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zoom RSS スーダン・メロエのピラミッドから取り出した人骨、DNA鑑定へ

<<   作成日時 : 2018/05/04 00:10   >>

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エジプトの南、スーダンにある小ピラミッド群のひとつ「No.9」と呼ばれているピラミッドから取り出された人骨をDNA鑑定する、というニュースが流れていた。このピラミッドはメロエ時代のヌビアの王の墓とされるので、対象の人骨はヌビアの王もしくはその家族のもの、ということになる。

スーダンの世界遺産ピラミッドから人骨や副葬品、DNA検査へ
http://www.afpbb.com/articles/-/3172561?pid=20063629


英語記事
だいたい同じ内容。情報はここまでしか出てきてない

Sudan unearths bones from pyramid for DNA testing
https://citizen.co.za/news/news-africa/1906596/sudan-unearths-bones-from-pyramid-for-dna-testing/#.WuHJOF0GjOs.twitter

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エジプトの南部とスーダンの北部は、かつてヌビア地方と呼ばれ、古代エジプト王国の支配を受けていた。
より正確に言うと、新王国時代 紀元前1500年ごろからから1000年ごろにかけてエジプト支配下にあり、エジプト文化が流入していた。そのため、この地方の王たちは「王の墓といえばピラミッドやろ!!」と、エジプトの支配を外れた後の時代にも、エジプトのまねをしてピラミッド墓を作り続けていた。

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↑これがヌビアの文化編年。

AグループとCグループがあってBグループがないのは、先行研究としてGeorge Andrew Reisnerが分類した時点ではA、B、Cのグループだったのが、その後の研究でBはAグループの一部として分類するのが妥当、ということになって廃止されたため。その後、Xグループが追加されて今に至る。なおメロエ文化は「鉄の文化」としても有名で、鉄器を盛んに製造していた。
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エジプトでもう大規模なピラミッドが造られなくなり、墓には小型ピラミッドが添えられるだけの時代に支配を受けていたためなのか、石材調達の関係なのか、ヌビアのピラミッドはエジプトのものと比べて小型で、確度もかなり急になっている。また、石材の質の関係でエジプトのピラミッドに比べるとかなり黒っぽい印象を受ける。小型ピラミッドは量産しやすく、そのためエジプト本国よりスーダンにあるピラミッドのほうが数自体は多い。

ちなみにメロエのピラミッドのリストは以下にある。
北と南のエリアに大きく分かれていて南のほうがやや古い。今回はメロエ時代(前300-後350年ごろ)のピラミッドの話なので、北側エリアのピラミッドが該当する。
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_pyramids_of_Mero%C3%AB

記事内ではkhalmani王のピラミッドと書かれてるけけれど、実際は候補者が複数いるピラミッドのようだ。



今回の調査は、まとめて複数人の骨が出てきたためどれが誰のか分からず、墓の持ち主の遺骨を特定したい、という目的があるとかかれている。しかし、骨の状態の写真を見る限りあまり良くない、というかはっきり言うと断片なので、DNAの抽出が出来る可能性はそれほど高くないと思われる。せめてXXなのかXYなのか判れば性別くらいは判断できるのだろうが…DNAに名前を書いてるわけじゃないので、抽出できたとしても持ち主が誰で、どの骨がそれなのかの判別がつくかどうかは微妙だなあ…。

驚いたのは、スーダンは古代の王族の骨の鑑定をしてもいいんだな? ってこと。
エジプトのファラオの遺骨は人種云々とかの問題でモメるので外国人がDNA鑑定をすることは難しい感じなんですけどね。まああの、メロエ王朝も「ブラック・フォラオ」とかいってアフリカンルーツの人たちの運動に利用されてたりするので、見つかった骨がヨーロッパルーツだったりアジアルーツだったりすると厄介な騒動になる可能性はゼロじゃない。


ついにヌビアでもDNA解析技術が使われる! っていう点では面白いニュースだけれど、出したい結果と使用する手法の組み合わせとしては適切ではない、と思う。

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