私がなぜ吉村作治を許せないのかを書いておく。

その理由は、この人が「誤魔化しと嘘に満ちた、偽モノのエジプト学を広めているから」ということに尽きる。
まぁ平たく言っちゃうと嘘つき学者なんだな。

何年か前にもネタにしたことを、もう一度ここで繰り返そう。

そもそも私が吉村氏を表立って批判しはじめた切っ掛けは、エジプトにも古代文明にも、神話にも大して興味のない友人が、何気なく、吉村氏の広めた”誤った知識”を語ってくれたからだった。
その人は、ピラミッドは王の墓ではないと信じていたし、ツタンカーメンは暗殺されていてその証拠も見つかっていると思っていたし、エジプトでは王以外は神になれないとか、その他いろいろ吃驚するような話をしてくれた。一体どこの誰がそんな無茶苦茶を言ったのか。その出所のほとんどが吉村作治に行き着くと知ったとき、私はようやく、世の中の人たちにどれだけ偏った知識を植え付けられているのか、それほど熱心ではない人々がどれほど彼を妄信しているのかに気がついた。

友人の間違った知識の修正をしたくて記事を書いたのが、一連の行動(*)の始まりだ。

 *始まりは「ピラミッドは、何のために作られた?」という記事。


吉村氏の元門下生の人が自ら太鼓判を押してしてくれたが、テレビや雑誌、一般向けの講演会などで吉村作治という人物が語っている内容は、とんでもない内容が満載だ。とてもまともな学者の話とは思えない。シロートでも、自力で調べれば「それはおかしいだろう」とツッコみが入れられる程度のものだ。
人々は、そんなものを在り難がってお金を払わされている。そのお金が発掘資金となり、彼と彼の支配する発掘現場を潤すのだという。

吉村氏はエジプト学を食い物にして荒稼ぎし、それによって発掘現場を回している権力者、というわけだ。


私服を肥やしているわけじゃないから構わない、という援護が来るかもしれない。だが、発掘資金を稼いでいるのが彼ならば、当然、発掘現場に対する支配権、発言権は強いはずだ。権力のために利用としているとも言える。
まぁそこまで意地悪な言い方はしなくてもいいかもしれないが、事実、吉村氏に逆らったら発掘メンバーから外されるわけだから、言い方を変えても大して変わらないだろう。


私は内部の人間ではないから、内部事情にツッコむのはひとまず置いておく。
問題は彼が外部に向けて行っている目に余るデタラメな知識の吹聴で、これならゴーストライターに原稿書かせて喋らせたほうが百倍マシだろう、と何度も思ったくらい。

発掘資金を稼ぐためなら、いい加減な話をし、時にはウソをつくことも厭わない―― もしも、そんな浅ましい姿を見て誰もおかしいと思わないなら、余程この世は腐っている。(幸いなことに、現実は人の口を閉ざしきれてはいないようだが。まことしやかに囁かれるエセ学者という批判は、気味悪いほど賞賛された表舞台と程よい対照となり、かえって小気味よい)



もちろん、考古学者の全てが同じなわけではない。
金や地位のことしか頭のない人がいる反面、まっとうに活動されている学者さんもいる。どんなシロウトにも真摯に答えてくださる専門家もいる。失礼な質問をしても分かりやすく教えてくれた先生もいた。人間だもの、そりゃ色々いる。素晴らしい無名の人はいっぱいいると思う。

それに対し、日本で一番有名な考古学者(笑)として名前を知られるこの人物ときたら、目立つわりに喋ってる内容が実はデタラメで、自著の内容も酷いものが少なくない。にもかわらず、一般人が何の疑いもなく誤った知識を刷り込まれ、功績者として称えられるのは、他の誰でもない。彼ばかりだ。

これでは、正しく活動している学者さんたちの立場が無い。
偽者が威張り散らして世間の賞賛を独り占めしてしまったら、本当に賞賛されるべき優秀な人材が表に出られなくなってしまうんじゃないか…?



