ツタンカーメン「博物館は閉鎖して消毒中だ、家に帰れ」エジプトさん、ついに非常時モードに

ナイル川クルーズでコロナ感染者を大量に出していたエジプトさん、ついに観光客をシャットアウト、3/23から2週刊、観光地は全て封鎖するらしい。
観光立国で観光からの外貨獲得にかなりの割合を頼っているので、 観光が停止=収入が減る(大ピンチ) という事情があるにせよ、そう長いこと載ってるわけでもないクルーズ船であれだけ感染者を出しまくってたってことは、既に国内ではかなり蔓延しているはずで、もっと早く対処しておくべきだっただろうなぁとしか。

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ただ、早く対応を開始していたとしても、あまり事態は変っていなかったかもしれない。
エジプトの医療体制は貧弱すぎて、「基本的な衛生観念すらない」「輸血でさえ危険」とボロクソに評価されてたりする。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/egypt.html
そもそも貧富の差が激しく貧困層の比率が高いエジプトで、まともに医者にかかれる人がどれだけいるのか、という話もある。もしかしたら、実体として見えていないだけで内部はかなり悲惨な状態かもしれない。(他のアフリカの国々もそうだが)


で、人が集まるモスクも教会も今週から閉鎖なのだが、さすがエジプトだと思ったのがこれ。

http://english.ahram.org.eg/NewsContent/1/64/365712/Egypt/Politics-/Egypt-suspends-mass-prayers-at-mosques,-shuts-down.aspx

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"Prayers in mosques will be suspended for two weeks, with the call for prayer, also known as Azan, given out to alert worshippers about prayer times, with slight alteration.

"Pray at home" will ring across speakers nationwide during the suspension."


イスラームでは日に5回、礼拝の時間にモスクからアザーンと呼ばれる呼びかけの放送が成される。
その中に、「いざ礼拝のため来たれ」という呼びかけかけがあるのだが、モスクは閉鎖されて人が集まるのが禁止されているので、代わりに「家で祈れ」という放送をするよ、ということ。伝統的な祈りの呼びかけの文句を変更しているのだ。

これ、イスラーム圏の中では宗教に寛容なエジプトならではだと思うんですよ。ガッチガチに伝統主義なサウジアラビアのような国だと多分ムリ。そもそもエジプトさんは、観光産業にたずさわってる人は1日5回の礼拝時間を厳格に守らなくてもいいよとか、礼拝スキップもありだよとか、臨機応変な解釈をする土壌があるから、こういうのが出来るんじゃないかな…。


しかし果たして公共施設の閉鎖は2週間で足りるのか。
そもそも観光産業の一番のお得意様なヨーロッパがどこもヤバい状態で、博物館を開けても人はこなさそう。
さらに来月からはラマダン(断食月)が開始。

キリスト教の各宗派は4月の復活祭(西方教会で言うイースター)を実施するかどうかで悩んでいるし、イスラーム世界は世界中から300万人が集う大ハッジを8月に控えている。
伝統的な信仰や行事と公衆衛生の危機、どう折り合いをつけていくか、日本のオリンピックやるやらない問題以上に厳しい選択を迫られそうです。

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「砂嵐のあとには、必ず太陽が輝くだろう」。

日本でいう「止まない雨はない」のエジプト版だと思うんだけど、エジプトらしいいい言い回しだなと。
今は嵐の中で光は薄れていても、その向こうには太陽はある。見えないだけ。
いつかこの嵐が過ぎ去った時、暑すぎる太陽に文句言いながら、のんびりエジプト行ける日がくるといいっすね。