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zoom RSS 「遭難しない自信」など要らない。必要なのは遭難しても自己救済できる生存スキル。

<<   作成日時 : 2017/09/30 00:10   >>

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そんな自信は蛮勇だから無くていい。

問題は遭難したときに自力救済できるスキルがあるかどうか。



春に雪崩で高校生が犠牲になった事件の時もドヤ顔でそれっぽいこと書いてる人いたけど、なんか根本的に考え方が間違えてると思うんだよなあ。
というわけで、今さらだが時事ネタのほとぼりが冷めただろう頃にちょっと書いてみる。




8月末くらいに、地図も持たず登山届けも出さずに1,200mくらいの山に入ってプチ遭難し、警察に救助要請するも警察の態度が悪かったとブログに逆ギレ記事を書いて大炎上させた人がいた。
顔写真+実名+意識高い系、しかも地図は読めないと明言しているにも関わらず山歩きが趣味、態度を諌められるとさらに逆切れという、自ら火に油ブチ込んでいく系の炎上案件だったのだが、それはまぁどうでもいい。

気になったのは、その炎上に絡んで「この人を責める君らは、自分は絶対遭難しないとでも思ってるのか?! 誰しも遭難することはあるんだから遭難した人を責めるな!」みたいな説教を垂れていた人である。

まず、まともな登山者の中に「自分は絶対に遭難しない」などと思っている人はいない。

「遭難するかもしれない」と思っているからこそ、万が一遭難した時でも助かるように装備を整え、知識をつけておくのである。


遭難しかかることは、誰しもある。
しかし、不運にみまわれたときでも、何か失敗したときでも自分でリカバリできなければならない。
「山は自己責任」と言われるが、それは自分で自分を助けられる者だけが山に入るべきという意味である。

画像
あの時避難小屋でご一緒したトレランのお姉さん、お元気でしょうか。
レスキューシートはあったかくて偉大ですね。




具体例を挙げる。

山歩きの途中で足をくじいて歩けなくなったとしよう。
今日たどり着くはずだった山小屋まではあと3時間。ここから引き返せば2時間。30分歩いたところで合流する林道からバス停へ降りれば1時間。この条件において、傷ついた足をひきずって辿るべきコースはどこか。

斜度や難易度に大きな差があるのでなけば、答えは「山歩きは諦めてバス停に下りる」となるだろう。

しかし、事前に地図を読んでコース確認していなければ、林道が近くにあることは分からない。現在位置を把握できなければ林道への分岐を見逃して山小屋に向かってしまい、途中で日没を迎えるかもしれない。また歩いているうちに足の痛みが増して、バス停にもたどりつけないかもしれない。ビバーク装備をもっていれば、途中で力尽きても一夜を過ごせる。応急処置の装備があれば添え木などで歩きやすくできる。

地図読みの知識も、そうした緊急時の装備もなければ、「誰かが通りかかったら助けてくれるかも…」「ヘリ救助を呼べば…」といった、他人に助けを求める方法しかなくなる。しかし基本的に「山は自己責任」。足くじいたくらいでいちいち救助なんか要請するのは、本当はダサいのである。
(そう、足くじいたくらいで救助なんか呼ばない!)

足が折れてるのに無理しろとは言わないが、自分が歩くルートで緊急時の迂回路があるか確認しとくとか、応急手当できるとかは普通のこと。それが出来ないのに山入るから、遭難件数がうなぎ登りなのだろうと思う。



今回炎上した人は、地図は読めない、登山計画建てられていない、時間配分にミスってるなど、出発時点で既に遭難しているという、まさに遭難すべくして遭難した状態なうえに、ロープウェーの近くなのに救助要請をしてしまっている。自己責任能力が皆無である。そりゃ、ちょっと山登りしたことある人ならみんな責めるわな。逆切れのぶんを差し引いても、援護できる要素が何一つない。

数年前、槍ヶ岳のふもとで地図を持たずにさまよい歩いている人に山小屋の位置を聞かれてポカーンってなったことがある。その人は右俣と左俣間違えて登って来ていた…w 方向音痴どころか方向という概念が無ェ! 「右」とか「左」とかってそもそも「北」を上にしたときの方角だから、自分のいま向いてる方向に対する右左じゃないから!!

そんな人でも北アルプスとか行っちゃうのが今の登山事情なんである。お察しください。


必要な知識が全くなくても、自己救済のスキルが一切なくても、メジャーな登山ルートは人が多いから誰かが助けてくれるから何とかなってしまう。それで、「たまたま」「運よく」遭難しなかったから自分は出来ると思い込み、「この程度の山ならいけるっしょー」と舐めプで中級の山に突っ込んで遭難してしまう。
実に「よくある」パターンである。今回の人もそんな感じだ。
逆切れで炎上していなければ、今頃は反省もないままに危ない登山を繰り返して、いつかは酷い目に遭っていたかもしれない。拾えた命を大事にしてほしい。


****

山の難易度は、高さでは決まらない。
低めの山でも、人があまり通らない荒れてる道なんかは自分のスキルしか頼れるものがない。もし道が崩れていたら? トレース辿るのに失敗して迷ったら? 「もしも」に備えられる知識や体力、装備が無いのなら、その道を歩き出してはいけない。

必要なのは「遭難しない自信」ではなく、「遭難しても生還できる自信」です。

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