【ネタバレ大】FE風花雪月、設定倒れになってるっぽい伏線を回収してみた

ニンテンドースイッチで発売されたFEシリーズ最新作の風花雪月をやっていた。
ゲームとしては面白いし戦闘バランスもまぁまぁ。(ハード/クラシックでやると緊張感ハンパない。ノーマルでやるとヌルゲー)
ただ、「大陸の命運をかけた三大勢力の激突」という壮大な舞台設定のわりに戦略に関する部分などシナリオの一部がばがばで、設定とか伏線が生かし切れてない…。
面白いゲームなのにちょっともったいない。あとプレイしていても「?? ここの部分ってこうなんだっけ」って分からなくなってくる。なのでちょっとまとめておくことにした。

ファイアーエムブレム 風花雪月 -Switch (『TCGファイアーエムブレム0』限定カード「士官学校の新任教師ベレト」 同梱)
ファイアーエムブレム 風花雪月 -Switch (『TCGファイアーエムブレム0』限定カード「士官学校の新任教師ベレト」 同梱)

このゲームのスタートは「学園モノ」で、三つの学級のうちどれかを選択して生徒たちを教育していく。
三学級の出身者は大陸に存在する三勢力それぞれから来ていて、後半の戦争篇では三学級が互いの正義を掲げて殺し合うはめになってしまう。(和解ルートなし)

なお、ストーリーは以下の4種類。普通にプレイして1周40時間くらい、2周目以降は戦闘スピードを上げたりして回して15~20時間。
4周やった人はどれくらいいるんだろうか。。。

◆赤ルート(帝国) 黒鷲学級を選び、かつ級長のエーデルガルトに味方するコース
◆赤ルート(教団) 黒鷲学級を選び、かつ大司教レアに味方するコース
◆青ルート(王国) 青獅子学級を選ぶ
◆黄ルート(同盟) 金鹿学級を選ぶ

どの学級を選ぶかによってストーリーが分岐するのだが、ストーリーごとに明かされる真実の範囲や内容が異なっている。
どれか一つのストーリーをこなしただけでは多くの伏線が投げっぱなしになる上に、全パターンをクリアして、かつ特定のタイミングで起きるイベントや特定のキャラクターの組み合わせの絆を上げないと設定の全体像が見えないという不親切な設計で、おそらくそこまでたどり着けない人も大勢いると思う。どこまでの設定にたどり着けたかによって、帝国・王国・同盟の各勢力の印象も変わってしまう。

戦記物でエンディングは「後世に~と語られた」みたいな歴史風なので、自分の所属する陣営から見た歴史しか見えないってのはリアルっぽさがあるといえばそうなのだが、ゲームの作り方としては失敗している。「与えられる情報はどのルートでも同じ、受ける印象が異なる」であればGoodだったのだが、「そもそも与えられる情報が全然違う、皆ウソついてるか一部しか言わないか誤認してる」という状態なのでプレイする側からすると分かりづらい。

本来は戦わなくても良かった三勢力が、ちょっとした説明不足からのすれ違いで、ガチで殺し合わなきゃならなくちゃならなくなるあたりも、リアルっちゃリアルなんだが…。


そんなわけでこの記事は、1つか2つのストーリーをクリアした後、「そういえばあの伏線どうなったの? ていうか全体像がイマイチ分からないんだけど…」とスッキリしないことになっている、プレイ済の人むけの伏線整理のために書いてみた。もしこれからプレイする予定の人が見るのであれば、自己責任でお願いします。


************************************
ここからネタバレ
*************************************


まずこのゲームのストーリー、実は「帝国vs王国vs同盟」の三つ巴ではない。
結局のところ、敵対しているのは以下の2つの勢力だ。

◆セイロス教団(聖教会)

千年前に天上の神々に遣わされ、地上の混沌をおさめたことになっている聖者セイロスの教えを広める教団。
しかしその実は大司教レア(=セイロス本人)が「大陸フォドラの平和を守るため」と称して都合のよい歴史を教え広めている宗教組織。都合の悪い歴史の書かれた本などは焚書処分、逆らった者は同じ教会内の勢力であっても「安寧のため」容赦なく処刑。レア様が「都合のいい歴史で騙してましたごめんなさい」と反省するのは赤の教団ルートのみなので、他ルートで彼女が語ることは実は信用できず、黄ルート最後で「もう何も隠し立てしません」と言って話してくれた内容すら一部が隠されている。


◆アガルタ(通称「闇に蠢く者たち」)

