【ゆく年】2019年、今年もそろそろ〆作業の季節となりました【くる年】

そんなわけで今年も色々ありました。
今年の出来事をダイジェストで振り替えるいつものあの企画。各月のニュース記事から記憶を掘り起こすチョイスをしてみました。

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セーブポイント@荒船山



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◆1月

古代エジプトが輸入する戦象を警護していた? 紅海/ベレニケ港の近くで砦が発見される
https://55096962.at.webry.info/201901/article_15.html

プトレマイオス朝に該当する時代の要塞跡から、象の骨が見つかり、アフリカ中央部からエジプトに向けて象を輸入してた証拠なのではといわれていた遺跡。
エジプト、カルタゴに象を送って支援してた時期もあるんですよ…それでもローマに敗けたけど…(ブワッ


大英博物館、メイス・ヘッドを誤って「花瓶」として展示。→復元から間違えてた可能性あり
https://55096962.at.webry.info/201901/article_21.html

シュメール初期王朝時代の「花瓶」として大英博物館が展示していた品は実は「メイスの頭部」だった、という話。まあこれ当時の知識としてはしょうがないのでは…。


スコットランドの「古代の」ストーンサークル、実は90年代半ばに作られていたことが判明
https://55096962.at.webry.info/201901/article_22.html

ストーンサークルは、古代のものと最近のものの見分けつきにくい、ということが暴露されてしまった事件。


◆2月

ツタンカーメン王墓の10年に及ぶ保存作業が終了
https://55096962.at.webry.info/201902/article_4.html

王家の谷の稼ぎ頭がクリーニングされてオープン。
「修復」で昔の姿に戻したのではなく、「保存」で壁の損傷などもそのまま残した感じ。

エジプト/メイドゥムの崩れピラミッド近くで見つかった、謎めいた埋葬
https://55096962.at.webry.info/201902/article_13.html

これは久々に続報を待ちたくなった謎めいた埋葬。牡牛の頭とともに埋葬された少女は何者だったのか…。

メトロポリタン美術館、詐欺に遭う。
https://55096962.at.webry.info/201902/article_23.html

メトロポリタンが2017年に購入した、古代エジプトの黄金のカルトナージュ棺が実は盗掘品で、エジプトに返還されることになったというニュース。まさかの一流博物館でも、経歴詐称された棺に気づかず購入してしまう(そして盗掘した過激派などにお金払ってしまう)という、実はかなりヤバいニュース。


◆3月

曜変天目三種が同時に見られる! 天目茶碗の展示会が各地で開催
https://55096962.at.webry.info/201903/article_10.html

一生に一度のイベント。頑張って三か所回った。
三椀とも味があり、これが…本物…!となった人は多かったと思う。この展示の数年前に、なんでも鑑定団に出た曜変天目の真偽論争があったので、たぶんこのイベントは関係者からの引導だと思うんだ。

50年前に発見し忘れ去られていたマヤの「封印されし洞窟」が再発見される
https://55096962.at.webry.info/201903/article_13.html

封印が解かれてしまった…。
世界はもうだめだ…。


エジプト・中王国時代のアメジスト鉱山跡から碑文がいっぱい見つかる
https://55096962.at.webry.info/201903/article_24.html

これは今年のエジプト関連の発見の中では重要度の上位にくるだろうなと思ってるニュース。かつてここではアメジスト、金、水晶、雲母などいろんなものが採れ、古代の美しい装飾品の原料になっていた。職人たちの残したラクガキが歴史遺産になっている。


◆4月

デニソワ人の頭蓋骨の破片がようやく発見される(=確定された)
https://55096962.at.webry.info/201904/article_20.html

今までほとんど見つかっていなかったデニソワ人の骨、実はひっそり博物館の奥に眠ってた。DNAから鑑定できるようになった時代だからこそ。今年はほんとDNA解析関連の考古学ニュース多かったですね。

エジプト最古のピラミッド、階段ピラミッドの修復終わったらしいわよー! なお
https://55096962.at.webry.info/201904/article_14.html

一時は、修復失敗、大惨事と言われていた階段ピラミッドの修復が完了!
なお(

ヒクソスは武力ではなく婚姻でエジプトを支配したか、ミイラの調査から判明したこと
https://55096962.at.webry.info/201904/article_9.html

