フリーメイソン特番+フリーメイソンがわかる本

ナショジオの二時間スペシャルでやっていたフリーメイソン(フリーメイソンリー)の番組はなかなか面白かった。
フリーメイソンについては、その昔持っていた「秘密結社が分かる本」というアサシンもメイソンも薔薇十時も一緒くたの本で仕入れた知識くらいしか無かったのだが…。

画像がキレイということもあるが、「ロッジ」と呼ばれるフリーメイソンの本部に、はじめてテレビカメラが入ったという
のでその映像に興味津々。どうやら、フリーメイソンというのは現在、友愛精神を第一に考える紳士たちの社交クラブ、喩えるならライオンズ・クラブ的な存在であり、宗教とは関係ないらしい。…とは言っても、むかしオウムの施設にカメラが入った時は…ゲフン。まあ、そこはそれ。

画像


画像


画像


画像


画像


上のオベリスクはまぁ置いといて、下の画像は本物のフリーメイソン施設内部。何故かロッジ内部にエジプト風の装飾…。(笑)
「イシスの娘」とか「ナイルの娘」といった、女性専用のフリーメイソン団体もあるそうな。

画像


なんでエジプト? と思いたいところだか…
いちおうフリーメイソンの発祥は古代バビロニアの時代ってことになってるらしい。教義というか神話の中には、ソメモン王やらダビデやら旧約聖書の登場人物たちが登場する。旧約聖書がらみでエジプトも取り入れられたのだろうと思う。が、もしかしたら、ただの趣味かもしれない(笑)




さて、この番組、一部の儀式を本物のフリーメイソンメンバーが再現していたり、内部の肖像画が多数並んだ廊下やどっしりとしたホールなどが映されていたり、ほかではなかなか見られない映像が沢山あった。メンバーが自己紹介をしていく場面もあり、「秘密結社とは呼ばれるが、存在も、メンバーが所属していることも隠す必要はない」とのこと。むしろフリーメイソンのマークいりの指輪やネクタイピンで自己主張する団体だそうだ。

ただし厄介なのが、世界中に存在するフリーメイソンに関わる団体の中には「公認」と「非公認」があり、宗教のごとく系統が分かれているということ。「大ロッジ」と呼ばれる本部が各地の支部を束ねるが、大ロッジに公認されているかいないかが重要らしい。ロッジとは、仏教で言う"総本山"みたいなものか。会員意外には、フリーメイソンの本流だ亜流だ、公認だ非公認だなんていうのは分からないし、気にすることもないだろう。非公認メイソンが悪事をしでかして本体のイメージが悪くなることもあるのかもしれない。その辺りは、大きな組織ならではの必然的な悩みもあるのだろう。

なお女性については、メンバーと認めるロッジもあれば、認めないロッジもあり、どっちかというと認めないほうが主流のようだった。女性差別というよりは、フリーメイソン自体が「自由(フリー)の石工(メイソン)」という職人の労働組合から発祥しており、昔は職人といえば男性だったことが大きいようだ。



その他、フリーメイソンに入る条件には「宗派は問わないが信仰を持つこと」が大事だそうだ。無心論者オッケーな亜流もあるそうだが、基本は「神を信じることで心に平穏をもつことが大事」ただし会合では宗教談義は禁止。他宗教を認める寛容さと、力をあわせて平和を実現しようとする意思が重要だとか。と、いうわけで「友愛結社」を名乗っているようだ。

仏教はおけーなのか? ブッダは神として認められるのか? …というのは謎。番組には、ムスリム、ユダヤ教のラビは出てきたが、ブディストでメイソンな人は出てこなかった。

画像




フリーメイソン所属の人が登場する反面、もちろん、反対の立場の人も登場。非所属の人間、フリーメイソン=秘密結社 というイメージそのままの陰謀説を唱える人々だ。ありきたりの「陰謀説」でよく使われる、「アメリカの1ドル紙幣にはフリーメイソンリーのシンボルが使われている!」説も登場。(このマーク、作家の島田荘司も自身の文庫本にしょっちゅう使ってたりするやつなんで個人的には「御手洗君、出番ですよ!」なイメージ^^;)

画像


フリーメイソンが陰謀説と結びつきやすい原因の一つは、この1ドル札もそうだが、アメリカの歴代大統領の多くが実際にフリーメイソンに所属していたという「事実」がある。近代、とくにアメリカに渡ってからのフリーメイソンは「紳士クラブ」としての面も持つから、有力紳士であることが前提の大統領が所属するのは自然というのがメイソン側の主張。もちろん、社交界みたいなものだとすれば、そこに属することが支持基盤を広げるのにも役に立つはずだ。

しかし、フリーメイソン会員が支持基盤の一部で、大統領が会員としてその思想をよく知っているならば、ある意味、「フリーメイソンの思想が世界を支配している」というのも、全くのデタラメではないことになる。まあ、それが目的で会員を大統領の椅子に送り込んでいるわけではないのかもしれないが、結果的にそうなっているという意味では。




で、番組見終わったあとで本屋に追加の資料を探しにいったら、・・・こんな本が平積みされてるわけですよ。


フリーメイソン完全ガイド〈上〉歴史と組織構成・編
楽工社
S.ブレント モリス

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ




…ポップついてたけど、流行ってんのかコレ^^; 「今話題のフリーメイソン」って、どこで話題になっとるとゆーのだ。まあいいけど。
上下ある本なのだが、今回は上のみゲットしてきた。

なかなかの良本。フリーメイソン構成員による教科書であり、教義に使われる用語はテストの参考書よろしく「Point!」として枠で囲って書かれている。また、章ごとに要点がまとめてあり、ここはテストに出ますよといわんばかり。まさに歴史教科書のイメージだ。
上巻では、フリーメイソンの発祥から変遷、概要、現在の姿などが書かれており、面白みはなく淡々としているが、興味をひくようセンセーショナルに適当なことを書いているものよりは信憑性が高そうな匂いがする。

番組の中でも広報活動についてチラリと言っていたが、おそらく、この本の目的は「広報活動」だろうと思う。仲間を増やすため。また、秘密結社としてのイメージを払拭し、慈善活動を行う友愛結社として完全な変身を遂げるため。入会したての人たちを教育したい…。あわよくば、興味をもってくれた人を仲間に入れられれば…。そんな意思をうっすらと感じる本であった。

本に書かれていることは実は概要だけで、最も重要なことや、内部からしか見えないであろうぶっちゃけた話は、おそらく隠されている。ま、どこの組織でもつきもののドロドロやグチャグチャが一切書かれてなくて、あまりにキレイに纏まりすぎていたということ^^; いかなる組織も、理想を100%実現することは出来ないし、現実は常に、理想に妥協を要求するものだ。



一周回って。

――確かに今のフリーメイソンには、秘密結社というイメージは感じない。
だが、過去のすべてに渡ってそうであったかどうかについては、誰も、当の構成員たちですら、保証はできないだろう。そこに、陰謀論の生き残る可能性は常に存在する。そしてまた、”秘密”は、その大小に関わらず、人の好奇心と空想力を煽るものだろうとも思うわけだ。