千年前に天上の神々、ということになっている竜族の支配を逃れようとして反乱を起こした人間の末裔。伝承で神々に逆らったと言われているネメシス以外のフォドラ十傑たちも実はこっち側の勢力だった。ちなみにセイロス教団の教えでは「紋章は女神に与えられたもの」とされているが、実際は「人間が神々に対抗するために神々から奪ったもの」でもあったことが黄ルートで明かされる。この事実を教団が隠していたのは、女神の眷属たち自身が人間をいいように使うために意図的に紋章を与えていたこともあったからと思われる。
戦争に負けて地上がセイロス教団の支配するところになったので地下に隠れ住んでいる。復讐のために人道に外れたこともする文字通りの外道集団だが、存在を抹消されたうえに千年に渡り改ざんされた歴史を吹聴されてたら歪む気持ちもちょっとだけわからないでもない。



赤、青、黄それぞれのルートで掲げられる思想は、以下のとおり。

◆赤(帝国)
「神の手から人間の世界を取り戻す」「紋章や身分によらない実力主義の社会をつくる」
神は必要ない、としてセイロス教団と敵対するルート。ただしそのために、外道と知りながらアガルタの力を借りているのが負い目となっている。エンディングで、教団を倒したあとアガルタ勢とも戦ったことが語られるが、結局倒せたのか倒せなかったのか分からないのがすっきりしない。

◆青
「弱き者には信仰が必要」「異民族差別をやめよう」
教団のやり方が正しくないのは薄々知りつつ、現状の秩序の枠を壊すと弱い者には耐えられない、として帝国を打倒とようとするルート。また辺境の異民族などに肩入れしている。青級長が私情入りまくりでそもそも為政者としてはあまり相応しくないように感じるのがネック。

◆黄色
「壁をぶっ壊す」「フォドラを外国に開かれた世界にする」
大陸の外にも世界はあるのに大陸に閉じこもっているやり方が良くない、として、成り行きで帝国と王国と教団とアガルタがみんな滅びた更地にイチから秩序をつくろうとする。伏線回収の具合や終わり方は一番いい感じにまとまっているのだが、エンディングで黄色の級長が秩序の構築や戦後処理を主人公(プレイヤーキャラ)に丸投げして姿をくらますのが全てを台無しにしている。

◆赤(教団)
黄色とほぼ同、最後の最後でラスボスが大司教レアになってるあたりだけ違う。



よってどのルートも完全な正義ではなく、完全な悪でもないという微妙仕様なのである。
現実の戦争もそんなもんだろと言われればまぁそうなのだが、味方した勢力がどういう思想で動いているのかがハッキリわかるのが終盤に差し掛かってから、というのが不親切だ。なにしろ各勢力とも、級長は腹に秘めるばかりで自分の素性や考えをはっきり言わないのだ。これも、支援値を上げたり、特定のイベントをこなしたりしないと伏線が回収されない。



◆赤級長・エーデルガルトのバックボーン

帝国の皇女でのちの皇帝となる。
それぞれ腹違いと思われる10人きょうだいのなかの一人だが、兄・姉・妹たちは皇帝から実権を奪った宰相一派の人体実験で死亡。唯一の生き残りが彼女。かつて闇の中に繋がれていて血の実験を受けた、と話している。実験の結果、強力な「炎の紋章」を宿している。宰相たちの目的は強力な力を持つ皇帝を生み出すことだったと支援会話で語られている。実験の結果、女神の眷属と戦ったネメシスや主人公と同じく、炎の紋章持ち(+生来のセイロスの紋章も持つ)になっている。

帝国はレア(セイロス)がネメシスを討つために建国を助けて出来た勢力なので、その時からの伝承でのちにセイロス教団が隠してしまう真実を伝承している。おそらくその一部が上記のような「女神の眷属の血を人間に入れると強化される(=フレンの血を利用しようとした理由)」、「紋章石を人間に与えると魔獣になる(=墳墓を襲撃した理由)」というもの。また、これらの技術は元々セイロスがネメシスと戦うために使っていたものなので、「セイロスはヤバい」ということも何となく知っているのだと推測できる。ちなみに赤(教団)ルートでは実際に、セイロスが血を与えた人間が制御不能な魔獣と化して暴走するマップがある。

改革のためには犠牲も辞さない、という強硬派かつ、兄弟姉妹を失っていることで最初から覚悟完了済み。どんな手を使っても教団を滅ぼし、その後はアガルタも殲滅すると決めている。なお、彼女の語る「大陸の平和を守るためと称して三勢力の貴族の子弟をガルグ=マクで洗脳している」という話は、あるいみ事実である。


◆青級長・ディミトリのバックボーン

王国の王子でのちに国王となる。
王国は、帝国が教団に従順でなくなったのでレア(セイロス)が建国を助けて作られた。ぶっちゃけ千年前の真実はほとんど伝わっていななさそう。物語開始の4年前に「ダスカーの悲劇」で父や仲間を失ったことがトラウマになっている。実の母を幼いころに亡くしており、元は帝国皇帝の妻でエーデルガルトの実母であったパトリシアという女性が非公式の母として王室に迎えられている。そのため母親=継母=エーデルガルトの母。ちなみにエーデルガルトは、血の繋がらない姉弟かつ幼馴染かつ初恋の相手。
なお、パトリシアについては名前だけで顔すら出てこないので、どんな女性だったかさっぱりわからない…。

