マスコミに作られた偽の「権威」に終焉を。本気でそう願う日が訪れた

一ヵ月半遅れでようやく、状況に気づいた。

テレビなどのメディアに露出度が高い吉村教授が、ディプロマミル(学位単位工房)で博士号を買っていた、しかも自分が学長をつとめる大学でも本人確認を怠っていた。というニュースは、思っていたよりインパクトが大きい話だったようだ。
しかも、それはもうエジプト好きとか古代文明ファンとかだけの問題ではなくて、学位や通信教育に対する信頼性、今後の発展にとっても良くない状況を作ろうとしている。

ニュースを知らない人のために、まとめ。
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エジプト関連のテレビ出演などで有名な、元早稲田教授・吉村作治氏は2007年に新設された、「サイバー大学」の学長をつとめている。
この大学は、IT総合学部(IT総合学科)と世界遺産学部(世界遺産学科)の2つをもち、日本ではじめて、すべての授業をインターネットを通じて行う4年制大学として作られた。(※ここが、試験だけは実地でやっていた放送大学などとは異なるところ)

しかし完全に通信制であるだけならまだしも、大学の後期に入る2008年1月時点で、実はまだ一度も「受講生が本人」と確認していない生徒が多数いたことが発覚。
その数は、在校生620人のうち約200人にものぼった。そのため文部科学省が改善命令を出し、本人確認を急がせたが、吉村学長は「本人確認が出来ていないのには生徒のせいだ」と逆ギレ。「事実誤認」「(ニュースを掲載した)読売新聞を訴える」などの暴言をマスコミの前で吐く失態をさらした。

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>>「サイバー大学 本人確認せず単位」(毎日新聞)
>>「本人確認せず単位付与」は事実誤認、サイバー大学の吉村学長が会見」(InternetWatch)

他にも、まとめとして取り上げている個人記事をいくつかピックアップする。

「本人確認せず単位付与」だからいわんこっちゃない (メカAG)

学歴偽装~ニセ博士号 (てげてげプログ)

両方ともブログの管理人さんとは何の接点もありません、ただ検索しててひっかかった分かりやすいサイト。…しかもこっちはトラバもコメントも許してない不親切なブログですまんこってす。


今まで私は、吉村氏の「考古学的な」仕事の中身がおかしいということだけしか批判していいなかった。エジプト関連でばかばかしい話を広めないでくれればそれでいいや。とか。

教育や、大学のシステムについての意見は持ち合わせていないし、正直、学者の個人的な経歴にはさほど興味も持っていない。吉村氏がエセ学者だというのは、過去の経歴なんか見なくたって世に出ている著書の中身を見れば分かることなんだから。

ただ、本当はそれだけではなくなかった。この人の化けの皮を剥がさなければ、騙されて迷惑する人が他にもいた。この人は自分で教育者と名乗り、大学の学長に収まっている。
教養に過ぎない考古学についてテレビでホラを吹いても人は路頭に迷わないが、大学の学長が嘘つきだったら、その大学に通った人の人生が変わってしまうかもしれない。

看過できない理由は、こういうところにある。

「米国大学(院)学位商法」の危険性――吉村作治博士への期待
さて、さらに又、ここで考えさせられる。長く大学教育の現場にあって、まして、大学の長となる以上、この「学位問題」の重要さは百も承知しているはずである。「若気の至り」であったならあったで、それを認め、反省し、この種の学位商法の危険性を説き、公人として「けじめ」をつけるべきであろう。幾多の研究実績に基づき、これからの大学運営が期待されるだけに、「頬かむり」は許されない。



「僕が何故ニセ学位を許せないかを書いておく。」

でもね、奨学金や効率のいいバイトって、それが当たらない場合もあり、貧しさから進学を断念ってケースも多いわけです。

その不公平さを少しでも無くすためには、通信制の学校を充実させるのが一つの対策になるんですが、そこでネックになるのが、このニセ学位授与通信学校なんですよ。これらの胡散臭さが悪く働いているために、放送大学に通信制博士後期課程を作る話がなかなか進まない。



一部のニセ大学のせいで、「通信制大学すべてが怪しい」と思われてしまうと、放送大学などでまじめに勉強している学生さんが不利益をこうむることになる。
それを分かっていないのか、この期に及んでいまだに保身しか考えていないような発言をするから、「吉村作治は教育者としてそもそも失格だ」という批判につながる。

