サウジアラビア発掘続報 ダダン王国~ナバテア文明の前段にある謎

ダダン王国といっても、おそらく知名度はほとんどないと思う。謎、というより調査が不十分で今のところよく分っていないというほうが正解だろうか。イスラームの歴史は重要視されていても、それ以前の古代――特に北アラビアの歴史は、どうも今まであまり調査がされていなかったようなのだ。というわけで、少しまとめておくことにした。


サウジアラビアさんが国際的な発掘チームを受け入れ始めた、というニュースが流れたのが去年。

[>参考
サウジアラビア、考古学者に門戸を開く。未調査のナバテア人の領域がついに…!
https://55096962.at.webry.info/201910/article_7.html

その国際チームの活動で、アラビア半島北部のダダン王国の遺跡が再調査されていると続報が来ていた。ナバテアの前段にあたる王国だ。

日本語
https://www.arabnews.jp/article/saudi-arabia/article_14749/

英語
Saudi, International Team Excavates Secrets Of Al-Ula Civilizations
https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2020/05/saudi-international-team-excavates.html

…うん、ライオンが四角い!
四角過ぎて「マインクラフト風やな」とか思ってしまったゲーム脳の私ですよ。いやあでもこれ可愛いな。

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今回調査されているのは、ウラー(アル・ウラ)にあるライオンの墓(アル・フライバ)という遺跡。ダダンとは、ペトラ遺跡で有名な、ナバテア文明に先立つ時代にアラビア半島に栄えた王国の一つだという。同じ頃にリヒシャンという王国も栄えていたようだが、違いは調べきれていない。時代的に紀元前700年~300年くらいで、ナバテア王国が出現する前にあたるが、直接的なつながりがあるかどうかもはっきりしていない(学説はあるかもしれないが)。場所的にもほぼ被っており、ヨルダンにあるペトラのすぐ南なので、おそらく何か関係はあるだろう。街道で繋がれている中で、有名なナバテアの遺跡、マダイン・サーレハも近くにある。


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https://www.arabnews.jp/alula/


また、ナバテアといえば、人物(神?)を四角い輪郭で表現した顔が有名だ。

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ナバテア文明のすぐ前に栄えた王国も四角い表現が好きだったとすると、何か美術様式の伝統も繋がっていそうな気がする。サウジアラビアの古代文明は直線と曲線の組み合わせ方がとてもユニークだと思っているのだが、そもそもあまり調査されていないらしく調べてもなかなか資料が集まらない。そのへん本とか出てくるといいなぁ…


なお、アルウラ渓谷のあたりはしばらく観光客の受け入れをしていなかったようなのだが、今年から再び受け入れるようになっており、日本へも観光アピールがされている最中だったようだ。検索していくと、日本の首相を招いてのイベントの履歴なども残されている。このあたりは確かに面白そうなので、一度行ってみたいところではある。


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おまけ

岩絵はいいよな…岩絵は…! サウジアラビアの世界遺産、ハーイルの岩絵
https://55096962.at.webry.info/201912/article_6.html

サウジアラビアの女性たちの50年。横浜ユーラシア文化館で開催中
https://55096962.at.webry.info/201910/article_17.html

サウジアラビアの王子が鷹を飛行機に乗せてネットニュースに→実は現地では普通だった
https://55096962.at.webry.info/201702/article_24.html