 もしも彼の行為を看過するならば、
 学術活動を支援するべき次の世代の考古学者/考古学ファンが まともに育たない。


掲示板バトルで業界の将来のことを心配しろ。と言ったのは、そういうことだ。

吉村氏の存在が、考古学に対する誤解、エジプト学に対する胡散臭いというイメージを生み出し、実際一般人に対してはいい加減な話しかしないから間違った知識が拡散し、物事の分かってるファンからはそっぽを向かれる。
その状態で、まともな仕事もしていますから とか援護されても、それ以上に悪影響を及ぼしてるんだから差し引きマイナスですよ(笑)




吉村氏は、おそらく故意に話を歪めているのだろう。さすがに、喋っている内容の全てが正しいと自分で思ってはいないと信じたい。(毎度、そのくらい酷い話をしている)

決して一般論には成り得ない自説を「これが一般論だ」あるいは「正しい知識だ」と述べたり、知識不足な部分を訂正することなく繰り返し流している。小難しい話より単純な話のほうが、我慢のないシロウトにはウケやすいだろう。ファラオは事故死より暗殺されてくれていたほうがセンセーショナルだし、エジプトを発掘して出てくるものは金銀財宝と美しい副葬品だけのほうがいい。

だが、それは、一般人の教養レベルを著しく下げる行為だ。
本当に面白いエジプト学の真髄に触れられなかった聴衆は、もっと深い話があることも知らず、薄っぺらなミステリーや作られたロマンで満足し、ツタンカーメンとクレオパトラしか知らず、ピラミッドとスフィンクスの話しか聞きたがらなくなってしまう。

 彼らの「知る」機会を奪っているのは、誰なんだ?

聴衆が無知だというのなら、その無知な聴衆を作っているのは彼と、彼を支持する専門家たちではないのか。
第一人者、専門家、として喧伝されている人物が自信たっぷりに語る内容を疑える人は、そう多くない。自分の詳しくない分野なら尚更だ。

そうして広められた間違いは、私のような何の肩書きも影響力もない一般個人では、何十年かかっても完全に修正することは難しい。残念だが、「よく名前の知られた専門家」がその場のノリででっち上げた話は、「一般人」が苦労して調べた話より信用されやすいのだ。

「専門家」の適当なデッチ上げによって、訂正の困難な誤りがバラ撒かれ、多くの人々にとってのエジプト学に対する認識が、何十年かぶん失われた。

吉村氏がやっているのは、そういうことだ。
これは学者の存在意義すら危うくする。専門家とは、適当なことを言って一般人から研究資金を搾り取る職業か?
それは、違うだろう?



彼を弁護する人たちは、決まって、発掘には金がかかると言う。
だから、どうせ何が正しいのか分かっちゃ居ない一般大衆の前では、手軽に金が稼げる話をして、分かってる専門家の前でだけマトモなことを言っていればいい… そういうことらしい。
実際、彼は西アジア考古学会では無難なことしか発表していないようだ。

しかし、それは恥ずべき詐欺行為なのだ。
どんな理由があろうとも、どれだけ台所事情が苦しくとも、人を欺いて金を稼ぐのは許されることではない。
少なくとも、これから専門の世界に進もうとしている未来の考古学者たち、いまファンとして見守っている日本中の考古学ファンやエジプトファンの前で、胸が張れる行為ではないだろう。




誤魔化しは、そういつまでも続くものではない。
吉村氏は一般人を騙しているつもりだろうが、人前で喋っていることがデタラメなのは既に周知の事実。
一般人は、そんなにバカばっかりじゃない。
「バカな一般人は、俺ら専門家様の高尚な活動のために黙って在り難がって金を出せばいい」と思っているのなら、それは思い上がりだ。

吉村氏と、彼のごまかしを知っていて黙っている人たちに言いたい。

 私が気が付くことに、どうして他の人が気が付かないと思う?(笑)


少なくとも、私以外の一般人の「一部」は、吉村氏が一般むけに語る内容が誤りだらけの酷い内容であることを知っている。その「一部」とは、学者の講演会やシンポジウムに出かけていったり、ヒエログリフ講座を学んでいるような熱心なエジプトファン、考古学ファンの人たちだ。彼らが愛想をつかしているのに、吉村氏の専門公演など誰が行くものか。(笑)
同じ公演内容で吉村氏と、別の方の名前が並んでいたら、私なら迷いなく吉村氏以外を選ぶ。ふだんウソばかり付いている人が、時にはまともなことも喋るなどと、信じられるわけがない。失った信頼は、そう容易く取り戻せないものだ、当然だろう。

だから、吉村氏は手っ取り早く金を稼ぐために、騙しやすい一般人をタレントの顔で集めるしかない。
一番のお客さんにソッポを向かれ、場合によっては自分たちの業界を将来引き継ぐはずの若い世代まで欺いても構わないというのなら、考古学者は何のために存在するのだろうか。「今」、金を稼ぐことが、それほど大事なことなのか。
考古学は、いくら金を稼ぐかの勝負じゃないし、金さえあれば有意義な活動が出来るものでもないだろう。


私も多分、一般人の中でも少し特殊な、「熱心な一般人」だ。古代文明のDVDを買ってきたり、エジプト本を買ったり、エジプト展に出かけていったりする、時間と金を考古学の業績の評価のために使っている優秀な「お財布」だ。
その熱心な一般人としては、吉村氏の業績を評価したくないし、この人の支援などしたくない。

むしろ、一般聴衆に ”バカであれ、発掘資金をひねり出す財布であれ” という態度のタレント学者には、早く消えていただきたい。既にさんざんボロを出しながら、まだウソを突き通せると思っているのなら哀れなものだ。



世界中に、優秀な学者は沢山いる。
その人々が日々、研究を重ねているのだ。その場の思いつきで、根拠のない話をして一瞬は聴衆は騙せたとしても、後々でそれが間違いだったと判明しないとは限らない。
ウケがいいからとツタンカーメン暗殺説をさんざん盛り上げ、暗殺シーンの再現VTRまで流させておきながらツタンカーメンは暗殺などされていなかったことが判明して、それでも暗殺説にこだわり続けたことなんかが、いい例だ。

大した根拠もなくデッチ上げた説なんだから、そりゃ言い訳も反論も出来ないでしょうよ。かといってメッキの権威は、過ちを認めることも出来ない。本当に優秀な人なら、何か間違いをしでかしたところで価値は落ちないと思うんだけどね。



ともかくも、誤魔化しはいつか暴かれるし、過ちは正されねばならない。

吉村氏が「発掘資金を稼ぐため」に適当にバラ撒いた数多くの誤った知識や概念を、後の世代は負の遺産として払拭することに骨を折っていただかなくてはならない。我々、一般の物好きも、これからこの世界にやってくる友人たちが持っている間違った土台や偏った知識を、一つずつ訂正していくことになるのだろう。
それが、発掘する金がないという一時の理由によって、優秀な後援者を育てる機会を捨てた代償だ。

この先数十年のうちに必ずやってくるはずのその時、いつか彼が西の国へ旅立った後、彼の名を碑文から削ろうとする人々が現れないとも限らない。今の状況の延長線上にある未来ならば、「熱心な一般人」たちは溜め息とともにノミとハンマーを手にするだろう。そしてデッチ上げの碑文に刻まれた偽りの栄光を、片端から削りとるのだ。



私は、これからエジプト好きになる人たち、いま何となく興味を持っている人たちには、看板だけ立派で中身がスカな人よりも、立派な仕事をしている研究者を、評価してもらいたいと願っている。そうした人こそ、本当の意味で知的好奇心を満足させてくれるはずであり、日々を豊かなものにする材料をくれるはずなのだから。

そして本当に優れた仕事が何なのか、考古学の本当の面白さとは何なのかが一般に根付き、社会的な地位が正しく向上とたとき、はじめて、発掘資金は自然な形でもたらされるようになるんじゃないかと思っている。

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最後に、これは私的な見解だが、無理やり金を集めなければ発掘が出来ないのなら、わざわざ日本隊は発掘にいかなくていいんじゃないのか? 地理的にも遠いし。
発掘頻度を下げるか、他国の発掘隊についていけばいい。余力で他国の重要な研究書の翻訳をすれば、その本は将来的にも学会に貢献できるだろう。と、いうか発掘だけしてても国際社会での学術レベルは上がらないと思うんだが。