現在位置を確認します。

アクセスカウンタ

zoom RSS 考古学本というよりプロ市民の本だった「遺跡保存の事典」

<<   作成日時 : 2017/12/14 00:10   >>

トラックバック 0 / コメント 0

タイトルとペラっとめくって見えた内容だけで適当に手にとると、こういうこともある。
読み始めてから「何じゃこりゃ…」となってしまった。遺跡保存についての本で、後半は日本の主要な遺跡についての説明もあるのだが、全般的にプロ市民御用達の本である。(といえば、だいたいどんな内容かは想像がつくと思う)

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 新版 遺跡保存の事典 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


日本国内の遺跡保存に関する法律が書かれている箇所などもあり、まぁそれはそれで役にたったのだが、「署名」とか「抗議活動」とかの話は要らないだろうwww 高度経済成長の時代に破壊された遺跡の話や、空港をつくるのに遺跡をつぶした、などと全般的に行政に対する敵意が剥き出しである。そして遺跡は、その価値や保存の意義を論じられることもなく一律で「保存すべき」という論調で語られている。

これは間違いである。

遺跡・遺物は取捨選択して保存されなければならない。

とても大事なことなので、ここは是非念頭においてもらいたい。一番大切なのは、今を生きる我々の生活である。過去ではない。この発想がきれいに欠落しているので、この本はプロ市民御用達だと判断した。現実との折り合いを考えずに「遺跡は守るべき」と声高に叫んで署名活動をするのは単なる自己満足であり、誰かのためにはならない。

自分たちの生きるために多少の過去を、つまり遺跡を犠牲にするのはやむをえない。たとえば、地域の利便性を高める道路を建てるために貴重な遺跡を潰すことがあってもしょうがない。道路を作れば大きな病院まで直線で間者を運べるのに、遺跡に配慮して大回りの道をつくって道路の意味を無くすのは、価値の比較が出来ないバカのやることだ。
遺跡は人を守ってくれない。
遺跡を保全するお金は地域の発展なくして生まれてこない。
「今を生きる人」なくして未来はない。
当たり前すぎる話である。

そして、遺跡保護にかかる税金は決して安くない。遺跡保護とは要するに使えない土地を税金をかけて増やしていくことなので無駄である。重要な遺跡いがいは記録をとってその土地を使いまわすのが妥当で、すべてを守る余裕も、義務も、必要もない。


というわけで、そこで遺跡や遺物の価値を正しく判断できる「専門家」の登場となるわけである。


もし遺跡や遺物に、お金と手間をかけるべき価値があるのなら、それを示せばよい。示せないのに「遺跡なんだから保存すべき」という頭ごなしの理由を述べてゴネるのは、判断が出来ないからだ。ぶっちゃけていえば、人の暮らしと地域の発展に勝る価値を持つ遺跡なんか世の中にひとつもない。同等の価値をもつことはあるから、互いに譲歩しあって折り合いをつけるならアリだが、なんでもかんでも保存しろと言っているのは、「何のためにそれをするのか」が判ってないからである。「なぜ遺跡を保存しなければならないか」を答えられないからである。


厳しいことを言っているが、日本の考古学の専門家は遺跡の価値どころか真偽の判断さえヤバく、そもそも遺跡の価値がわからないどころか、保存しなければならない理由も答えられない人が結構いる。だから、ひどいケースだと遺跡かそうでないかすら分からないまま、とりあえず全部残そうとする。


以前調べた以下のリストを見てもらいたい。

旧石器捏造事件で消された遺跡のリスト(藤村新一の関わった遺跡)を探してきた。
http://55096962.at.webry.info/201605/article_8.html

2000年の捏造発覚とともに、この凄まじい数の遺跡が「捏造されている・捏造の疑いあり」、としてリストから削除された。もちろん税金を使って再調査されたのである。このgdgdな事件を調べた後で今回の本とか見ると、あー反省を盛り込めなかったんだなー…という残念感がある。

しょぼい捏造遺跡を20年見抜けなかった素人集団が考古学者名乗ってる国では仕方ないとはいえ、最低限、「遺跡保護と地域開発の折り合いをどうつけるか」といった現実的な話くらいは視点のに中に盛り込んでほしい。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

考古学本というよりプロ市民の本だった「遺跡保存の事典」 現在位置を確認します。/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる