イギリスで押収された「偽アンティーク」。コレクターは偽物に注意だぞ

昨年イギリスのヒースロー空港で押収されたトランクから発見された大量の"遺物"、博物館のキュレーターが鑑定して全て偽物だった模様。
写真を見ると、イラン高原の青銅器時代の土偶やメソポタミアの楔形文字の粘土板らしきもの、壺などなのだが、なんか…チャチいよこれ。

Fake antiquities made for unsuspecting collectors
https://blog.britishmuseum.org/fake-antiquities-made-for-unsuspecting-collectors/

11.PNG

これらはバーレーンからイギリスの個人あてに送られたもので、粘土の品々はプチプチに包まれていたという。よく個人の荷物の中から発見出来たなという感じだが、中身が焼き物だと不自然に重かったりしたのかもしれない。楔形文字の粘土板は代表的なコレクションを一通りそろえたようになっていて、学校の教材、行政文書、王家の碑文、数学テキストや神殿文書など、実在する文書を元にして作られたらしき内容になっているようだ。ただし、上下が逆に書かれていたり、繋ぎ合わせになっていたりと、キュレーターからすればすぐ偽物とわかる出来だったらしい。
あと見た目、古さが全然ない…。アンティークに見せかけるにしては、作ったあとの処理が雑な感じ。
土偶のほうも、本物と比べて腕の角度のなめらかさやシャープさがちょっと足りない…。

※参考 本物
hitogata.jpg

これらは、輸入された量が多いので、個人でコレクションにするというよりは本物と偽ってコレクターに売りさばくために仕入れられたのだろうとされている。

実際にイランやイラク南部では盗掘が酷く、この15年ほどでかなりの量が市場に流入していると言われている。アメリカやイギリスで遺物が押収されたり、盗品と分かって返還したというニュースも時々流れる。しかし、だからといって市場に出回る品の全てが本物というわけではない。見る目はないくせに所有欲だけは強い残念なお金持ちをカモにする連中は、沢山いるのである。
日本で仏教関連のアンティークのコレクターが多いように、キリスト教圏では聖書関連の遺物のコレクターが多い。
博物館を作るほど遺物を集めたのに、目玉展示物が実は偽物だった、なんていう悲惨な事例もある。

聖書博物館の所蔵する死海文書は全て偽物。2年を経て全ての鑑定結果が公表される
https://55096962.at.webry.info/202003/article_14.html

あと、ここの博物館は盗品や盗掘品の所蔵が発覚したケースも多数。とにかく酷い…。
人も遺物も、見る目がないとこういう目に遭うことになる。

米ワシントンの「聖書博物館」が「盗品」筆写本を返還
https://www.christiantoday.co.jp/articles/25939/20180820/museum-of-the-bible-returns-stolen-gospels-manuscript.htm

世界最古の物語「ギルガメシュ叙事詩」が刻まれた約3500年前の粘土板が盗掘品だったと判明
https://gigazine.net/news/20200520-gilgamesh-tablet-stolen-from-iraq/

こういうのほんと恥ずかしいの…。
偽物掴まされるとかコレクター仲間に指さして笑われるやつよ、価値もわかんないのに手ェ出すな(笑)って。

日本にいるコレクターの皆さんも、所有欲にかられて怪しいものに手を出さないようにね。
まず勉強すること、自分の見る目を鍛えること。そして出所の怪しいものには絶対にカネ出さないこと。盗掘品を買うと盗掘者が儲かってしまうい、遺跡や遺物の破壊を助長することになるのでね。


****

しかし、博物館の人がこういった密輸の疑われる品の鑑定に出かける話はよく聞くのだが、数が多いと結構大変だよなぁと思う。