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zoom RSS 文明成立のあり方を探る挑戦本、「古代文明アンデスと西アジア 神殿と権力の生成」

<<   作成日時 : 2017/11/16 00:10   >>

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タイトルが長いが、まんま内容を表現しているので良タイトル。西アジアとアンデスの専門家同士がそれぞれ自分の得意なジャンルで文明や権力、社会階層の成り立ちについて語る本。面白い試みの本だと思う。



ただ、多分この本は入り口の部分でちょっとハードルが高くて、面白いと思える人は限られる気がしている。西アジア(メソポタミアやシリア、アナトリアなど)の古代と、アンデスの古代の両方に興味を持ってて、かつ多少の知識がある人じゃないと入りづらい。シュメールやバビロニア、インカといったメジャーどころは都市や文明の成立部分の話からすると「最終形態」なので、それよりずっと前の状態の話だし。

まず、読む前の前段として押さえておかないといけないのは、最初の方に出てくる「従来説」だ。


<従来の説> (現在でも支持している学者はいる)

・定住、農耕開始→余剰作物が生まれる
・社会階層が誕生
・神殿などの大型建造物が作られ始める

という経済重視の文明発展モデル


<問題点/考案されている説>

・アンデスでは土器すらない時代から神殿が作られ始めている
・従来説の代表モデルだった西アジアにおいても、農耕開始以前に築かれた神殿や儀式設備が見つかり始めている
・余剰作物と社会階層の登場は必ずしも連動しない、余剰無しでも十分な食料があれば階層が誕生する
・むしろ神殿を作る、大規模建造を行うという行為によって社会階層や特権階級が生まれているのでは…?


キーワードは 「農耕」「定住」「神殿」「権力」 あたりだろうか。

ある遺跡では、「農耕」も「定住」も開始されていないのに「神殿」が作られ強力な「権力」が伺える。
またある遺跡では、「農耕」が開始されており「半定住」で「神殿」も小規模ながら存在するが、「権力」が存在した証拠が全くない。

といった具合で、場所によって違うということが見えてくる。

文明の発達に世界共通のモデルはない、という前提はあるが、とりあえず古くから言われている「定住、農耕開始→余剰作物→特権階級の誕生」というモデルは単純すぎて、今ではもう実際の歴史には当て嵌まらないのだということを意識しておく。その上で、じゃあ実際はどうなの? という部分で専門家があれこれ検討している内容を一緒に考えてみるのが、この本の内容である。何しろ書き変わってる最中の部分なので、まだ明確な答えは無い。

なお、この本では西アジアとアンデスだけだが、インドとか中国とかポリネシアあたりの知識も突っ込むと、文明の成立ってほんと色んなモデルがあるんだなっていうのが見えてきて楽しいと思う。まとまらなくなりそうだけどね!!

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