ヴァイキング時代の女性たちは、自前の天秤ばかりを持っていた。

ヴァイキングのいかにも荒々しいイメージから、女性の墓には入れなかっただろうと思われていたが実際は女性の墓にも入っていることが多いと、最近になってわかってきたものが幾つかある。

武具や馬具。
馬そのもの。
そしてこのような天秤と重りだ。

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天秤は、ヴァイキングが交易者でもあったことと関連している。彼らは片手に剣、片手に天秤を持ち、ある時は奪い、ある時は取引をして物品を手に入れた。そのため男性の墓にしか入っていないものと思われていたが、最近の研究では、見つかっている埋葬された天秤の3-4割は女性の墓から出ているそうだ。

なぜ取引に天秤が必要かというと、銀の目方で支払いをしていたからだ。持ち運びしやすいよう、細くコイル状にした銀を、必要に応じて切り分けてお金の代わりに使う。いわば天秤は「そろばん」の役割なのだ。だから屋敷の切り盛りをする裕福な農場の主婦などは、家庭の仕事のために天秤が必須になる。
この写真の天秤の持ち主も、9世紀はじめ、裕福な農場に生きていたようだ。ヴァイキング時代には珍しい、ガラス製品も墓から見つかっているという。



サガに登場する女傑たちの伝説は既に多く研究されてきたけれど、糸つむぎと天秤を持って日々と戦っていた農家の女房たちの現実の物語は、きっとまだこれから語られるところなのだ。