第二次世界大戦、ボルネオ島で日本兵の首が狩られていた件

第二次世界大戦中、真珠湾攻撃の数年後。
日本はアジア全域に支配を広げ、ボルネオ島にも基地を築いている。そこからは日本が戦争に使う多くの資源が輸出されていた。

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ボルネオ島は、日本軍がくるまでイギリスとオランダの統治下にあり、宣教師が送り込まれ、ある程度の部族はキリスト教徒に改宗していた。そのためアメリカ兵をはじめとする連合軍に対し好意的。宣教師たちを拷問して殺した日本兵を憎んでいる。

現地のダヤク族たちが、島に不時着した若きアメリカ兵たちをかくまったのは、そうした経緯から。
やがてイギリス軍がある作戦を実行に移し、民俗学者を現地に送り込む。学者と兵士たちが接触し、現地民を巻き込んだゲリラ戦が始まった。戦いの中、イギリス兵ハリソンは、宣教師たちがやめさせていた首刈りの習慣を復活させ、日本兵の首を狩るごとに賞金を与えるという方法をとるようになる……


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というわけで、終戦記念日が近くなってきたのでナショジオの世界大戦特集が始まりました。
こちらが、ナショジオ番組サイトの番組紹介

「日本軍への残虐な戦犯」
http://www.ngcjapan.com/tv/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/473

1945年、全世界で戦争が行われていた頃、驚くべきドラマが人里離れたボルネオ島のジャングルで展開されていた。
関わったのはアメリカ空軍の兵士たち、現地のダヤクの人々、そしてイギリス陸軍のトム・ハリソン少佐だ。それは、米軍戦闘機が、隔絶されたボルネオ島の内陸に墜落したことから始まった。そこにはまだ、吹き矢と樹皮から採取した毒で狩猟を行う部族民たちが存在したのだ。
空軍兵は、密集した厳しい環境のジャングルで数か月にわたり生き延びなければならず、ダヤクの人々は空軍兵を守るために自らの命を危険にさらす。そしてハリソン少佐は軍事行動の中で、ダヤクの古い慣習である首を狩る行為を、日本の兵士に対して復活させる。人類学者で幻想の中に生きるハリソンは、多くの人々が戦争犯罪とみなす行為を行ったが、イギリスへの帰国時には英雄として栄誉を授けられる。



この番組紹介を見たとき、いやいやそんな日本人に見せるからって配慮した紹介しなくていーよと思った。だって番組の原題が「Headhunters of WWⅡ」なんだもん(笑) 内容的に間違ってはいないけど、配慮しすぎ。

あらすじ的には、 卑劣で残虐な日本軍の占領地を解放し、祖国に生還するための若くてハンサムなアメリカ軍兵士たちの密林ゲリラ戦の日々を描くノンフィクションドキュメンタリー映画 ですよ。
イギリス兵とオランダ兵が救出に行く「プライベート・ライアン」みたいな…。

最初に言っとくなら、戦争に正義も悪も無いわけで、どっちも言い分があるけど話し合いじゃ解決しないから殴り合いになると私は思ってる。日本は自分の国ではあるが、第二次世界大戦において日本だけが正義・被害者ではない。ただ、悪でもない。戦争はおきるべくして起きた。最良ではなかったにせよ、あの当時ではそれ以外の選択肢は無かったし、歴史をまき戻しても、人類はもう一度同じ選択、あるいはもっと悪い選択をするかもしれない。

敵国として戦争に参加して、実際に日本軍兵士に命狙われてた前線兵士が、日本兵に好意なんてもつわけがない。自分だって命狙われたら、そら敵を殺してでも生き残ろうとするわ。




--と、それを分かってて見たわけだけど、思いのほかキツかった。
何がキツかったかって、


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再現VTRじゃなくて当時の実映像なんだよ、これが…。




↓残虐とされる日本兵(ただのおいちゃんに見える)の図。
このおいちゃんが、のちに干し首にされて旗ざおに吊り下げられると思ってください。

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連合軍兵士はみんな、日本兵は残虐だ!! と吹き込まれて、証拠写真握らされて教育されてたみたいですね。
日本側も「鬼畜米英」とか言ってたくらいなんで、どっちもどっちっつーか。国民のヘイト煽るのは、どこの国のエライ人も同じということで。

ダヤクの社会に孤立してしまったアメリカ兵たちと、送り込まれたイギリス人兵士がやったことも、現地民の、日本兵に対するヘイトを煽る作戦でした。

日本兵がダヤク族の土地や食料を奪ったり、女を虐待したという話が出てましたが、宣教(洗脳)してたアメリカ人宣教師のほうがやり方がうまかっただけで、ぶっちゃけ、どっちも土着民から搾取する気満々なのは同じ。運が悪ければボルネオ島も枯葉剤撒かれてたかもしれないんだけど、現地の人の感情としては、日本兵大嫌い! なんですね。日本兵追い出すのに利用されたとは思っていない。




戦争ってのは、既存のルール、道徳観、その人の持つ人間性といった、あらゆる枠組みを壊してしまう世界。マイホームパパが戦場に立ったとたん残虐な殺戮兵器になることだってある。その意味では、ボルネオ島に行った日本兵が特別残虐だったわけじゃないだろうし、住人を煽って日本兵の首を狩らせて飾るなんてことをやらかした兵士ハリソンさんがイカれてたわけでもない。ただ、「戦争ってのはそういうもんだ」と。

帰国したハリソンは英雄となり、匿ってくれ、多くの日本兵の首を狩ってくれたボルネオ島の「未開人」たちを今も尊敬していると語る。自分の行為に悪はない。当時首刈りに参加したボルネオの人々の声もある。日本兵は嫌い。今でも宣教師たちのことを思い出す。
でもそこに、狩られた日本兵側の視点がないのが、いささか残念だった。

首刈りから生き残った日本兵は何を思ってたのかな。最後にちょこっとでも、そこまで入れられれば、番組としては完璧だったかも。ただ、日本兵は残虐だったと言いながら、その日本兵をいかに残虐に「やっつけた」か目を輝かせながら熱っぽく語るハリソンさんや途中に出てくる学者の人の不気味さなんかは、よく撮れてたと思います。はい。

まあ自分も、同じ立場だったら生き残るために日本兵攻撃してたとは思いますけど。
首狩って連合国旗の上に飾るまでやっちゃうかどうかは微妙だ。

悪気はないんだろうけど、出てくる学者や元兵士たちが、ボルネオの人々を「未開人」とか「原住民」とかナチュラルに呼んで完全に見下しモードなのも実にリアルでよかったです。結局、お互い都合のよい手ごまになってくれたってだけで、友情関係が結べたというわけではないのよね。








では最後に、番組のひとコマとして衝撃映像(ややグロ)おいときます。
クリックして拡大は自己責任で。グロ苦手な人は回れ右で。



古代の戦争なんかもっとグロかったんだろうとは思うけどね。やっぱり実映像は別格。

この番組のよく出来ているところは、イケメン兵士が主人公でハリウッド映画ばりの「敵地からの大脱出、解放のためのゲリラ戦!」を撮ったように見せかけて、戦争の空しさ、人間の残酷さ、正義の脆さなんかをザクザク目の前に突きつけてくるところ。これを見て「日本兵はひどいやつら、解放軍アメリカ・イギリス・オランダ万歳!」っていう感想を持つ人がいたら、絶望的な理解力だと思う。







































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※もちろん日本兵


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※旗ざおにつるされてる丸いのが首、手前は竹で作った滑走路


これが誰かのお爺ちゃんやお父さんだったり、ご親戚の方だったりするかもしれないんだよね…。