わりと最近の考古学×病理学な研究いくつかピックアップ

古い時代のDNAを検出・分析する技術が革新的な進化を遂げたことにより、人類を含む生物全般のDNAが次々と解析され、研究される時代が始まっている。

人類のDNAとしては、人類の進化・拡散の過程。家畜の起源。今は絶滅してしまった生物の痕跡。
さらに、人類の盛衰を左右してきた病原菌なども分析されるようになってきている。

その中で面白そうなものを幾つかピックアップしてみる。



「アイスマンにピロリ菌発見」が意味すること
5300年前の凍結ミイラに見つかった菌が人類の旅路を解き明かす
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/a/011200002/

アイスマンは、別名「エッツィ」とも呼ばれる5300年前の氷づけの男性。
この氷付けミイラの胃の中から、間と共存する微生物の一種であるピロリ菌のDNAが発見されたという。ピロリ菌の宿主は人間だけなので、人類が世界へ拡散していくのと同時に世界に広まったと考えられる。その進化系統樹は、現在知られている人類の拡散の系統樹と一致するのかどうか、である。

アイスマンほど状態のいい古代のミイラはなかなか見つからないため、他の検体と比較することは難しいが、こういうことも出来る時代になってきている。


天然痘の起源に新説、ミイラのDNA分析で判明
古代エジプトや古代インドで流行ったのは天然痘ではなかった?
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/121300479/

17世紀リトアニアの遺体から天然痘ウィルスのDNAを検出したものの、その起源が16世紀より前まで遡れない、とても新しいものだったという興味深い話。ウィルスも、人間や他の種族同様に、種として長い時間が経過すると差異が大きくなっていく。遺伝子は一定の確立で変化するものだからだ。その差異がほとんどないということは、17世紀から大きく遡ることのない時代に天然痘が誕生したことを意味する。

つまり、17世紀からはるか以前に起きた天然痘の大流行と言われている現象は、実は天然痘ではなかった可能性が出てきたのだ。果たして、その病気は本当は何だったのだろうか。



今までは古代の病歴って文書記録に頼るしかなかったんだけど、最近はこういう手法もある。これからの研究が楽しみ。