IT×考古学 未知のナスカの地上絵が発見にAIによる画像解析が投入される

ITと考古学のコラボもついにここまで来たかという感じ。
AIによる画像解析で、今まで知られていなかった地上絵が多数見つかったというニュースが流れてきた。

山形大プレスリリース

ナスカ台地とその周辺部で143点の新たな地上絵を発見
https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/information/press/20191115/

naz.PNG

ITmediaの記事
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1911/15/news104.html

どういう手法で分析しているかについては、ITmadiaの記事が詳しい。
まずAIは、素のままだと何もできないので、「こういうパターンを見つけたら地上絵の可能性があるよ」というのを学習させる必要がある。それが、「学習させたのは指で数えるほど」と言っている部分。
そこから地上絵に共通するパターンをAIが取得。
あとは、このAIに高画質の空撮写真をかたっぱしから突っ込んで、地上絵の可能性のある部分を抽出させればOK。
結果、500点ほどの候補を抽出されて、そこから人が目で見て判断して最終判定。

このテの処理にはかなりのGPUパワーを使うため、ビックデータ解析専用の機材を置く必要があるが、そこは流石のIBM、IBM Power System AC922を持って来たらしい。まぁざっくり言うとゲーミングPCのはるか上位版、みたいなノリのハイスペックなサーバ、ですかね…。

これ
https://www.ibm.com/jp-ja/marketplace/power-systems-ac922

最近よく売れてるタイプのサーバだ。IBMもいい宣伝になったのではないだろうか。


ナスカの地上絵は、実はナスカだけでなく、周囲のかなり広い範囲に存在することが最近わかってきた。
最近まで分からなかったのは、「探さなかったから」。地上から見ても分からんので、衛星写真や上空にセスナ機を飛ばして撮影した写真を人間が目を皿にして眺めて判定するしかなかった。しかしそれでは時間がかかりすぎ、近隣の町の拡大に伴って地上絵が破壊されるほうが早いのではという悲観的な意見もあった。

それがAIに自動判定させられるようになれば、はるかにスピードアップできる。AIはパターンを学習していけば精度が上がるし、判定アルゴリズムを最適化すればもっと効率よく見つけられる方法もあるかもしれない。


" IBMと山形大は、実証実験の成功と、地上絵の破壊が進んでいる状況を踏まえ、9月に約2年間の学術協定を締結。ビッグデータ解析用プラットフォーム「IBM PAIRS Geoscope」を活用し、地上絵の分布状況を把握する取り組みを始めている。
 今後は同大の過去10年分の現地調査の結果をAIに学習・分析させつつ、現地調査を並行して行い、ナスカ台地全体を網羅した地上絵の分布図を作成する計画だ。同大は分布図を参考に、ペルー文化省と共同で地上絵の保護活動を進めるという。"


とのことなので、まだまだこれから、さらなる発見は続きそうだ。
楽しみだね!


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<参考>

前段となるのはこのあたり。この頃から、画像判定で地上絵を探していた。しかしまだビックデータの解析やAIの技術は取り入れられていない。

ナスカに新たな地上絵が発見される。
https://55096962.at.webry.info/201507/article_11.html


ナスカから少し離れた地域にも調査が広がり始めていたのがこのへん。

ナスカの近くで、ナスカじゃない地上絵が発見される…これは何と呼べばいいの?
https://55096962.at.webry.info/201804/article_21.html


実は地上絵に似たものはペルー南部にもあるよ、という話。
描かれているものは動物や人物ではなく文様だが、根底にある思想や描く技術は似ていると思う。

ペルー南部にある謎の「サークル」状の地上絵について
https://55096962.at.webry.info/201906/article_26.html