいことは事実。それは紅海での事故の調査内容を見れば確かだ。
ちょうどISなどの過激派がテロを繰り返していた時期であり、最近は落ち着いたものの、シナイ半島なリビア砂漠、カイロ市内などでも爆弾テロが頻発していた時期があった。

これは遠い昔のことではなく、2019年7月には、イギリスとドイツが「テロの危険がある」として、エジプトに発着する航空機を全て止めていた。

https://www.news24.jp/articles/2019/07/21/10468806.html
ho2.PNG

尚、この少し前に起きたのがピラミッドの近くでの観光バスの爆破である。

https://www.bbc.com/japanese/48331579
ho3.PNG


●結局のところ、どちらの主張が正しいのか

悲しいかな、エジプト政府とBEAが協力しないと結論が出ない、というしかない。
というか状況的にテロでも事故でも在り得そうなので…。しかし、エジプトさんがフロじゃないって言い張る時はテロだし、テロだって言い張る時はテロじゃないのが今までのパターンなので、個人的には、なんかこれ事故だろって気がしている。出発地がパリの空港で自分たちの責任じゃないと思ってるからテロってことにしたんじゃないの…。コガリムアビア機の墜落の時に空港セキュリティを散々叩かれた意趣返しかと疑ってしまう。

もし事故だとしたら、それは事故原因をきっちり調べないと、後に生かせない。失われた命を無駄にはしてほしくないなぁと思うんである。


※ただ、メーデー! シリーズを見ていても、すっきり結論が出ずに終わっている回は意外とある。「何らかの原因による火災」は珍しくない
※墜落機の残骸が見つからずに結論が出ない回もある