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zoom RSS 世界遺産チャタル・ホユック(チャタル・フユック)に関わる捏造疑惑が発覚

<<   作成日時 : 2018/03/15 00:10   >>

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チャタル・ホユック(Çatalhöyük)は2012年に世界遺産に登録された遺跡で、約9,000年前からの居住の跡が知られる重要な遺跡。その遺跡の発見者で、先史時代のアナトリア考古学の第一人者の一人だったジェームズ・メラート氏(2012年死去)の遺品の中から、生前手がけた遺跡での発見物を捏造していた証拠が出てきたという、とんでもないニュースが流れてきた。

Famed Archaeologist 'Discovered' His Own Fakes at 9,000-Year-Old Settlement
https://www.livescience.com/61989-famed-archaeologist-created-fakes.html

画像


>>日本語記事

有名考古学者が遺跡からの出土品を偽造した証拠が死後に発見される
https://gigazine.net/news/20180314-famed-archaeologist-fakes-discovered/

発見したのは、遺品の整理をしていたルウィ語研究所の研究者。
死後、未発表のテキストなどを発表する役目を遺言されたので遺品を整理してみたら、なんとそれまでに発表されていたものを捏造した証拠が見つかったのだという。

>>ルウィ語研究所のリリースはこれ

James Mellaart forged documents throughout his life
https://luwianstudies.org/james-mellaart-forged-documents-throughout-life/

参考までに、ルウィ語について以前調べた記事も
http://55096962.at.webry.info/201208/article_15.html

捏造がほぼ確実視されているのはドラク村というところで見つかったことになっている遺物にまつわるものや、トロイア戦争を史実として裏付けるとされる資料など。そして、それらとともに現在世界遺産であるチャタル・ホユックでも自作の遺物を紛れ込ませたと思われる証拠が出てきたというのだ。

チャタル・ホユックは最古級の農耕・牧畜の証拠のある遺跡で、大地母神と呼ばれる土偶がたくさん見つかっていたり、儀式の跡があったりとアナトリアの先史時代の研究においてかなり重要な遺跡。その発見者が、遺跡の発見物の一部を自分でコッソリ作ってた、あるいは内容を改ざんしていたとすれば、今までの研究成果をぜんぶ洗いなおさないといけないという、とんでもない話である。

(参考までに遺跡のデータ)
画像


まだニュースが出たばかりで、彼がどのくらい、どこまで捏造をしていたのかは分からない。また、チャタル・ホユック遺跡自体はほかの学者も発掘しており、遺跡自体が捏造というわけではない。しかし、最大なら50年に及ぶ捏造活動を行っていた可能性もあり、研究の前提がくつがえることになってしまう。メラートの関わった遺跡からの発見・発表物は全て疑ってかからねばならないので、影響が甚大なのだ。

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<<いまわかっていること>>

・生前、ルウィ語は読めない、というふりをしていたが実際は堪能だった。彼がほかの学者に解読してもらったといって発表していたルウィ語碑文は、実は彼が自説にあうように捏造したものだった。

・チャタル・ホユックの壁画自体はニセモノではない。ただし、遺跡で見つけたとされていた壁画の一部は彼が自作したものだった可能性がある。つまり捏造品が混じっているかもしれないので再調査しないといけない
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つまり全部を偽造したのではなく一部を自分の説に合うように作りかえた可能性があるということ。
チャタル・ホユックの遺跡自体はりっぱに本物だし、実際に発見されているものが全てウソというわけでもないのだが、見つかった遺物が全部正解かは分からないし、遺物の解釈や前提条件の部分も怪しくなっているということなのだ。

たとえばだが、壁画の中の人物にソッとヒッタイトの神に特徴的な帽子の絵を描き入れて、「この神の絵はのちのアナトリアで信仰される嵐の神の原型である」と解釈してみるとか、碑文の中にギリシャ神話のエピソードを思わせる文章を書き込んで「この地の伝承がギリシャ神話に影響を与えたかもしれない」と論じてみるとか。彼のやった「捏造」は、そういう類のものなのだ。つまり検証がすごく難しい…。むしろこれよくバレたな、と思った。見つけた学者さんたちすげえなと。

記事内では、トルコの発掘現場から締め出されたことに対する復讐ではないかと書かれているが、捏造がいつの時点から始まったかが問題。そもそも発掘現場から締め出されることになった原因となった遺物も捏造だった可能性があるので、だとすると、最初から「自分の理想にあわせた発表しかしなかった学者」という話になる。





この事件をゴッドハンド事件だという人もいるが、この事件はむしろ虚言癖で知られる考古学者、シュリーマンのケースだと思う。
彼もまた、自説に合わせて多くの発見物を捏造(改ざん)した。見つけた遺跡自体は本物で、重要なものだったが、そこで発見された品の解釈は、有名な「アガメムノンのデスマスク」や「プリアモスの宝」を含め、多くの疑問が残されている。そして、現在「トロイの遺跡」と呼ばれているヒサルルクの丘も、本当にトロイだったのかどうかは判っていない。

↓シュリーマンの活動に関する詳細と評価
シュリーマン―黄金と偽りのトロイ
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↓これもめちゃくちゃ面白いのでオススメ



これから、このジャンルに関わる人たちには胃の痛い再検証作業が待っているだろうし、運悪くこの人の発見を使って卒論なんて書いてしまった学生さんは青ざめているかもしれない。だが、真実を知らなければ前には進めない…。

つよく いきてください


>>追加情報分

考古学者が見たトロイア戦争の夢と現実 〜捏造疑惑、調べてみたら闇が深かった
http://55096962.at.webry.info/201803/article_14.html

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おまけ

ヨーロッパ版ゴッドハンド事件…人類の発展と世界進出に関する論文に纏わる疑惑が盗難事件に発展
http://55096962.at.webry.info/201801/article_21.html

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