そろそろ会期が終わってしまうので。「ザ・アール・サーニ・コレクション」展に行って来た。

上野の国立博物館、常設展の一部で同時開催の「ザ・アール・サーニ・コレクション」展にいってきた。滅多に表に出てこない個人コレクション
のイベント。集めた人はカタールの王族で、シェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニという人。湾岸諸国のコレクターのコレクションを見るのは初めてだったが、収集の仕方が西洋のコレクターとだいたい一緒なのが面白かった。南アラビアの品が幾つか入っていたのだけは独特だなと思ったけど。

https://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/2019/11/13/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%93%81%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%8B/

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博物館の収蔵品だとテーマに沿ってコレクションが組まれており、一見地味な壺や石碑のカケラなども多いのだけれど、個人コレクションだと一点一点が「目玉」となり得るような小粒ながら完成度の高いものが選ばれやすい。今回見たものもまさにその構成で、時代や場所はバラバラながら、どれも単品で展示して遜色なく、その文化について何も知らない人でもわかりやすいものが選ばれていたように思う。たぶんオークションで落としたんだろうな…。「出土地不明」とか「時代不明」の表示のあるものが一つもなかったのが、いかにもオークションで競り落としたか、誰かから購入した感があった。アマルナの女性像の頭部などは出土地と流通ルートが限られるので、入手までのルートにだいたい想像がつくのが何とも言えない。(たぶん遺跡が発見された後に、近所の農民が掘り出して観光客に売りつけたやつじゃないのかな…。)

コレクションの目玉の一つ、そして一度見てみたいなと思っていたのが、この「スターゲイザー」と呼ばれる石の像。、Kilia-type(キリア型)というのが正式な名称で、完品で残っているのは珍しいという。
上を向く、つるんとした頭が手触りよさそうでとてもかわいい。星を見あげる女性の像、とされることが多いが、女神像なのか、人間の女性像なのか、なぜ上を見あげているのかは、わかっていない。

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この写真だと、綺麗に映りすぎていてどこらへんが「星を見る人」なのか分からないかもしれない。
こういう感じで顔の部分が上を向いているので、ちょっと横からのぞき込むと分かりやすい。

https://mini-girlz.tumblr.com/post/94602599309/artemisdreaming-statuette-of-a-woman-the

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また、このタイプの像は後頭部がでっぱっていて、つるんとした感じになってるのだが、この良さは現地で見ないと分からない。思わずナデナデしてみたくなる、絶妙な卵型。

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いまのところ、何のために作ったのか、どういう意味があったのかサッパリ分からない謎めいた品だが、それだけに、色々想像してみるのも面白いと思う。なにより芸術としての完成度も高い。こうした、今まであまり興味のなかった文化圏の逸品に出会って、「なるほどこのあたりの時代も面白いものがあるんだな」と気づけるのは、個人コレクションのいいところだと思う。