第二中間期ごろにエジプトを支配した異民族ヒクソスに関する研究動向。
ヒクソスが武力で支配したという歴史観はもう古くて、少数だった彼らは現地人と同化しながらじわじわ勢力を伸ばしていったことが分かってきている。


◆5月

古代エジプトのスイカは赤くて甘かった。植物DNAの研究
https://55096962.at.webry.info/201905/article_23.html

古代エジプトで栽培されていたスイカ、見た目は現代のに近いけど実際の味がどうだったのかは論争になっていた。それが残ってた葉っぱのDNAから解析される時代がこようとは…。

アジス・アベバの国立博物館/考古学遺物に足りない説明を加えてみた
https://55096962.at.webry.info/201905/article_17.html

ニュースじゃないけど。
できる範囲でまとめておいたので、次いく人の参考になるといいなぁ


◆6月

アフリカの「肥沃な三日月地帯」、ヤムいもの起源を求めて
https://55096962.at.webry.info/201906/article_2.html

農耕の起源は何も「肥沃な三日月地帯」だけではないし、ヤムいもや米はアフリカにも固有種があり独自の栽培の歴史がある。知られてないのはただ研究されていなかっただけ…。黙殺されてきたアフリカ文明のこれからに注目だ。


クリスティーズのオークションにツタンカーメン像の頭部出品、エジプトさんが物言い
https://55096962.at.webry.info/201906/article_12.html

オークションにツタンカーメン像の頭部が出品されるというのでエジプトからの物言いがついた事件。証拠不十分のため、像はその後、予定通り売られていきました…


◆7月

エーゲ海で見つかった「ギリシャのピラミッド」、もともとピラミッド型の島だった
https://55096962.at.webry.info/201907/article_23.html

最近はオカルト関係で話題になるとソッコーで本職のツッコミが入るので、超古代文明的な伝説で「ソースのあるもの」は生まれづらい世の中となりました。まぁソースのない妄想は誰にも否定されないんだけど。

航海実験と称したエンタテイメント「3万年前の大航海」ようやく完結。というわけで…
https://55096962.at.webry.info/201907/article_27.html

ほんとこれは酷かった…。

沖縄にどのように人が渡ったか、当時の気候がどうだったかについては色々意見はあると思うけれど、「この実験では何一つ証明されていない」「実験としては手法が間違っている = 実験として成立していない」という点については議論の余地はない。つまり、有望な研究に回せたはずのお金をムダにしただけです、マジで。

国が学者にもっと金を出せ、とかイキってドヤる前に、まず一般人である自分たちの知識レベルを上げて何が詐欺研究で何が意味のある研究なのか見分けられるようにならなければ意味がないんですよ。


ギリシャで見つかった21万年のホモ・サピエンス、人類の拡散史は書き換わるのか
https://55096962.at.webry.info/201907/article_16.html

結論から言うと、べつに書き換わらんのだけどな…っていう話でした


失われた3,500年前の記憶 ミタンニ時代の宮殿がモースル・ダムの底から出現
https://55096962.at.webry.info/201907/article_4.html

かつてエジプト・ヒッタイトとともに東地中海世界で覇権を担っていた帝国、ミタンニの都市が見つかったという話。ミタンニ関連の遺跡は少ないので貴重。ISに支配されていた時期もあるモースルで発掘調査ができるようになったのは感慨深い…。


◆8月

象牙の違法取引を取り締まるためにマンモスをワシントン条約に入れちゃおう! という斜め上の提案が出される
https://55096962.at.webry.info/201908/article_19.html

輸出入の厳しくなった象牙のかわりに売りさばかれるマンモス牙に関するニュース。
法律の穴をふさぐため、絶滅した動物が絶滅危惧種にするという裏技同士の戦い…。


エジプトマニア、古代のイースト菌を培養してパンを焼く。
https://55096962.at.webry.info/201908/article_15.html

一言でいうと「やべぇ…。」
いやもうね世界のトップエジプトマニアのレベルが高すぎて追い付けないなって常々思ってるんですよ。彼らそのへんの本職の学者より上だから。


粘土板の内容を解読したいのに一部欠けてる!(ビキビキ)→人工知能で続きが判るかも!
https://55096962.at.webry.info/201908/article_2.html

