対馬に観光客が来ない理由を分析してみた。

日韓の関係悪化と、去年から始まっている韓国経済の後退の影響を受けて、韓国人に人気だった観光地で軒並み観光客減になっているという話があった。特に、韓国から近い対馬の影響が大きいらしい。

"長崎県などによると、対馬市を昨年訪れた観光客は約53万7千人で、韓国人が4分の3を占めた。25の主要宿泊施設のうち、約10施設で、今年7月の宿泊者数が前年同月より5~9割減り、8月も落ち込んだ。"

https://www.sankei.com/region/news/190911/rgn1909110007-n1.html


そこで実際に旅行計画を立てる体で調べてみたら、わりと致命的な問題が幾つか見つかったので、ついでにまとめておきたいと思う。



◆観光ガイドが国内旅行コーナーに無い。

これがなぜ問題かというと、休日などで国内旅行を検討していて、まだどこに行くか全く決まっていない人は、最初に本屋の旅行コーナーでざっと見て、なんとなく気に行った場所を選ぶことが多い(と思う)からだ。ていうか対馬がひっそりと「五島列島」の本に入っているとか、そもそも遠方の土地勘のない人間には分からないんで…。

ちなみにインターネット上には対馬の情報がそれなりに挙がっていたが、インターネット上の情報は、検索しないと出ない。つまり「対馬に行ってみようかな?」と既に興味を持っている人しかそこまで辿り着かない。

小豆島とか小笠原諸島とか屋久島とか、島単位のガイドブックは他でもあるんで、「対馬」単体のガイドブック作ったほうがいいと思う。



◆観光ルートが見えにくい。

対馬に行こうとすると、福岡空港まで行って空路、もしくは博多港から海路となる。しかし対馬は長崎県。国内からのメジャーなアクセスルートが 福岡→対馬 なのに、行政区分が違うのだ。

そのせいもあるのか、福岡観光のガイドブックや観光ルートの中に対馬が入っていない。これが結構、致命的。なぜなら、対馬単品で訪問しようという人はそれほど多くないと思うからだ。

韓国からの対馬へのルートであれば、釜山からの海路一択である。しかし国内からのアクセス経路は、果たして、現地の人はどういうルートを想定しているのか。普通は博多に行くついでに対馬行くんじゃない? 逆に、長崎に行った人がわざわざ遠回りして対馬にもついでに寄るとかしなくない?? モデル観光ルートを作ってみれば、どこに宣伝を打てばいいのか見えてくるはずだ。

地方観光事業は県の単位でやってることが多いが、対馬の場合は県の境目なので関西でやってた「三都物語」みたいな県を越えた観光誘致のキャンペーンをやらないと観光客は来ないと思う。

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◆近辺のライバル観光地が魅力的すぎてたどり着けない。

長崎にしろ福岡にしろ、観光地としての魅力が高いため、2泊3日で旅程を組む人がいたとしたら、まず2泊とも手前の町で消化して、あえて海は渡らないと思う。何しろ対馬って、空路で1時間弱、船だと2時間かかる距離なのだ。
今回、対馬に行ってみるつもりで情報を検索していた私ですら、手前の博多で観たいものに色々と引っかかってしまい、真っすぐに対馬に行くコースはないな、と思ってしまったくらい。もしそれでも対馬まで来てほしかったら、「微妙に遠い」という不利な点を覆し、なおかつ近隣のライバル観光地と張りあえるくらいの魅力を持たせてほしい。

そもそも対馬って何があるの? と言われて、ぱっと思いつかない。まずは一つくらい「これが一番の推しです!」と言えるウリを作るところから。


◆島内の交通機関が貧弱

島が意外とデカく、見どころが散らばっている上に、直通のバスがない。空港と港の距離が離れている。なんと島の中部にある有名な海神神社やわだつみ神社にバスで行けない。(このあたりでちょっと絶望した)
レンタカーで回るのが必須かと思いきや、どうもレンタカーの台数もそんなに多くない…。

ツアーバスでやってくるお客さんばかり想定してるんじゃないか? という気がした。個人や家族でふらっと行けないのは、結構マイナスでかいですよ…。



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>>おわりに

というわけで、何か色々致命的な問題が見えた。

しかし結局のところ、観光とはイメージ戦略である。
どんなマイナス要素があっても、たとえ交通機関がほぼ無くても、「インスタ映えするから」とか「話題になってたから」と課「ここでしか見られないものがあるから」とかの動機さえあれば、人はやってくる。絶海の秘境、青ヶ島なんかがその例だ。

沖縄といえば海、屋久島といえば屋久杉と大自然、八丈島は火山とヤシの木のビーチと温泉、みたいな、何かこう、キービジュアル的なイメージをまずは作ればいいと思う。「国境の島」でもいいし「海と神社」でもいい。まず一つウリを作って、それに従って島のイメージを宣伝する。でなければ、そもそもの休日の行先候補にも挙がらない。

また、韓国にしろ中国にしろ、今は人数が多いが、ともに経済基盤に不安定なところがあり、ともに(ほぼ)独裁国家であるため政治的な要因で状況が変わりやすい。もし観光地としてやっていくつもりがあるのなら、他のアジアの国々や、国内からの観光客も確保しておくのは大事だろうと思う。