気候変動の時代チバニアン、その研究成果を探してみた

少し前に、登録するのされないのでモメた「チバニアン(千葉時代)」。
これは約77万年前に地磁気(N極・S極)が最後に逆転した時代のことで、千葉にある地層が代表例として登録されるので、時代の名前もチバニアンになったという話なのだが、調べてみるとこの時代、けっこうハードであった。

めちゃくちゃ気候変動してるんである。

気候の激変で幕を開けた千葉時代 – 77万年前頃の初期チバニアン期で起きたこと
https://academist-cf.com/journal/?p=6101


千葉時代(チバニアン)提案に不可欠な環境変動記録の復元
https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20180705.html

ざっくり言うと、寒冷→温暖→寒冷を短期間で繰り返していて、急速に温暖化した後、わずか50年で一気に気温が下がって寒冷化する現象さえ起きている、という話。このへんの研究もチバニアンの地層周辺で採取したサンプルで行われている。
氷河期と氷河期の間の温暖な時代を間氷期というが、いま注目されているのは79万〜76万年前の間氷期「MIS 19」だ。この時期の温暖化→寒冷化のサイクルがとても短く、しかも急激なため、現在起きている温暖化(人為的と見なされている)の結果予測に使えるのではないか、というのだ。

興味深いのは、MIS 19付近で起きた温暖化のあとの急激な寒冷化は、温暖化による氷床の融解が原因だったらしいということ。

極地の氷が急速に溶けて氷塊が海に大量流出→ 海の面積が増えて熱放射が減る + 氷で海が冷える + 氷の中に固まってた塩分薄めの水が溶けだして海の成分が変わる → 海流による熱塩循環が停止、一気に寒冷化 という流れ。
参考までに「熱塩循環」とは、海水の密度(塩分濃度)の変化によって生じる地球規模の海水の循環で、これが海流を生み出している。暖流と寒流でいうと、暖かいところから流れてくる暖流が届かなくなるということだ。

つまり今の温暖化も、ある程度進んで北極や南極の氷が溶ければ、氷山が海に流れ出して同じことが起きる可能性がある。地球のセルフ気候調整が働けば、温暖化してもまた一気に戻るんだぜという話。ちなみにMIS 19付近の地層から、日本近海の海の生物は特に大量絶滅した形跡がないことが今のところ判っているという。いま生き残っている動植物は、幾度とない地球規模の気候変動を生き残ってきた猛者の子孫たちなのだ。

というわけで、チバニアンの研究を見ている限り、温暖化しても地球がセルフで冷却化しそうな感じはするし、べつにそんな大量の絶滅も起きないようにも思われる。答えが出るのが最短で1万年後とかなので、答え合わせは期待できそうにないけど。
ただ確実に言えることは、海水面が上がるので今の人間の文明がヤベェことになるのは確定している。(´・ω・`)

やっぱ人間さぁ、上から目線で他の動物の心配とかするより、まず自分らがどうやれば生き残れるか考えたほうがいいんじゃないかな…。


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ちょっと前に話題になった「チバニアン」の詳細が分からない。
https://55096962.at.webry.info/201802/article_22.html

地質学は歴史とは物差しの長さが違ってて、最小メモリがいきなり1000年とか1万年とかだからついていくのが難しい…。