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zoom RSS 使い捨てプラスチック無くそうぜ! の裏側/誰が何のために始めたのかということ

<<   作成日時 : 2018/07/24 00:10   >>

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何やら最近になって突然降って湧いたように見える「使い捨てプラスチックはもう廃止しよう」という話。前段となる話に言及するメディアが少ないせいで、なぜか突然、複数の国がこれに賛同して環境に配慮しだしたみたいに見えてるけど、きちんと前段にある「大人の事情」と繋げてみれば、何も不思議な話ではないのだ…。

使い捨てプラスチックが規制されるようになった理由、それは、

 世界の大半のプラゴミの処理を引き受けていた中国が、「もうやりたくないもん」と拒否ったから

なんである。
中国は世界からゴミを輸入して、自国の安い製品に変えて世界に再輸出するリサイクル工場をやってたのだが、今年からそれはもうやりませーんと宣言していた。つまり今になって焦ってる国は、今まで、自国で処理できるキャパ以上のゴミを排出し続けてよそ様に押し付けてたところ、ということになる。

この、中国の産廃プラ輸入規制の話は、去年からニュースで流れていた。だから、今年になって急に出現した話ではない。EUやアメリカ、台湾など、プラごみ規制に最初に賛同した国とは、中国のごみ受け入れ拒否で現在進行形で自国にごみの山が成長しつつある追い詰められた国々になる。べつに環境にとくべつ関心があるとか、意識高いとかではないのだ。

中国、年内に「ゴミ」輸入停止へ WTOに通告 ※これが去年のニュース
https://jp.reuters.com/article/china-environment-idJPKBN1A40EK

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焦点:行き場失った欧州の「廃プラ」、中国輸入停止で対応苦慮
https://jp.reuters.com/article/environment-plastics-idJPKCN1II0G7

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同じように、アメリカやオーストラリア、台湾などでも、行き場を失ったごみの山が出来ているというニュースが流れていた。



…と、このように、経済的な理由と後がない事情が判れば、いきなり降って湧いたように見える「使い捨てプラスチックは規制しましょう」という話、昨年から対応策が検討されていて、深刻な事態を招くことになる国々の間で根回しがあったんだなということは理解できると思う。



さて、ここからが問題。
中国にプラスチックごみを売っていたのは日本も同じ。というか中国が輸入していたごみのうち最も割合が高かった国が日本だというデータがある。

中国 資源ごみ輸入禁止の波紋
https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/catch/archive/2018/02/0219.html

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にも関わらず、日本では、買い取り拒否されたプラごみが港に詰みあがることもなく、プラ規制の話も出ていないのは何故なのか。

日本のメディアはまずそこを取材するんだよ

ここが一番知りたいの。一般人が調べるの手間かかりすぎて出来ない話を調査して報告するのがメディアの大事な仕事なの。
あまり詳しい報道がなくて、しょうがないので自分なりにちょこちょこ調べてみたところ、判ってきたことは以下。


●日本は国内のリサイクル業者でも結構まわせる

いままではコスパの関係で中国で処理したほうが安かったが、中国が買い取り拒否するなら国内業者も採算が取れるらしい。新規でリサイクル事業に参入する人もいる、という報道があった。また、中国で廃業を余儀なくされた中国人のリサイクル事業者が日本にやってきて開業する、というケースもあるとか。
https://dogatch.jp/news/tx/53504/detail/


●日本はとりあえずゴミを高温焼却しさえすればエネルギー変換できる設備がある

EUのプラごみ処理の方法と、日本の処理の方法が比率的に全然違う。
日本はとにかく燃やしているが、高温消却の施設がない小国はひたすらゴミを埋め立てに使っているようだ。(そして、その埋めたてスペースが既になくなりつつあるのが問題)
日本は燃やしてどうにか出来る選択肢があるぶん、ゴミが長期的に溜まる率が低そうだ。
http://www.cjc.or.jp/data/pdf/book2016_appendix.pdf

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●日本からは他のアジア諸国へのごみ輸出ルートがある

たとえばインドのリサイクル業者など。アメリカやEUからインドは距離的に遠いしコストもかかるが、日本はまだ近い、という優位性もあるようだ。


…というわけで、日本で使い捨てのプラスチック規制が今のところあまり声高に叫ばれていないのは、「規制しなくても直近分はなんとか出来るから」である、と結論づけられそうだ。
逆に、「ゴミの処理が出来なくてもうパンクしてるからとりあえず規制しちゃおう」な方向に流れた国は、直近分がもうヤバいんだということ。この差は、決して環境意識から来るものではないことも判ったかと思う。

それにしても、先行きは微妙だ。
プラスチックごみを減らすぞと宣言した国や企業にしても、決して勝算があってそうしたわけではない。規制することに決まったものの、ストローがないと名物のタピオカジュースが飲めないじゃないかとかモメてる台湾とか、とにかくゴミを減らさないと行き場のないゴミで埋もれるから…という、目の前の問題に対する付け焼刃の策でしかない。

断言するが、人間はいちど手に入れた便利なものを手放すことは絶対にない。プラスチックのペットボトルやストローは、なくそうとしてももはや無くならない。ガマンにガマンを重ねて多少量を減らせたとしても根本的な解決にはならず、より優れた代替品が出てくるまで欲求不満が溜まり続けるだけだろう。


この先を長期的に考えると、本当にやるべきことは、

 ・埋め立てると分解されるプラスチック素材の開発
 ・プラスチックを分解する細菌の研究を進める
 ・リサイクルしやすい仕組みを考える

などではないかと思われる。

注目しているのは、日本の研究者が発見した、ペットボトルなどに使われている成分を分解する細菌だ。
大阪で見つかったことから「イデオネラ サカイエンシス」という名前がつけられている。こいつ培養できればリサイクル業めっちゃ進むんじゃね?


ポリエチレンテレフタレート(PET)を分解して栄養源とする細菌を発見
−ペットボトルなどのPET製品のバイオリサイクルに繋がる成果−
https://www.kit.ac.jp/2016/03/topics160311/


あと、この細菌からプラスチックを分解する酵素も、最近発見されている。

プラスチックを「食べる」強力な酵素、米英チームが発見
https://www.cnn.co.jp/fringe/35117966.html


規制は退化だと思う。
新たな発見と技術の進化でより便利で会的な世界を作る方向に進化するのが、人類が今まで生き残ってきた道だ。立ち止まらずに、ぜひ、ここから先へ話を進めてもらいたい。

(あと、投資家視点だと、今からリサイクル業界はアツくなりそうなので買いかもしれないよね)

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