カイロに立っていたラメセス2世オベリスク、New Alameinへ移動。

少し前のニュースだが、1956年からカイロの町に建てられていたラメセス2世のオベリスク(14m,90t)が北部海岸沿いのNew Alamein の街へ移動させられたらしい。なので今カイロに行ってもこのオベリスクはもう無い。

Ramses II obelisk moved from Cairo's Andalusia Garden to New Alamein City
http://english.ahram.org.eg/NewsContent/9/40/342506/Heritage/Ancient-Egypt/In-Photos-Ramses-II-obelisk-moved-from-Cairos-Anda.aspx

obe.PNG

このニュースが面白いのは、今回移動させられたラメセス2世のオベリスク、時代ごとに建ってる場所が違うというところだ。

このオベリスクが最初に建てられたのは、新王国時代第19王朝、おそらくペル・ラメセスの町だった。それが第三中間期の21王朝~22王朝ごろに再利用され、デルタ地帯のタニスの町へと移されたと考えられている。そこから近代になってカイロの町に移され、さらに今回は、地中海沿岸のアレキサンドリアに近いニュー・アラメインという新興都市に移動させられようとしているわけだ。

エジプトは人口が増え続けており、ナイル川沿いの狭い地域では収容しきれないこともあって首都をカイロから移転させるという話があったり、新しい大都市を建設しようとしていたり、と、近年、大型の建設プロジェクトを矢継ぎ早に発表している。ニュー・アラメインもその一つで、「カイロの混雑を離れて海岸で優雅にビジネスしたりリゾートしたりしない?」と売り込みをかけている最中。
ちなみに、開発費用は外国からの投資だ。より具体的に言うと、サウジアラビアや中国からの大型投資をかなりの割合にあてている。

Everything You Need to Know About the New Alamein City
https://www.propertyfinder.eg/blog/en/new-alamein-city/

かつてペル・ラメセスは首都に並ぶ大都市であり、タニスもまた州都だった。カイロは近代エジプトの首都であり続けた。
そう考えると、北エジプトの中心として栄えて欲しいと願うエジプト政府が、このオベリスクを新しい街に移したのは「ゲン担ぎ」のためなのかもしれない。…エジプトに、そういう感覚があるかどうかはともかくとして。


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前にも呟いたけど、ラメセス2世の遺物あちこちに再利用されすぎだし、観光客呼ぶのにもビジネスマン呼ぶのにもつかわれてるしで、そろそろラメセス2世に「商売の神」というえべっさんか大黒さん的な神属性がつきそうな気がしている…。