古代ギリシャの彫刻は、元はとても色鮮やかだった。…ん? これってもしかして

古代ギリシャの神殿や彫刻は、作られた当時には色鮮やかに着色されていた。

という話は有名なので、知ってる人は多いと思う。
今では真っ白なパルテノン神殿も、大理石の彫像たちも、本当はみんなカラフルだった。真っ白になってしまっているのは、長年のうちに色が落ちたり、博物館に保存するときに「洗浄」されて色の残りが汚れとして落とされてしまったからなのだ。
で、その「失われた色」を再現して展示するイベントが以前行われていたのをちょっと思い出して調べてみた。
(確かこのイベントの模様はNHKでも放映されていたはず…)

'Gods In Colour: Polychromy In Antiquity' At The Liebieghaus Skulpturensammlung, Frankfurt
https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2019/11/gods-in-colour-polychromy-in-antiquity.html

fru.PNG

うん、とっても 派手。
こうして色を再現してみると、ギリシャ彫刻って色で描いた「模様」も含めての作品なんだよなぁと思う。真っ白にしちゃうと模様が目立たないしね…。中間色の好きな現代人からすると、ちょっと派手すぎる感じに見えてしまうと思うけど、古代人の感覚では、多分こういうのが素敵だったんだと思う。

fru2.PNG

fru3.PNG

…で、これらを見ていてふと、何か既視感があった。
最近こんな感じの像を見たぞ。最近も作られてなかったっけ? …記憶を頼りに探し出したのがこれだ。どん。

聖人の彫刻が「恐ろしい状態」に ⇒ 政府憤慨、ネットでは大喜利始まる
https://www.huffingtonpost.jp/2018/06/27/restoration-nightmare_a_23468915/

Botched Statue of St. George Is ‘Unrestored’ to Its Dignity
https://www.nytimes.com/2019/06/22/world/europe/spain-statue-st-george-botched.html

co2.jpg

co.PNG

色あせた聖人の像を綺麗にするために塗りなおしてしまい、修復失敗と叩かれまくった事件なのだが、…ん? 古代ギリシャ風と思えば悪くないんじゃね? というかきっとこれは古代ギリシャ風にしようとし…いや、わかってますよダメですよ。これ制作時期16世紀なんで、紀元前5世紀古典ギリシャ風とかにしちゃったら2000年以上時代がずれてますからね。

しかしきっとこの"修復"は、古代ギリシャ人なら「いいんじゃない?」と、言ってくれたと思うんだ…。

#時代によって美的感覚は異なる。というお話
#19世紀までのヨーロッパ人は「ギリシャ彫刻は白いのがいい」と思ってた
#それとは別に保存・修復は製作時の状態維持が求められる…。