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zoom RSS 古代エジプト人と生活パートナーとしての「ネコ」について

<<   作成日時 : 2012/04/14 00:10   >>

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現代においてもイヌ派とネコ派というものがあるようだが、果たして古代にもそれはあったのか。古代エジプト人の愛したペット、イヌとネコについて。



よくネタにされる話だが、古代エジプト人はネコを非常に重要視した。ネコを最初に飼い慣らしたのもエジプト人だと言われる。(※1) ネコのミイラが大量に見つかっていたり、ネコ専用の共同墓地があったりするくらいペットに愛情を注いでいたともわかっている。

ただし、だからといってイヌの立場がなかったわけではなく、犬もやはりミイラにされたし、犬神の聖地もあった。貴族の足元にはべる、首輪をはめた犬の絵なども定番だ。

※1
最近の説として、「いや、エジプトではない。もっと古かった」とするものもあるが、正しくないのではないかと私は思っている。 →こちらのエントリ参照

ここで言いたいのは、なぜエジプト人が最初にネコを飼い慣らした/大量に飼い始めた/特別な愛情を注いだのか、ということである。労役に役立つロバや牛はまだ分かる。威風堂々としたタカや、力の象徴であるライオンも分かる。しかしネコはなぜ? もともと人になつきもせず、飼育の難しかったものを長い年月をかけてまで飼いならそうとした理由とは?

単に可愛かったから、ではないだろう。私は、エジプト人はネコの狩りの能力、すなわち農業の大敵であるネズミを取ってくれる、という特性が珍重されたからではないかと思う。



古代エジプトは農耕社会であり、人口の大半が農業に関わっていた。

穀物を扱うからには、ネズミが人間の住居に入り込むのは宿命である。日干しレンガで作った穀物倉庫はあったが、それだけで十分なわけではない。古代世界の農民にとって、ネズミを狩る動物の存在がどれほど貴重だったか想像してみてほしい。ネコを飼い慣らした理由がもともとそれだったのか、飼い慣らしてみたらネズミ狩りに使えることがわかったので爆発的に広まったのかは分からないが、短期間でエジプト全土に飼い猫が広まり、人々に愛された最大の理由はこれだったのだと思う。

エジプトが農耕民族の国だったから、飼い猫は大いに広まった。
逆に、これが狩猟民の国だったら、ネコは飼い慣らされなかったのではないかと思う。狩猟のパートナーは、やはりイヌである。人類の最初のパートナーがイヌだったのは、農耕を知らず、狩りをしながら移住していた最も古い時代に必要とされたからだろう。

古代エジプトにおいて、イヌは墓守、番犬、あるいは貴族の狩りのお供として登場することが多く、逆にネコは、家を脅かすネズミやヘビを狩る姿、あるいは家人の足元に寝そべっている姿が多い。神像にしても、犬頭を持つアヌビスやウプウアウトはミイラづくりや戦争の神。猫の頭を持つバステトは家庭の守り神、と役割がはっきり分かれている。
猫に課せられたのは、家を守るという女性的でありながら、攻撃性も兼ね備えた役割だった。


だから、イヌとネコとどっちを飼う? という話は、たぶんなかったのではないかと思う。イヌ派とネコ派は単に好みの問題ではなく、猟師で暮らすか、作物を作って暮らすかという、主に職業や生活スタイルの違いで選ばれていたのではないかと思う。そうすると、農民が多い→ネコを飼う人が多い→ネコのミイラのほうが数が圧倒的に多い という結果にもつながるのではないかと…。

たぶん、イヌが人気なかったわけじゃないんだよ、うん。

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