貝塚ならぬマンモス塚。北の人類、大地に獲物の骨の山を築く

シベリアで見つかった「マンモス塚」の記事を見つけて、骨の山すげぇな…! ってなったのでついでにメモ。家のような構造物になっているが、これは家と言うより獲物の集積場のような場所だったと考えられている。時代的には25,000年前くらい。氷河期だ。

Oldest Circular Structure Discovered – and It’s Made of Mammoth Bones
https://www.haaretz.com/archaeology/.premium-oldest-circular-structure-discovered-and-it-s-made-of-mammoth-bones-1.8680727

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見るからにすさまじい量の骨の山だが、ここにはマンモスの骨が60体ぶんあるという。5ダース分! 北の大地では獲物も限られていただろうし、集団で狩りをするならぶっちゃけ小さくて逃げ足の速い動物よりデカいものを狙ったほうが効率がいい。これは日本でいう「貝塚」と同じだ。いわば「マンモス塚」。

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同じような円形の骨の集積場はロシアだけでなく東ヨーロッパでも見つかっていて、最小のもので直径4mほどだったという。わざわざ骨を円形に積み上げていることから、記念碑的な意味合いもあったのかもしれないが、効率的に積み上げるには円形にならざるを得ないので、自然ななりゆきだった可能性もある。

この遺跡で面白いことは、骨が燃料として使われた痕跡がある、ということだ。
骨は脂分を含む組織なので、実は、木で最初に火を起こしてから投入すれば燃やせなくはない。木材が不足していただろう寒冷な北の大地で、食べられない骨を燃やすという、生きるための知恵。

また、いくつかの骨は生物学的に正しい位置に並んでおり、骨の状態でここに持ってきたわけではなく、部位ごと(つまり牛のもも肉なら肉つきのままで)置かれていたはずだ、という。
だとすると、ここは食糧庫であり、肉を食べたあとは残りの骨などの材料を処理する施設も兼ねていたのかもしれない。


参考までに:
北の大地におけるマンモス骨の利用方法など詳しい本
氷河期の極北に挑むホモ・サピエンス マンモスハンターたちの暮らしと技 - G・フロパーチェフ, E・ギリヤ, 木村 英明, 木村 英明, 木村 アヤ子
氷河期の極北に挑むホモ・サピエンス マンモスハンターたちの暮らしと技 - G・フロパーチェフ, E・ギリヤ, 木村 英明, 木村 英明, 木村 アヤ子

マンモスの骨はマイナス40度で凍らせると加工しやすい、とか、シベリアでなければ検証不可能な2万5千年前の生活の知恵がたくさん。
木が不足しているからとマンモスの骨で家を作るなど、食べて良し、燃料にしてよし、着て良し、武器にして良しと余すところなく生活の材料として使われるマンモスさんの万能性を思い知ることができる。

というか、このへんの資料を見てると、人類が極寒の世界で生き残れたのは本当にマンモス様様だったんだなって、しみじみと。