エジプトさん、スーダンの巨大ダム計画に物言い。水利権の交渉は決裂…

まぁ絶対に意見があうはずのない交渉でした…。

ナイル川の上流、エチオピアで巨大ダムが建設されていて、水を溜めはじめると下流のエジプトに流れる量が減って経済に大打撃を受けるので、水溜めるスピードを遅らせろやとエジプトさんが激怒している、というお話。

↓これがエジプト政府紙での見解
http://english.ahram.org.eg/NewsContent/1/64/352222/Egypt/Politics-/Timeline-The-GERD-crisis.aspx

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おそらくもう少し中立的で、わかりやすい日本語のサイトがこのへん。

(アフリカはいま)ナイル川、巨大ダムの衝撃 上流のエチオピア、建設
http://suigenren.jp/news/2019/08/19/12144/

ナイル川をめぐる激しいエジプト・エチオピアの対立
https://www.international-press-syndicate-japan.net/index.php/news/2033-egypt-prepares-force-nile-flow-2

ダム建設が始まった頃から何度も交渉は決裂していて、お互い譲歩する余地がないためどうにもならんのです。
ちなみにエジプトさんはスーダンへの軍事行動さえ計画したことがあるとか。エジプトさんは生きていくのに必要な水をほぼ全てナイル川に頼っているため、文字通り命がけでもあります。

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・何でこんなことに?

ナイル川は国際河川で、エジプトは海への出口=最下流。
かつてはナイル川に巨大ダムを作っているのはエジプトさんだけだったけど、今では上流の国々もダムを作って水力発電をするようになっており、ナイルの流量が急速に減りつつある。

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・エジプトは何故怒ってる?

上流にダムを作られる=国家の生命線を他国に握られる、ということを嫌がっている。
またダムに水を貯めている間、及び貯めたあとのダム湖からの蒸発で下流までくる水の量が減るので、自国の生命線が細ることを懸念している。

・つまり対立の構図は…

絶対に取り分を減らしたくないエジプト vs ダムで発電して発展途上国から脱出したいエチオピア
譲れない戦い。

ちなみに少し前までエチオピアとエジプトの間にあるスーダンも、エチオピアのダム計画に懸念を表明していたものの、エチオピアさんが「うちのダムで発電した電気少し回すよ」と言ったことで矛先を収めた模様。現在はもっぱらエジプトvsエチオピア。



というわけで、両国の言い分はどちらも判るし、どちらも死活問題なので難しいところ。
ただこの件は、そもそも今までエジプトが得をしすぎていたのも根本にあり、自分的にエジプトさんは高飛車に出るのではなくもうちょっと譲歩してもいいのでは…。という気がしている。

"エジプト政府は、大英帝国時代に締結された条約を根拠に、エジプトには少なくともナイル川の流量の3分の2を使用する権利があり、ダムや灌漑用水路の建設といった開発プロジェクトをナイル川上流地域で行うことに関して、拒否権を持っていると主張している。

英国が1929年に作成したエジプトとスーダン間のナイル川の割当水量に関する合意(1959年に改訂)は、ナイル川の上流地域にあたる国々に相談することなく締結された。

1959年の合意では、ナイル川の年間平均水量840億立方メートルのうち、エジプトが555億立方メートル、スーダンが185億立方メートルを利用できると定めている。残りの100億立方メートルは、エジプトが1970年代に建設したアスワンハイダムによってできたナセル湖で蒸発してしまう。他方で、ナイル川に接する他の9か国には何の権利も与えられなかった。"


これは2つめのリンク「ナイル川をめぐる~」からの抜粋だが、現在エジプトがエチオピア相手に主張しているのもこの協定。なのでイギリスに支援を訴えたりしている。
うん、まぁ、つまり例によっていつものイギリスさんが紛争の種を撒いたやつなんだ(´・ω・`) さすがだよね大英帝国…

そりゃさすがに、いつまでもこれに従えというのはムリ。

とはいえエジプトがガチでナイル川の水に頼り切っているのは確かなので、どこかうまく落としどころが見つかるといいんですけどね。