エジプト・中王国時代のアメジスト鉱山跡から碑文がいっぱい見つかる

古代エジプト・中王国時代のアメジスト鉱山跡の調査についての記事があったのでメモ。場所はエジプト東部の砂漠地帯にある Wadi el-Hudi。エジプト南部の都市アスワンから東へ30-40kmくらいのところにあるらしい。

100 Ancient Egyptian Inscriptions Found at Amethyst Mining Site
https://www.livescience.com/65068-ancient-egyptian-inscriptions-amethyst-mine.html

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この記事だと写真がちょっとわかりにくいが、別の記事だと全体の写真があってイメージがつきやすい。

Geoarchaeology of the famous ancient amethyst mines in Wadi el-Hudi, Egypt: Desert heritage at risk
https://per-storemyr.net/2016/12/29/geoarchaeology-of-the-famous-ancient-amethyst-mines-in-wadi-el-hudi-egypt-desert-heritage-at-risk/

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この遺跡は最近発見されたものではなく、既に50年前には知られていたようだ。
しかし、アメジストの鉱山以外にも金鉱や水晶、雲母なども近くで採れるようで、調査しておかないといつ破壊されるか分からないという危機感があったようだ。そこで今回の、3Dデータでの保存や、全般的な調査の話に繋がったらしい。

そして今回の調査で綿密に探し回ってみたら、過去の調査では見逃していた多数の碑文が新たに発見されており、石碑(ステラ)も14基ほど発掘されている。碑文は最も古いもので3,900年前、最も新しいもので2,000年前のローマ支配がはじまる頃。つまり、約2000年近く使われていた可能性がある。

ちなみに、古代エジプトの採掘場では「労働者のラクガキ」というのが結構大きな手掛かりになるものでして…。
ピラミッド内部のラクガキなんかもそうだけど、当時の人がどのように作業してたかとか、何人くらいでチームを組んでいたのかとか、書き残された何気ないラクガキでもすごくいい手がかりになってたりする。
ただ、岩の割れ目に隠れていたり、割れて埋もれた石をひっくり返してみたら実は文章書いてあったりと、探すのがなかなか大変なんである。今まで見逃されていた、というのは、たぶんそういうこと。


調査で焦点の一つとなっているのが、「この鉱山で働いていたのはどんな人々か」ということだ。

何しろ砂漠の中の鉱山なので、生存には過酷な条件だ。食料や水はよそから持ってきて供給されなければ生きていけないし、ナイル渓谷の人の住む地域へも簡単に戻れない。近くに井戸は作られていたようだが、採掘されていた時期を通してずっと使えたかどうかは不明で、はるか彼方のナイル渓谷から水を運んでいた可能性もあるようだ。なお、ここでは同時に1000-1500人が労働していたのではないかと見積もられている。

かつての説では、こうした砂漠の中の鉱山は犯罪者が働くところ、のようなイメージが多かったが、どうも碑文からは、労働者たちは自由意志で働いていたように読めるという。また、鉱山には墓が見つかっていないため、死者が出た場合はナイル渓谷に持ち帰って埋葬された可能性があるという。

このへん、碑文の調査とかが進めば何かきっと出てくると思うので…お楽しみに…!

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あと、この記事もついか
https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2019/03/inscriptions-discovered-at-ancient.html#I5HoibjjaAJ9rSuS.97