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zoom RSS インカ研究の先駆者の本が復刊。「インカ研究」

<<   作成日時 : 2017/12/12 00:10   >>

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1959年の本がアンコール復刊ということで新しく出版され直していたので読んでみた。著者の泉 靖一は日本における南米文化研究の先駆者である。

インカ帝国―砂漠と高山の文明 (岩波新書 青版)
岩波書店
泉 靖一

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今から50年以上も前の本なので多少古いところはある。

たとえばこの本ではインカ皇帝について、クロニスタの記述を全面的に信用する記述をしているが、現在では8代ビラコチャ以前のインカ皇帝たちは実在が疑わしい、という意見が主流になっている。もし実在したとしてもだいぶ脚色され、かつ地方首長レベルだった可能性が高い。

また、当時は存在しなかったDNA解析技術により、インカ部族の出身地が伝説の1つが伝えるようにチチカカ湖周辺だった可能性が示唆されるようになったり、新大陸の先住民全体のDNA傾向として、旧大陸との繋がりは氷河期以前から近代までほぼ無かったことが判ったり、それに伴う考古学資料の分析から中南米の文明は独自に発展した文明であると結論づけられたりしている。

だが、そうした古い内容を差し引けばこの本は今なお面白く読めるし、盗掘者たちの手をつけていない墓を探して真夜中に墓地の丘を掘ったのがはじめての発掘だった、など、当時のまだ手探りだった南米考古学の様子が伺えて面白い。そして1959年といえば、ナスカ研究で有名なマリア・ライヘも、土器と織物の収集で有名な天野芳太郎もまだ存命しているのだ。



南米の考古学は最近とても進んできてはいるのだが、まず日本語で出る資料がほぼない。
日本の研究者がけっこう現地に行ってるのに、である。発掘隊を送り込んでる大学のプレスリリースですら出てこないんで追いかけようがない。

そして本が出てきても断片的だったり、限られた研究者しか本を書いてなくて内容が似たり寄ったりだったりして、正直このジャンルは後続を育てる気がないまま、今いる比較的年配のマニアだけの仲良しサークルとして完結してしまっているような気がする。好奇心旺盛な学生などに訴えかける力が弱すぎる。

なので、昔出た面白い本を復刊して目に止まる場所におくのは、新規開拓の一つのテだと思う。


****

なお最新内容が反映されたオススメの本はこれ。
最近はこうなってるんだな、というのを比較してみてほしい。

アンデスの考古学 (世界の考古学)
同成社
関 雄二

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