教育者が全て人格者である必要なんてない。
ただ、教育者を名乗るならそれ相応の責任を果たせ、と。
ニセ学位を買った理由は「ジョークでした」なんてふざけた言い訳で逃げようとするな。本気で謝れ、他の人がひっかからないよう警告しろ。その上で、自分が学長という立場にふさわしい人間かどうか考えろ。あなたがそこにいると、他の通新制大学もみんな怪しいように思われて迷惑する人が出るとは思わないのか。
それなのに自分のことしか考えず、「事実誤認」だの「読売新聞を訴える」だの言っているのがこの人だ。


考古学に関する発言や著書で、カン違いや思いっきり間違えた内容を流してしまったのは、まぁ多分なんとかなると思う。考古学は人の人生を直接どうこうする学問ではないし、後にまともな人が続けば、いつかは訂正できるかも。時間をかければ、より妥当な説が残っていくはずだから。#1

でも、いま現在、通信制の大学で学んでいる人は? これから学ぼうとしている人は?
サイバー大学がまっとうな大学と信じて勉強している人だっているはずだ。
その人たちの人生をぶち壊すかもしれないことを、この人は考えているのか。

この方の全ての業績を否定は出来ないですが(全てというほど知らないですし)、このまま教育者や考古学者を名乗りつづけるのは、それぞれの業界にとって癌にしかならない。



上るとこまで上り詰めて、既に地位も名誉も十分に堪能されただろうから、今さら吉村氏の名誉が失われようが、権威に傷がつこうが、どうでもいい。
ただ、いまだ好意的な多くのファンは吉村氏を信じて援護している。ついていった生徒さんもいる。その人たちに対する責任をどう取るつもりなのか。


ここで私に出来ることは、教育者としてダメダメな吉村作治氏が、そもそも考古学者としてもダメダメであることを改めて強調し、この人を突き落とす勢いに少し手を貸すことくらいしかない。
たかが個人ですから。ジャーナリストでもないし、他人に対する影響力もない。
ただ、続きは誰か、しかるべき人がやってくれると思っている。


吉村教授は、学位を買ったことだけが問題ではない。そもそも考古学者としての経歴、仕事内容が評価できないのに第一人者のフリをして長いことエジプトファンや古代文明ファンを騙してきた。

考古学者としてやった仕事の内容は、こんな具合でボロボロだ。#2

コレとか→ツタンカーメンのヤグルマギクに関する記事
コレとか→ピラミッドは墓ではない!説へのツッコミ記事


自説に合わない証拠を隠すとか、元ソースにないものを断言するとかは博士号うんぬんの前に学者と呼べるのかどうかすら怪しい。

だからこの期に及んで、「でもエジプト学者としては優秀なんだよね」なんていう援護は、しないことだ。そんな援護で、この最低の人間を権力の座に居座らせるな。

学者って何だ。金儲けが仕事か? 発掘って何か見つけることがえらくて、見つけたものについて後世のためにレポートを残すとか保全するとかはどうでもいいの? 自説が一番えらいの? テレビに出ている奴がいちばん偉いのか?

本職学者で肩書きさえあれば、覚悟も責任もないバカ発言をしても大勢の人が無批判に受け入れると、この人は本気で思っているのか。

誤魔化しがいつまでも通用すると思うな、恥を知れ。

[>追加(太陽の船)

[>追加2(黒歴史)

[>追加3(彩色階段)

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#1
考古学者は、考古学的な業績からしか評価されないのが普通だと思います。
どんなにテレビで持ち上げられようが、雑誌に露出しようが、あとあとの学者が参考に出来る論文や著書がなければ、考古学の世界では名前は残らないでしょう。
実力が無いんだから、まやかしの輝きや肩書きを取り除いても、残っていくとは思えない。

#2
前にもどこかで言った気がするけど、人前で自分の意見を発言するということは、いつの時代も、どこの世界でも、ネットがあろうとなかろうと、覚悟を必要とするものなんです。その重さに違いはあるけど。
私は考古学を専攻したこともないし立派な肩書きもない、所詮はただの個人サイトの管理人だから、吉村氏の仕事に対するツッコミにおかしいと思うところがあれば遠慮なくツッコんでくれればいい。それは攻撃の鋭さを増すための力になるだろうから。

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