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zoom RSS 人の歴史は灯りとともにあり。「魅惑のランプ」展に行ってきた

<<   作成日時 : 2017/08/14 00:10   >>

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オリエント博物館で開催の「魅惑のランプ」展に行ってきた。古今東西の様々なランプを集めて展示したこのイベント、博物館の半分を使ってランプを展示、暗がりでランプを使うとどのように見えるのかというところまで再現。

http://aom-tokyo.com/exhibition/170729lamps.html

ちなみに展示されているコレクションの多くは、実は個人所蔵だそうで、またランプ博物館かよーと思ってたら本当にそうらしい。

宮城県にある「アル・スィラージュ」。ここですね。
http://orient-lamp.net/

1000点以上のランプを所有するそうで、かなりのコレクション。貸してもらってるランプもなかなかの品。
あとはパルミラで日本隊が発掘してシリアから譲渡されたランプなども展示されている。エジプトのグレコ・ローマン時代の神像風ランプはけっこうカワイイ。

で、シリアのランプが沢山展示されていることもあって、以下の講演会があったのでついでに聞きに行ってみた。

 「シリア、ユーフラテス川流域の墓におさめられたランプ」
 「パルミラの墓にみるランプと死者について」

まずおさらいなのだが、シリアの墓は、エジプト植民地だったところとかを除けば一般に、エジプトの墓と違って副葬品がとても少ない。

女性の墓だけは簡単なアクセサリーが入ってることが多いようだが、それ以外はほぼランプのみで、家長なのに何もないことすらある。これは盗掘を受けたからではなく、最初からそうなっている。墓自体もかなりコンパクトで、特にパルミラの墓などは「コインロッカー式」と言われることもあるくらい。50cm×60cm×200cmの四角い棚が4段くらい重なったものが壁一面に作られているので、見た目はまさにコインロッカー。

※以下は以前出した、トルコのイスタンブールにある国立博物館で撮影したもの
ちなみに、このとき「ブロンズ製のランプがある」と思っていた金属質なランプは、金属風に見せる釉薬をかけた陶器だったと今回判明。

画像




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シリアの墓では、副葬品としてツボや皿があまり入ってないので、ランプで年代を推定するという。ランプの型式が細かく分類されているのはそのため。ちなみにランプは、型で量産されているため、大量生産されて商業ベースで流通していたものと考えられている。ランプをそなえる場所は、埋葬する人の足元が多く、次いで頭のあたり。そのため、「冥界への道筋を照らす」という意味があったのではないかともされている。


今回の講演で一番面白かったのは、陶器製のランプを実際に使うと「けっこう油が垂れる」という話だった。
もちろん、我々一般人には展示品のランプを実際に使ってみる機会はない。だが、どこかで再現ランプの実験をした人がいたのだろう。素焼き製だと油が染み出す。ランプを焼き物で作っていても、灯心から油が垂れる。だから後世のランプには受け皿のような足がつけられているのだという。

使う油は植物性でも動物性でも構わない。エジプトの場合はゴマ油やひまし油。ギリシャローマだとオリーブ油を燃やすという。100ccで18時間もつという話もあったが、おそらく気象条件や気温などによっても多少変わるだろう。明るさはロウソクと同じ1ルクスくらいだから、ほんのり明るくするくらいしか出来ない。部屋の中全体を照らしたかったら、たくさんランプをおくか、灯心を増やすしかないが、そうすると油の消費は増える。


ランプは世界中で、常に人の生活とともにあった。近代になってガス灯や電球などが登場するまで基本的な仕組みは世界中のどこでもだいたい同じ。まさに「生活の基盤」だ。それだけに、シンプルながら奥深いものだと思う。



なお会場内でいちばん眼を引いたのは、迦陵嚬伽(かりょうびんが)をかたどったインドのランプ。
おっぱい…


*****

<おまけ>

遺跡の修復と保護に一生を捧げた考古学者の死 - Khaled al-Asaad
http://55096962.at.webry.info/201508/article_20.html

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