今年のトレンドとしては、AIが考古学に参入してきたことも挙げられる。
(このケースではビックデータ解析も関係するかと)
考古学という分野は古臭いイメージが強かったけれど、これからの時代はIT知識もないと生き残れないようです。


◆9月

インダス文明に属する遺跡の人骨、初めてDNA解析に成功。その結果は予想外?
https://55096962.at.webry.info/201909/article_8.html

DNA解析の技術が上がって、かつてはDNAの抽出が難しかった条件でも分析可能な量のDNAが取得できるようになったらしい。未知の扉が開き始める…


マヤ文明の要塞発見~ライダー技術で見つかったマヤ遺跡が語る歴史とは。https://55096962.at.webry.info/201909/article_25.html

これも新時代の技術を使った考古学の新たな手法。おそらくこれから、衛星からの遺跡調査などと組み合わせて使われ始めるはず。まさに世界の見え方が変わる研究。


◆10月

「オールドマスターの黄色」は古代エジプトの時代から。壁画に使われた色彩研究の新事実
https://55096962.at.webry.info/201910/article_18.html

これは考古学より美術史を研究してる人にインパクトのでかそうな事案。色彩の歴史が変わる。エジプトさんさぁ、やっぱ色々と保存状態良すぎなんだよ…。


サウジアラビア、考古学者に門戸を開く。未調査のナバテア人の領域がついに…!
https://55096962.at.webry.info/201910/article_7.html

ついに! 観光でサウジの遺跡にいける時代が来たっ!!
ほとんど資料無かったんだよねサウジ側のナバテア人の資料。これからだ…これからが面白いぞ…


◆11月

新アッシリアは旱魃で衰退したか 鍾乳洞の石から気候を測る研究
https://55096962.at.webry.info/201911/article_21.html

古代の異常気象の証拠が鍾乳洞から明らかに。農耕スタイルの違いで新バビロニアとの命運が分かれた可能性も。


アッカド王朝は旱魃で衰退したか。サンゴの化石から分析する古代都市の栄枯盛衰
https://55096962.at.webry.info/201911/article_1.html

こちらは化石サンゴの解析から。こんなところで他ジャンルと協力できるんだなぁと目からうろこ。


IT×考古学 未知のナスカの地上絵が発見にAIによる画像解析が投入される
https://55096962.at.webry.info/201911/article_16.html

日本でも考古学にAIが参戦。IBMが早速AI関連の販促で利用しててちょっと笑った。いいぞもっとやれ。


地学×天文学×考古学。アッシリアの天文観察日誌、最古のオーロラ様現象の記録と判明する
https://55096962.at.webry.info/201910/article_22.html

これも他ジャンルと考古学の協力で歴史を紐解こうというこころみ。日本の大学も頑張ってる。なお、オーロラと断定は出来ないので、厳密にはオーロラ「様」の現象。


◆12月

ついにあの謎の物体の実物が? 古代エジプトの「頭の上に載せてる謎のアレ」
https://55096962.at.webry.info/201912/article_12.html

名前がないので「謎のアレ」と呼ぶしかないアレ。でも見れば判る、見れば…。

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ここまで
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というわけで、ざっと一年分を記事を振り返ってみた。

今年の動向を見てみると、AIやライダー技術など、新時代の幕開けと言うべき新たな手法が考古学の世界にどんどん参入してきているのが分かる。

中の人、本業(IT屋)と趣味(考古学とか歴史とか)は絶対に交わらないとたかをくくって別々にやってたのに、何だかいつの間にか両方の接点が生まれちゃってるんだよ…。本業の知識が趣味で活かせるじゃないですかヤッター! 趣味のために仕事してると言い張ってた甲斐があったぞヽ(・∀・)ノ まあITの中でもAIとかデータサイエンスは最近出て来た新ジャンルなので、極めるには程遠いですけど!

急速に変わりつつある技術の中、たぶん、新しいことを学び続けなければ脱落していくのは、人文系のジャンルも同じだと思う。
まぁ来年もまったり自分のペースで追いかけていこうかなと思う。


あと個人的に大きなところでは、サウジアラビアの今後の動向に注目ですかね。
サウジの遺跡いってみたい…今はツアーじゃないと難しそうだけど、個人で行けるようになる時はくるだろうか…。