エーデルガルトがアガルタ勢と通じていたことを知ったディミトリは自分の家族を殺したのが彼女だと思い込み、帝国絶対殺すマンと化すが、実際はパトリシアが実の娘とかつての夫のもとに帰りたいと願ったことによって引き起こされた(=今の家族を全滅させたかった)ことと、国王であったディミトリの父の改革が急進的すぎて地元貴族の反発を招いたのが原因だったことが後半に明かされるめ、はっきり言ってこの件に関してはエーデルガルトはとばっちり。

青ルートでは後半までヤサぐれていたが、かなり終盤になってからようやく復讐心を振り切り、秩序を取り戻すための戦いを開始する。

赤(帝国)ルートで彼と敵対した場合、レア(セイロス)が彼の側につき、ディミトリは苦渋の顔をしながらも部下を魔獣に変えて反撃してくる。レア(セイロス)が味方についても、アガルタが味方についても、結局は人間を兵器化してなりふり構わず戦う殺し合いになるあたりも、いかにも現実の戦争っぽくて救いがない。

黄ルートでは空気。勝手にフェードアウトする。あとほとんどのペアエンドでは早死に(病死)する。不憫。


◆黄級長・クロードのバックボーン

同盟勢力の盟主リーガンの孫。より正確には、盟主を継ぐはずだった人の妹が大陸の外の国パルミラの王子と駆け落ちして生まれた息子。なので半分はパルミラ人、半分はフォドラ人。フォドラにちょくちょく攻めてきているパルミラでは、フォドラは化け物の住む土地と呼ばれており、その理由はおそらく「迎撃に出てくる人間が魔獣化するから」なのだが、当のフォドラではその事実は教団によって抹消されており伝わっていない。

パルミラに居た頃は半分フォドラ人だとして差別を受けていたが、フォドラに来てからは余所者、敵国の人間として白い目で見られ、どっちにいても差別されるので人種や出自に関わらず平等な世界をみたいと考えている。その意味ではエーデルガルトとほぼ同じ考えなので、手を組めばええやん? と思わなくもないのだが…。赤(帝国)ルートで彼と戦った場合、トドメをささずに「見逃す」選択肢があるのが唯一の救いか。

既存の概念にとらわれず自由に考えるというやり方は好きだし、大陸の歴史を探って教団のかくしている真実を探ろうとするストーリーも良いと思うのだが、とにかく興味本位で動くだけで最後は丸投げして去ってしまうのが納得いかない。あと、策士キャラと言われるわりにいまいち策を講じてないというか、せめて他勢力と講和くらいすれば良かったのにね。(青ルートだと帝国との講和の試みがあったのに、黄ルートだと無い)



また、他の思わせぶりなキャラの素性は以下のとおり。


◆主人公(ベレス/ベレトス)

レア(セイロス)が神祖を蘇らせるために作った少女と、大ケガを治すためにレアが血を与えて強化した人間ジェラルトの間に生まれた子供。
母子ともに出産に耐え切れず、死に瀕した母親が息をしていない子供を助けるために自分の中の紋章石(=ソティスの心臓)を子供に与えてくれと遺言したことから、ソティスと同化して生きることになった。
ここまでは黄ルートでも明かされるが…。


◆レア

伝説に語られる聖者セイロス本人。神祖が作り出した最後の眷属。神祖ソティスと過ごした時間はそう長くないらしく、当のソティスも「こやつ何ものじゃ?」とか言ってるあたり救われないというか、果たして本当にソティスが創ったのかも怪しい。
赤き谷ザナドに暮らしていた眷属たちがネメシスをはじめとする人間に殺された生き残り。仲間を殺されたことがトラウマになっているのはディミトリと同じ。喪失感を埋めるためか、神祖を蘇らせようと人間を作り続け、12人目が主人公の母親。一人あたり50年生きるとして12x50=600年、これまで生きてきた時間の大半を神祖「お母様」復活に注いでいる計算に。それを知った同族のセテスからはドン引きされており、一族としても禁忌だったらしい。

真の姿は伝承に言われる白い竜「白きもの」であり、アガルタ人が女神の眷属を「獣ども」と呼ぶのは、女神の眷属(同族)たちの真の姿が獣だから。ちなみに他の同族は、外伝で鳥っぽい人や亀っぽい人(マクイルとインデッハ)が出てくる。


