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zoom RSS ファンタジー世界によくある「古代語/古代文字で現代記録を残す」に必要なこと

<<   作成日時 : 2018/08/08 00:10   >>

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移動中に昔のファンタジーラノベとか読み返してたら、なんか以前は気がつかなかったところに引っ掛かってしまったぞ…
というわけで、突然ですがファンタジー世界の話です。


【シチュエーション例】

魔道士Aさんの所属する魔道士教会では、既に死語となった古代語Bを使用して連絡をとりあっています。
これは一般人には読めないのでいわば暗号文です。
しかし辺鄙な村に住む古代人の末裔の少女Cは、古代語Bに精通しているので書かれた文章が読めてしまいます。

ここから物語が始まるのですが、果たして古代語Bで作中の現代語を表現することは可能でしょうか。



よく判らん、と思った貴方のためにまずはこちらを用意しました。これは古代エジプト語で日本人が日記を記載する際のルールです。日記の冒頭に書く「西暦」「曜日」「天気の表現」は古代エジプトではふつう記載されません。西暦はとりあえず数字でなんとか置き換えるとして、曜日とか天気の表現とかは使えそうな単語見繕って新たにルールを作り出すしかありません。

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さらに「電車」「バス」などの交通機関、「携帯電話」などの最近の機器も単語の中に存在しないので作らないといけない。もし古代のほうが文明が進んでいて、古代には「飛行機械」があったけれど現代にはない、という設定であれば、逆に「炊飯器」を「圧力鍋」に読み替えるようなルールも必要となります。

単語レベルでこれ。さらに慣用句やその時代特有の言い回しなどをどうするか、など、たとえ文法が全く同じだったとしても、古代の言葉で現代語を文章を表現するには、まずは現代語に応用できるよう変化させる必要があります。そのカスタム作業は言葉を変化させます。

言葉は本来、時代に応じて変化していくもの。古代の言葉をそのまま現代に使うことは不可能。

こうして現代語を表現できるようカスタマイズされた古代語は、もはや元の古代語ではありません。古代「風」の現代語になります。なので、冒頭のシチュエーションでいうならば、ガチの古代語が仕える村娘Cさんは、魔道士教会の使ってる古代語がスラスラ読めてはいけません。「なんとなく意味は判るけど古代風なだけで古代語じゃねーよこれ」という反応が正解となります。



とはいえ古代エジプト語は現代語への変換が難しい古代語の一つなので、たとえばルーン文字あたりを利用して現代語を記載するとしましょう。これはアルファベットを元に考案された文字なので、基本的に一つの発音=1文字です。

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ファンタジー作品で多くの作者が想定しているのは、こちらかもしれません。これなら、現代語を記載するのは簡単のように見えるかもしれません。ローマ字でアルファベットを記載するのと同じだからです。

ですが、一つ大きな問題があります。

古代文字で記載しても内容の解読が簡単すぎて暗号にならない

これはかなり致命的な問題です。人間が発音できる音の種類はそう多くなく、表音文字では、せいぜい20-50種類しか文字が存在しないのが特徴です。| が i を、R が r の音を意味している、と気がついてしまえば、とくに習得に時間もかけずに一般人でもサクサク読めてしまいます。これで書かれている内容が古代語だったらまだ解読は難しいでしょう(アルファベットで書かれていてもラテン語は読めない…)が、内容が現代語であったなら、わざわざ村娘Cさんに頼るまでもなく誰でも読めてしまいます。むしろ自動翻訳出来ます。




先に書いたように、表意文字で現代語を記載するのには、古代エジプト語で現代語を表現する際と同じように、あらかじめ変換ルールを設定する必要があります。この変換ルールがミソです。魔道士教会内でしか使われていない特殊ルールだとすれば、古代語の判る人がいたとしてもそう簡単には解読されません。

私としては、人に知られなくない内容を記載する古代文字は、表音文字ではなく、古代エジプト語(日本語もそう)のような、表意文字と表音文字の混在、もしくは表音文字が複数あるタイプの古代語の想定をオススメします。

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