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zoom RSS 農耕・牧畜の始まる条件が何となく見えてきたのでメモしておく

<<   作成日時 : 2017/04/03 00:10   >>

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代表的な農耕・牧畜の起源といえば現在のシリア付近を中心に広がる「肥沃な三日月地帯」だが、そこだけが起源地というわけではない。農耕も牧畜も、世界各地で、別々の動植物を対象に発生している。上記の「肥沃な三日月地帯」は動物ではヒツジ、ヤギ、ウシ、植物では麦だが、中米ではトウモロコシだし、中国の長江流域ではコメとブタだし、アフリカではミレットである。

これらの「農耕・牧畜」の始まる共通条件は何かというのをちょろっと考えてみた。
結論として、最低限必要な条件は以下の3つと思われる。

 (1)前段階として、対象の動植物を既に食用として用いている
 (2)時間が循環するという概念がある
 (3)ある程度、高度な道具を作ることが出来る


この条件が満たされた状態で気候変動など急激な環境変化が起きると農耕・牧畜に至る。

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それぞれの条件について補足の説明を入れる。

(1)について
のちに栽培化される植物がその場所に自生していること、家畜化される動物も同様にその場所に野生の状態でいること。そして食用として利用していること。そもそもそこに無かったら始まらない。そして、ほっといても自分で生きていける環境だからこそ、試行錯誤しながら人間に都合のよいよう形質の選択を行うことも出来る。たとえば麦の場合、自生出来ない地域に広がるのは栽培技術が確立されてからだ。


(2)について
未来という概念があること、時間には一年というサイクルがあること。これは人間以外の動物に存在するのかどうかが微妙な、特殊な概念だ。食べてしまった木の実が、同じ季節が巡ってくるとまた生ること、動物は決まった季節に子供を産んで増えること、などを理解出来ないと、農耕・牧畜という概念も生まれない。


(3)について
必要な道具を必要に応じて生み出せる能力、と言い換えてもいいかもしれない。畑を耕す道具、あるいは動物を捕まえてとらえておく道具。最初から必要な道具がわかっているわけではないので、状況に応じて試行錯誤しながら作り出す能力がないと巧く行かないだろう。

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というわけで――

 条件を満たした状態で進化ボタンを押すと、資源を消費して文化レベルが推移するよ!

じゃなくて!! *ゲーム脳

農耕もしくは牧畜が始まった地域と、始まらなかった地域の違いがこれで明確になると思うんだ。


(1)を満たさないケース
気候変動が起きたときにその地域で食用に出来る動植物があまり無かった場合→よそに移住するほうが楽なので、そちらの選択肢が選ばれるはず。

そもそも栽培化できる植物や家畜化できるような動物がいない地域もある。たとえばアフリカだとゾウやシマウマやガゼルは、家畜にしづらいというか、ほぼ出来ない。狩って食うのは出来るだろうが、繁殖効率や性格、飼育設備などに問題がある。


(2)を満たさないケース
種を撒くと来年また植物が生えてくるから全部食っちゃだめ、とか動物はまた子供をうんで増えるから全滅させちゃだめ、とかの概念がないと、あるだけの物資を消費してしまうことになる。野生のヤギが減ってくると、焦って残ったヤギを全部食っちゃう、とか。全滅エンド。


(3)を満たさないケース
道具がないと、農耕も牧畜もうまくいかないので、効率が悪い→やめてしまう、ということになる。
農耕・牧畜の開始が1万年前からで、世界中でほぼ同時並行なのは、(1)と(2)は既に満たされていても(3)が満たされるまでに時間がかかったからだと思う。人類が十分な進化を遂げないと進化ボタン押せないってこと。


おそらく、条件を満たさなかった時代の人類は、気候変動が起きて食環境が悪くなった場合は、よりよい環境を求めて移住するか、生活スタイルを変えるか、食いぶちを減らす(出産数の抑制など)で対応していた。自分たちで食料を生産すればいけるんじゃない? という発想の転換と、新たな生存戦略が選択できるようになったのはごく最近なのだ。

さらにその戦略に対する成功度合いは場所によって違うが、それは、選択できた対象の植物・動物が人間の生活にどれだけ適合したかの条件によるのだと思う。おそらくミレットよりは小麦のほうが食用化しやすいし、小麦よりはトウモロコシのほうが栄養価や栽培難易度は低い。羊やアルパカは食用としてだけでなく毛や皮を利用することも出来るが、ヤギはさらに乳も利用できる。手近なところにアザラシとイルカしかいなかったら、家畜化は絶望的だ。

人間の能力の進化は、べつに地域ごとにそんなに差異があるわけでもないの。1万年前からこっちは、どこの世界の人間でも(2) (3)は満たしている。違いは、その地域で利用できる植物や動物の有無だけだ。


というわけで、農耕・牧畜の開始は、やはり地理と自然環境的な条件が大きうだな、という結論に至った。たぶん南米がアフリカの隣にあったらイージーモードだったと思うんだ、資源的には恵まれている。ただアフリカから遠くて到達が遅かったのがね。

あと条件に入れるとしたら、気候変動の影響を受けやすいかどうか(食料の枯渇が頻繁に起きるか)も入れていいかもしれない。日本のような温暖湿潤な気候だと選べる自然の食物の種類が多くて食糧難になりにくいから、手間のかかる農耕・牧畜に移行させようとする圧力は低いような気もしている。


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