◆セテス&フレン

聖人とされるキッホル&セスリーン本人。セテスは千年前の戦いで、戦力不足からまだ幼かった娘のセスリーン(フレン)を前線に立たせた結果、定期的に長い眠りにつかないと生きられない体にしてしまったことを悔やんでいる。またフレンは、千年のうち大半眠っていたせいでいまだに幼い姿のままらしい。フレンが眠っている間は彼女を人里離れた場所に隠しているため、セテスも世間の事情にちょっと疎い。
なお、セテスの妻/フレンの母の性格はカトリーヌにちょっと似てる(フレン談)、マヌエラにもちょっと似てる(マヌエラとの支援会話)らしい。
この二人がレアのやらかしに関わっていないのは救い。


◆ジェラルト

元王国の傭兵、かつてレアを庇って大怪我を負ったときにレアの血を与えられて強化されている。百年以上生きている。
なおガルグ=マクの兵士や司祭の中には彼と同じようにレアに血を与えられたり、紋章を渡されたりして強化された人間がたくさんおり、赤(教団)ルートではまとめて魔獣(白きもの)と化す。もしこの時点でジェラルトが生きていたら、彼も多分…。


◆ソティス

神祖。ゲーム開始時は主人公内に意識のみ同居。セイロスは彼女が作ったことになっているのに完璧に忘れているとか、天帝の剣は彼女の死体(背骨?)から作られているらしいのに見覚えがなさげな様子だったりと、記憶喪失にしてもちょっと謎。中盤で意識が消滅する時にいきなり記憶を取り戻しているあたりもガバガバ設定の一つ。頑張って好意的に理解すれば、レア(セイロス)が作られてすぐ没していること、英雄の遺産と呼ばれている武器はすべてソティスの死後にソティスの眷属から作られているらしいので、生前の記憶には無いということか。

尚、神祖と呼ばれているわりにキッホル(セテス)やマクイルやインデッハは彼女の作ったものでも子孫でもないことが外伝で語られている。ソティスを「お母様」と呼ぶのはレア(セイロス)だけ。他の眷属は「赤き谷」ザナドでネメシスたちに皆殺しにされたらしいが、そのわりにキッホルたちはネメシスに何も言わない/戦闘にも積極的でないあたり、レア(セイロス)の言ってることが正しいのかどうか分からない。




というわけで、未回収だった伏線とか全体像とかを整理してみたものがこんな感じ。どの勢力も事実の一部しか語っていなかったり、自分の興味あるところしか語っていなかったりして、リアルっちゃリアルだが不親切きわまりない。ほとんどの矛盾点については、レア(セイロス)が説明しているフォドラの歴史と図書館にある歴史書が教団に都合よく改ざんされたもの、と判明すると解消されるが、それでも設定の穴が完全には塞げなくて謎が残る。

それと明確には語られていなかったが、アガルタの文明が地上より進んでいることや、教団の地下にあった千年前の遺構の文明度からして、千年前に「神々と戦った」とされる時代の人間の文明力は、物語開始時よりはるかに高い。だとすると教団の歴史で「自らを神々のように思ったために滅ぼされた」とされる人々は、文明レベルが想定より上がりすぎてしまったがために女神の眷属たちに滅ぼされたのではないかと思われる。そうすると、アガルタ人が女神の眷属(=セイロス)を恨んでいる理由もよくわかる。

なので自分は、三級長全員で教団とアガルタ滅ぼして、アガルタの技術力だけパクって大陸の発展に充てるルートが存在しててほしかったです…。


***************
お気にいりペアエンド
**************

キャラ同士の友好度をMAXまで上げると到達するペアエンド。
かなり種類がある中で気に入っているのは以下。


・主人公(男)×ソティス
「この世の果てまでもともに旅しようぞ」一心同体となった女神と何千年という時を過ごすEND。

・リンハルト×フレン
えっっっっっろ
リンハルトお前…まじめな顔してソッチも凄いとか…そういう…
男主人公との男同士ペアエンドで笑ってた頃の自分はまだ青かったな

・ベルナデッタ×フェリクス(赤/帝国ルート)
赤と赤以外で展開が違うが、どのルートでペアにしてもこの二人の相性のよさがすごい。
ベルの天然がフェリクスの半分病んでる精神を完全に癒し切る。なお同じく癒し系であるメルセデスとのENDはここまで明るくならない

・セテス×マヌエラ
作中でさんざんダメな女扱いされるマヌエラ先生が、実は器の大きなイイ女だったことがわかるEND
末永くお幸せに!

・カスパル×ヒルダ
自由とフリーダムを掛け合わせるとそりゃこうなるよね
すっげえ人生楽しんでる感がして好き

・ラファエル×レオニー
お似合い過ぎてわかりみが凄い

・ハンネマン×アネット
夫婦ではなく師弟のEND。研究一筋の学者とマジメ一辺倒で優秀な生徒が二人で学問の世界を切り開く。
スピンオフで別の物語作れそう