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zoom RSS 登場人物(ほぼ)全員エジプトマニアの推理小説「オシリスの眼」

<<   作成日時 : 2017/11/28 00:10   >>

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タイトルと表紙がエジプトネタだったので手に取りました(キリッ)

結果的には正解で、なかなか出会えない正当派の探偵小説。舞台は19世紀末〜20世紀初頭あたりの時代。
登場人物同士のウィットの効いた会話や当時のロンドンの雰囲気、いかにもなイギリスの紳士淑女たちの繰り広げるミステリーとロマンスの物語だ。

オシリスの眼 (ちくま文庫)
筑摩書房
R.オースティン フリーマン

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この小説の特徴はなんといっても、随所にちりばめられたエジプトネタ。被害者も犯人も容疑者も、主要な登場人物の半数くらいがみんなエジプトマニアかエジプト学者。そして事件のキーアイテムはスカラベとミイラである。裕福な被害者はエジプト遺物のコレクターであり、自宅にミイラ置いてあったり、大英博物館に遺物を寄贈していたりする。そして被害者の家族もエジプトマニアである。

エジプトは、ツタンカーメン王墓発見(1922年)がきっかけとなって遺物の国外への持ち出しを禁止する法律を制定するが、この小説の時代はその直前なので、まだエジプトの土産物屋でパピルスやミイラが買えてしまうようだ。


トリックとしては単純、というか現代の法医学基準ではすぐにバレてしまいそうな内容だ。だが、雰囲気と人の動きと、論理の展開の仕方が面白い。登場人物たちの日常や小粋な会話だけでも十分満足できる。主人公とヒロインの博物館エジプトトークデート(!)の部分なんかは、ニヤニヤしながら読んでいた。ミイラについて熱く語る淑女とデートしてみたい…してみたいです…。

なお作中に登場するアルテミドロスのミイラ(Mummy of Artemidorus)は、ほんとうに大英博物館に存在する。有名なミイラなので、図録かどこかで見かけたこともきっとあると思う。

画像


詳細なデータは大英博物館サイトに書かれている。
http://britishmuseum.org/research/collection_online/collection_object_details.aspx?objectId=172739&partId=1

"Mummy of a Greek youth, aged 19-21, named Artemidorus in a cartonnage body-case with mythological decoration in gold leaf and an encaustic on limewood portrait-panel covering the face and inscription on the chest. There is an inscription in Greek on the mummy-case.
Skull - there is an extensive stellate fracture of the vault of the skull which"


19-21歳の青年で、若くして無くなったことは間違いない。
ほかにも、小説の中に登場する小道具の中には元ネタがあると思われるものが幾つかある。それらを知っていれば、きっと登場人物と同じ気持ちで博物館を歩くことが出来るに違いない。

ちなみに、タイトルになっている「オシリス」はエジプト神話における豊穣神で、弟のセトに殺され、遺体をバラバラにされてエジプトじゅうに撒き散らされてしまうという神話が存在する。オシリスの如くバラバラにされた遺体と、行方不明になった被害者が嵌めていたウジャトの眼をあしらった指輪。エジプトネタが判っていれば、仕込まれたギミックにもにやりとすること間違いなし。

ミステリ好きとしても、エジプト好きとしても楽しめる。二度おいしい本であった。

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