アマゾン旅~ アマゾンへ行こう。(後編)

>>前編からの続き

というわけで、アマゾン行きの計画を立てていた話。

目的地: ギアナ高地はベネズエラ(ブラジルとの国境近く)。ブラジル側からの入国なら行けそうと判ったものの、現在のベネズエラには旅行者を阻む大きな問題が存在しました。

 ・貨幣経済の崩壊、ハイパーインフレ
 ・ブラジルとの国境が緊迫している

これから同じ場所に行こうかと思ってる人もいると思うので、現時点(2018/09)の現地確認情報を載せておこうかと思います。ただし現状は本当に日々状況が変わっているので、来年の同シーズンも同じとは限りません。

・インフレによる影響
 →通貨の両替が出来ない。
 デノミ後の通貨が出回っておらず、「そもそも紙幣がない」ため。また、カード払いは不可。
 ブラジル・レアルかドル払いとなる。

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↑これが10万ケタがデノミされる前後の通貨換算表です。スーパーのレジ横に貼ってありました。Bs.Fが元のボリーバル・フェスタ、右側がボリーバル・ソベラノ。8月以降この通貨単位に変更されています。

ベネズエラで新通貨導入 経済活動は麻痺状態に
https://www.bbc.com/japanese/45267224

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ただじ実際は、ボリーバル・ソベラノの新通貨は、地方都市まで回ってきていません。紙幣がないのです。旅行者も手に入れるのは困難と思われます。国境に闇両替商はいましたが、通貨の価値が暴落し続けておりデノミ後でも1ドル=60ボリーバル。100ドル札なんて出そうものなら両替商の手持ち札が足りなくなりそうです。

実際、かつては大量にいただろう闇両替も国境地帯で見かけたのは一人だけでした。両替は出来ない、買い物はほぼ出来ない、と思ったほうが良さそうです。



・ブラジルとの国境
 →検問が厳しくパスポート・チェックが何度もある。
 国境を通過できるかどうか/通過にかかる時間は、日によって全く異なる。

今回パカライマから国境を越えましたが、ニュースで流れたような緊迫があったのはデノミ直後だけのようで現在は落ち着いていました。ただ、これも日によってどうなるか分からないみたいです。また、国境の封鎖も今のところはありませんでしたが、ブラジル側の陸軍はまだ駐留していました。

尚、ブラジル側の入管はプレハブ小屋、ベネズエラ側はなんとトレーラーハウス。今まで見た中で最高に手間のかかってない施設でした…。

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↑入管施設周辺は撮影禁止のため、中間の国境にて

向かい側の車列がベネズエラからブラジルに物資の買出しに行く人々。ここの車列が長いかどうかによって、その日の国境越えにかかる時間が変わります。
徒歩で国境を越えていく人は見かけませんでしたが、そもそも徒歩の人はこの正規の道路は使わず、もっと離れた場所を通りそうです。ちなみに国境にさほど上等の防護柵やフェンスはありません。ぶっちゃけガバガバです。

ブラジル→ベネズエラの出国はそんなに厳しくないですが、ベネズエラ→ブラジルは不法入国者や難民の問題もあり、入国スタンプを貰った後も何度も道端でパスポート・チェックを受け、大きな荷物をもっていた場合は中身のチェックまでされるようです。

国境越えの時間は読めないので、心に余裕をもっておいたほうがいいかと。それと、8月のように難民が押し寄せることが再び起きれば、国境封鎖は今度は長引くかもしれません。

尚、ブラジルからベネズエラへの黄色い長距離バスはまだ運行されており、道中二度ほどすれ違いましたが、折り返しのベネズエラからのバスは一度も出会いませんでした…。


●ハイパーインフレ状況

ベネズエラは産油国ですが、経済政策の失敗により、ここ数年は急速に経済(&治安)が悪化しつつあります。
7月時点での記事がこれですが、8月にはインフレがさらに加速して10万ケタのデノミ(通貨切り下げ)を実施。その直後、ブラジル国境に大量の難民が押し寄せ、ブラジル側では軍隊が出動する事態となりました。

インフレ率1,000,000%、激減所得の穴埋めに紙幣刷るベネズエラの失政スパイラル
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/100-30.php

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インフレ率はおさまるところを知らないので、これから行く人がいた場合は、さらにインフレの進んだ世界を見ることになると思います。ボリーバルでの支払いは絶望的。旅行の支払いはドルになると思いますが、ドル払いの場合は公式レートに近くなるのでぶっちゃけ安くないです。

