現在位置を確認します。

アクセスカウンタ

zoom RSS 最近流行り(;;)のプチ遭難。歩き始めた時点で遭難してるとか言われる理由を説明する

<<   作成日時 : 2017/04/04 00:10   >>

トラックバック 0 / コメント 0

流行っちゃダメなんだけど、プチ遭難が増えているようなので… 山で遭難する人たちがどうして遭難してしまうのか、知らなければ誰でもやりかねないということを含めて説明してみたいと思う。
「なんで?」を知ってれば、歩き始める前に気がつくと思うんで。

これ、そのへんのハイキング登山でもあるあるなんですよ。

★例題★

よくあるハイキングコースで、以下のような道を想定する。
山が二つ連なっていて、それぞれの山頂に山小屋がある。
登山者は、右側の赤い星から歩き始めて、左側の水色の星に下山しようと考えている。

画像


●ポイント1 山行計画

で、こちらが標準コースタイム。
出発点から手前の山小屋Aまでの登りは3時間、手前のAから奥の山小屋Bへは2時間、奥の山小屋Bからの下山は4時間とする。

画像


トータルの歩行時間は9時間。
午前7時に歩き始めると下山は16時(午後4時)。

 実は、この時点で遭難の可能性がある。


遭難ケースA/ 日没に間に合わない

 山の日暮れは平地より早い。秋口の日没の早い季節なら確実に間に合わない。
 また町中と違い明かりは一切無いので、漆黒の闇に包まれほぼ動けなくなる…。ヘッドランプを持ってなければ遭難確定となる。なお、それでも無理して下山しようとした場合、道から足を踏み外して転落、もしくは道に迷うというケースも考えられる。道を外れると遭難者の発見が遅れることもあるので、動けなくなったら道沿いにいたほうがまだマシ。

遭難ケースB/ 休憩時間を考慮していなかった

 「歩行時間」が9時間であり、昼食や途中の休憩時間を入れるとトータル時間は10時間以上かかるのが普通。
 休憩を考慮せずに登り始めて時間が足りなくなる、というのは、わりとあるあるだったりする。

遭難ケースC/ 想定していたより歩く時間がかかる

 日没が18時の真夏に歩き始めてよゆーよゆー! と思っていたら途中でバテてしまい、歩行速度が鈍って結局13時間かかって歩くことになった、とする。その場合、下山は18時(日没と同時)になってしまうので、たとえ下山できたとしてもプチ遭難に変わりは無い。


「じゃあどうすれば?」
たとえば、以下のような方法が考えられる。

 ・出発時間を早める
 ・途中の山小屋で一泊する
 ・山小屋Aまでで折り返して下山する

夏場に朝4時の日の出とともに歩き始めるとかなら、このコース設定でもOK。
途中の山小屋で一泊すれば余裕をもって歩けるし、手前の山小屋Aまでの折り返しなら午後の早い時間に下山することも可能。コースと時間を考えて、なるべく余裕のある安全な登山計画を立てるのが「山行計画」の基本となる。

よく「山に登るなら登山計画書を出せ」みたいなことを言われるが、ぶっちゃけ、登山計画書を出すこと自体にそれほど意味があるとは思わない。登山計画書は、自分の辿るコースと時間を把握してないと書けないんである。重要ポイントはそっち。

***********************************************

実際に多くの遭難が、山行計画の時点から始まっている。

***********************************************

無理ない計画をたてるのに必要なのは地図と時間の目安。
地図は、「山と渓谷」の50,000分の1地図を使ってる人が多い。
http://www.mapple.co.jp/mapple/product/map/mountain/mountainmap.html

あと最近はコースタイムを書いてある地図がWeb上にもあったりする。
http://www.yamakei-online.com/yk_map/

ただし、これらに書いてあるコースタイムは、必ずしも自分の歩くペースと一致するとは限らない。もし予定とペースが違ったら? という話は、次に書いておく。



●ポイント2 歩行ペース

歩行ペースは人によって違うし、お天気や同行者によっても変わる。
雨の日は足元が滑るのでいつもより時間がかかると思ってほしい。残雪があったりするとロクに歩けないので、所要時間は夏の1.5倍を見込んでもまだ足りないこともある。

しかし、事前に想定できる要素より、実際に歩いてみたら「こんなはずじゃなかった…」っていう時のほうが、判断が難しい。

さっきの例題のコースで、歩行ペースが遅れてしまった場合を想定してみよう。
最初の山小屋Aまで、標準コースタイムでは3時間なのだが、実際に歩いてみると4時間かかった、という場合。

画像


一般的に、歩くペースは落ちる一方なので、最初から想定コースタイムを越えているようなら残りのコースももれなくコースタイムを越える。「やばい歩くの遅すぎたな、残りのコースは頑張って早く歩こう」と思ってしまったら、その時点で遭難ルート一直線である。

急いで歩こうとした場合、

 ・バテバテになってしまい行動不能になる
 ・無理をしたことにより膝や足首を痛めて歩けなくなる
 ・焦ったために道を間違えて道迷いになる
 ・危険箇所での注意が散漫になり足を滑らせ滑落

といった問題を引き起こす可能性が高まる。山道は焦って歩いてはいけないのである。
ペースが遅れてしまった場合は、予定を諦めて早めに引き返すか、途中で一泊するなどの遭難回避策をとる判断をしなくてはならない。


