エチオピアにおける中国企業の進出状況と今後の展望

エチオピアで一つ面白いトピックがある。
「中国のエチオピア進出」だ。

経済紙で読むとブーンで流してしまう内容が、現地に行くと無視できないレベルで目の当たりにできる。
まず国際線の拠点となっている首都アジス・アベバの空港からして、中国資本で建て替えが進んでいるのだ。

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この工事現場では、ヘルメットかぶった中国人が現地人の工事担当者に指示を出しているのが見られた。工事資材はとくに中国のものではなく、日本製のショベルカーもいたりと雑多。

このあと町に出ると、街中にも中国資本で建てられている多数のビル、中華料理屋などが見つかる。
かなりの規模で中国資本が流入してるのが分かる。

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また、地方都市にいくと、道路を作ってるのはたいてい中国の会社。

というか道路が舗装されてる場所が少ないのがエチオピアで、「飛行機だと味気ないしー、バスで地上から風景眺めながらまったり移動しよう♪」などとナメたことを考えている旅行者の首と腰を二日で粉砕してくれる。あと土煙凄いのでバス移動してるだけなのに顔が真っ黒になる。(ちなみに二日目からは首まくらとサングラスとスカーフでガードして移動した…)

そんなところに舗装された超快適な道路が出来ているのだから中国さまさまである。
地元の人もきっと喜んでいるのだろう…だが。

中国が旗を振る「エチオピア開発」の光と影 (2016年の記事)
https://toyokeizai.net/articles/-/131224

焦点:「一帯一路」鉄道計画がエチオピアで頓挫、中国融資減速 (2018年の記事)
https://jp.reuters.com/article/ethiopia-china-idJPKCN1LJ0HM

エチオピアはアフリカの他の国々と同じく、近年の経済発展が目覚ましい。
しかし、それは借金づけで無理やりカンフル剤うってるのに近しい状態で、中国から多額の融資を受けていても返済のめどがたたないのだ。何しろ天然資源はないし、農作物が主要輸出品なので…。

もちろん、工場などを誘致するにもまだインフラが無くてどうにもならないので、最初にインフラを作るのは正解なのだが、ゆっくり段階を踏んで経済発展するのではなく一気に変えようとしていて将来が危ういのが現状ということ。

これは現地を見ていてもなんとなく判った。
めっちゃきれいな新しいホテルの台所で何故かロバが売りにきた薪を買ってインジェラ焼いてる、とか、舗装された幹線道路に車は数台しか走っておらずほとんどの地元民は徒歩かロバ連れ、ホテルのロビーにテレビはあるけど電力が足りないから決められた時間以外は電源入ってない、とか、なんだかちぐはぐな状況があちこちで発生していた。


借りた金は、いつか返さなくてはならない。
たとえば20憶借りて10年後に返済するのであれば、経済発展によって10年以内に20億以上の利益を上げなくてはならない。

エチオピアからジプチを経由する鉄道網の借金返済期間を10年から30年に延ばしたという記事を最近見かけたが、この鉄道は建設にかかっただけの利益を上げられるように見えないので期間延ばすだけじゃ厳しいんじゃ…という気がする。

GDPの成長率などデータで見る分にはずいぶん発展しているなと感じるかもしれないが、実際は首都をほんの少し離れるだけで古来からの暮らしを続けているような、辛うじて村の一部に電線が通っている、くらいの農村に出会う。水道なんて見かけるほうが珍しいし、見かけても水が出ることのほうが少ないくらい。トイレの手洗いはほぼ「水道の形をしたオブジェのついている盥、水は足元のバケツから汲め」である…。

エチオピアさんは、ほかの借金漬けのアフリカ諸国と同様、この先の数十年が「より発展するか、借金でデフォルトするか」の勝負どころだと思う。経済とは、成長しつづけなくてはならないゲームである。それも他のライブルたちよりもより早く発展するほど有利になる。目立つ資源も産業もない状態から、どういう方向に持って行くのか、気になるところだ。