例)
公式レート 1ドル=100ボリーバルとする
闇レートでは1ドル=200ボリーバルとする

400ボリーバルの品を買う場合、公式レートだと4ドルだが闇レートで買えば2ドル。
実際は公式レートと闇レートが100倍違ったりするのでこんなもんじゃないです。ただお札が出回らないのでドル払いするしかなく…。お水一本買うのに1-2ドルかかったりします。全然安くねぇ。

お店の人もお釣りに使うお札がないので、なぜかブラジルレアルでお釣りが来たりします。紙幣がないうえに一日の引き出し量も固定なので、銀行前には毎日朝から長蛇の列。貨幣経済はマジで死んでました。。



●物資

今回行ったのが農村部&ブラジルとの国境に近い地域なので物資は案外ありました。ニュースで報道されているように「食料がない」と言われているのは都会(カラカスとか)だけかもしれません。農村は食料の自給自足がまにあっているのです。

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ただし、都市部(主に町中)では、欲しいものが手に入るとは限りません。

また一番の問題は、国産のガソリンが全く足りていないこと。産油国なのでガソリンは自国生産のものしかなく、値段も固定です。そのガソリンも、物流が瀕死なので地方都市に回ってきていません。国境近くの町では、ガソリンスタンド前から大通りをずらりと何日も並んでいる、ガソリン買い付けの車列がありました。



●お土産物&ツーリストインフォ

軒並み閉鎖されています。
理由は簡単で経済と治安が悪化してから旅行者が激減しているのです。元々ベネズエラは外貨獲得の手段を原油に頼りすぎていて、観光産業はあまり力を入れていませんでした。そのため、辛うじて観光地として機能しているギアナ高地の入り口でさえ、店を開けている土産物屋さんは数軒、という状態。自分ら以外の旅行者の姿は皆無でした。

かつてはギアナ高地への入り口として賑わっていたサンタエレナの町ですが、ツーリストがいないためツーリスト・インフォは閉まっており人の気配がありません。
ふらっと現地に行ってツアーに申し込むのはもうムリなのかも。

メインストリートもあまり景気がよくなさそうで、バックパッカー向けのお安い宿はもう店を畳んでしまったところもあるようでした。

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お土産物屋さんでは、地元の先住民の人が手作りしたもの以外はほぼ手に入りません。物流が死んでる&国内産業がほぼ停止しているので、手に入れようがないのです。木彫りの何かとか、ヤシの実や石で作った何かとか。あとはちょっとした絵葉書やコースターくらいですかね…。
お土産のお菓子なんかは全然なかったです。





●物資がない、が… あるところにはある

経済の崩壊に伴い「物資がない」ことが深刻なベネズエラですが、実はお金を出しさえすればまだ手に入ります。
というか、「あるところにはある」というのが現状です。闇市に流れてしまってるので手に入れられる人が物凄く限られてくるのです。

今のベネズエラでも、お金を出してちょっといいレストランに行きさえすれば、こんなお料理が食べられます…。

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機能しているのは、ちょっといいホテル、ちょっといいレストランのみ。
パックツアーでメインの観光ルートをささっと回るだけならともかく、それ以外の旅行は厳しいと思います。これじゃますます旅行者は減りそうです。


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計画を立てていた春の時点で、これは個人で行くのムリだなぁと思いました。
今回は有名なルートを回りたかっただけなので、パッケージツアーでも一緒だしそっちが安全だなと…。ていうか現地に行ってそれで正しかったと思いました。ツーリストインフォが閉まってましたし(´・ω・`) ホテルの客も我々だけでしたしね…。

今の状況だと、来年はもうツアーでも行くのが厳しいかもしれません。

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さて、これら人間側の事情とは別に、自然側の事情にも問題がありました。

日本でもよく言われますがここ数年、雨量が増えていて乾季でもけっこう雨が降るそうなのです。これはエンジェル・フォールなど滝を見に行くツアーであれば水量が増えてラッキー! なのですが、川の水が引かないとアタックできないロライマ山へのトレッキング・ツアーや、雨の日は飛べないヘリツアーなどは予定どおりにいかない可能性が出てきます。

自然相手の観光はみんな予定通りいかないもんなんですけどね…。




というわけで、色々問題があり一筋縄ではいかないのがギアナ高地観光。
まぁでもとりあえず晴れてくれればなんとかなります。

 お天道様に賭けろ! 運を溜めて使い切れ!!

今回は運よく晴れてくれたので目的のロライマ山頂まで辿り着くことが出来ました。次回はその素敵な写真でも。