また逆に、最初に飛ばしすぎて、最初は標準ペースより早かったのに途中からがくんとペースが落ちてしまうケースもある。この場合も同様の回避策が必要となる。

画像


山歩きに馴れた人が、やたらとチェックポイントで腕時計見て時間を記録しているのは、この判断のためだ。
自分の「今日のペース」が想定から外れてないかを確認して、予定したコースを最後まで歩けるかどうか決めてるんである。日によって体調とか道の歩きやすさが違うし、あと初めて来る山だとガイドブックに書かれてる時間が自分のペースに合ってるか違うのかも分からないので。今日はあかんなー、と思ったら諦めるのが遭難を避けるポイント。事前に「このポイントを通過するのは**時**分頃まで、それより遅れるような下山する」といったリカバリポイントを決めておくといいと思う。

***********************************************

"引き返す勇気"が生死の境目になることは少なくない。

***********************************************

折角ここまで来たんだから…、とか、次はいつこられるか分からないから…、と思う気持ちが取り返しのつかない事故に繋がるケースも多い。引き返せないところまで突っ込んでから「やっぱりダメだった」と思っても、もう遅いのである。
ちなみに「ダメならヘリ呼べばいいじゃん」と思ってる人もわりといたりするのだが、タクシーじゃないのでヘリはそう簡単には来てくれない。また、ヘリにはピックアップ可能な条件があり、樹木の間や崖っぷちでは助けられない。天候が悪い・風が強い・標高が高すぎる などの場合もダメ。山は自己責任、基本は、歩けなくなったらそこで自分は終わり なのだと考えておくといい。そしたら、無茶なんて出来なくなるから(笑)




大した知識でもないが、このあたりを押さえておくだけでプチ遭難はある程度まで避けられる。

というか、こんなショボい理由で運悪く遭難して、最悪亡くなってしまうような人があとをたたないんだ。命が勿体無い。日没に間に合わなくなって道に迷って山小屋に電話してレスキュー隊が出た…とか、ペース配分間違えて後半バテてきてるのに、下山のスピードを緩めなかったばっかりに足を滑らせて谷底へ…とか、毎年ふつーにそのへんの山でも起きてる。

失敗してもなんとかなる山で失敗すれば「プチ遭難」で済んで生還できるけど、失敗したらあかん山で失敗した人は「ガチ遭難」になってそのまま帰ってこない。そんだけの違い。



参考までに、人気の山の集まる長野県の山岳事故の状況はこんなカンジ。
低めの山なら助かっただろう失敗も、3,000m級が連なる山系だと死に繋がることもある。八ヶ岳とかは夏でもレベル上げしてから行く山ですよ!! 冬の穂高なんかエンドコンテンツの一部っすよ!
http://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/toukei/toukei16.html

画像





●レベル上げの方法

というわけで、最後にレベル上げの話をしよう。
登山はドラクエみたいなもんだと思ってほしい。村の近くはレベル1とかでもOKだけど、村から離れるごとに対象レベルが高くなる。高くて深い山、長い道を歩く山ほど死ぬ確率が上がる。

なのでまず、近場の低い山、ミスっても死なない程度の山で確認するのがレベル上げの基本となる。
たとえば関東だと高尾山の陣場山〜高尾山コース(標準所要時間8時間くらい)を歩く、とか。

奥高尾は意外とナメてはいけない場所だ。
標高は低いのだが歩行時間は長く、初心者とってはそこそこキツいルートになっている。まずここで、最初に飛ばしすぎて後半バテバテになったり、運動靴で来て靴擦れを起こしたり、500mlペットで水を持ってきて途中で足りなくなったり、リュックで肩が痛くなったり、ということを経験して、適切なペースや必要装備を学ぶといい。どんなに失敗しても死ぬことはまずない。

 ・出てくる敵にレベル差がない(高低差があまりない)
 ・セーブポイント(山小屋、水場など)が多数ある
 ・リレミト(疲れてダメだと思ったときに途中で下山できるエスケープルート)が使える
 ・携帯電話がどこでも繋がる

といった、初心者むけダンジョンの条件も備えている。


あと同じ山でも夏と冬では出てくるモンスターのレベルがかなり違うんで、最初は4月半ば〜11月末くらいの3シーズンかな。高尾山でも積雪のある時に登ったらそりゃキツいっすよ…。たまーに1mくらい積もっててクロスカントリーの人の練習場になってるしね…。

現実世界では教会で復活させてもらえないので、レベルが上がるごとにちょびっとずつ高い山、長い道にチャレンジしていくことをオススメしたい。


 戦闘モードは、常に いのち だいじに でお願いします!




==============

なお、偉そうに言ってる中の人もわりといろいろ失敗をやらかしてきたクチである。運よく今まで大きな怪我や遭難が無かったっていうだけ。直近だと去年、前線が通過中なのに週末に山に行って靄にまかれ、道をロストし、初めてガチでGPSに頼りました…。(´・ω・`) いやー行ったことのある山だから大丈夫かなーって思ってたんだけど…。
あそこで登山道に戻れてなかったら遭難になってたのかな。山はわりと、そういうのあるあるな場所っす。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

最近流行り(;;)のプチ遭難。歩き始めた時点で遭難してるとか言われる理由を説明する 現在位置を確認します。/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる