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zoom RSS ナショジオ5月号アクエンアテン特集の話をしようと思ったのだが、まずは日本語公式に文句を言わせろ

<<   作成日時 : 2017/04/30 00:10   >>

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ナショジオ5月号には久し振りにエジプト関連の特集が載っていた。
まぁ表紙がアインシュタインで表紙めくったとこがキタキツネなんで、エジプトはメインじゃないんですけども。

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で、このの記事にちょいツッコミを入れようかなーと思ったりしたんだが、その前にまずは日本語ナショジオの公式サイトに文句をつけさせてほしい。

エジプト初の革命家 アクエンアテン
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/magazine/17/042100009/042400002/?n_cid=nbpnng_twed

このページの下部についている編集部のこのコメント…

画像


なんスかこれ?
遊びでやってんの?


冗談のつもりかもしれないけど全然面白くない。本誌記事を全く読んでいないか1ミリも理解出来なかったコメントでしょこれ。こういう仕事のやり方をされるのが一番腹立つ。これで編集者を名乗ってるの? 首切っていいよこんなの。



で、まぁだいぶイラっとさせられたわけだが、この1ミリも理解しなかったクソ野郎もとい偽編集者の戯言はさておいて、記事の中身はぶっちゃけ"アクエンアテンdis"である。しかも最近のエジプト情勢と絡めてウィットを効かせたつもりでだいぶ滑っているという、わりと痛々しい記事であった。

まずタイトルからして誤誘導で、「エジプト最初の革命家」といかにも好意的そうに書いてあるが本文を読むと独裁者による暗い支配の時代が見えてくる。アクエンアテンの作ったアマルナの都での過酷な民衆の暮らしぶりや、革命に一般庶民がついていけなかったこと、思いつきで建造物を作らせていることや、そのためなのかアマルナから出てくる若くして死んだ多くの労働者たちが背骨に損傷を負っていたこと。時代によってアクエンアテンの評価は変わってきたというが、現代における評価はあまり芳しくない。

しかもそこに被せて、「(前大統領の)モルシがアクエンアテンで、(現大統領の)シシをホルエムヘブだという人もいる」などという噂話のようなものを織り込んである。ナショジオ協会はアメリカが本拠地だが、アメリカはエジプトで起きたこの「力」による政権交代を「革命」と呼んで肯定している。だからこそ、テロ組織認定されてしまったムスリム同胞団を母胎とするモルシを独裁者のアクエンアテンに、革命によってモルシ政権を倒した軍閥出身のシシを、伝統を復活させエジプトの国勢を取り戻したホルエムヘブににぞらえるあたりに、いやらしさを感じる。

しかもそのあとに、歴史の解釈ははっきりさせられないのだ、などとフォローを入れてお茶を濁しているあたりが何とも…何とも歯切れが悪い。

色んな方向から資本がはいってきて玉虫色の記事を書かなきゃならなくなってきてるのかもしれないが、立ったらもっと巧く毒を混ぜないと…。

最近のナショジオは下手糞な記事が増えていると思う。写真は相変わらず綺麗なんだけどね。

*****

結局のところこの記事の書き方で辿り着く結論は、アクエンアテンは「独裁者」であり、誰も彼を止められなかったから自由な芸術様式や新しい哲学的な信仰が生まれたのだ、ということになってしまうと思う。

アクエンアテンは5年で都を作ったが、現代エジプトが作ろうとしているアテン博物館は革命で頓挫したきり10年も完成していない。アクエンアテンのように若者たちの命をすり潰してまで工事を進めなかったからだ。アクエンアテンはおそらく天寿を全うできたが、モルシは命のあるうちに権力の座を引きずり下ろされた。現代のエジプト大統領は絶対君主では無いからだ。
アクエンアテンの革命が当時の民衆にはあまり関係なかったように、現代エジプトにおける革命も一般大衆の生活にとって利となるものではなかった。

そんな空しい結論のためにページを裂いたように見えて、この記事は特に痛々しいなと感じてしまった。昔のナショジオってもうちょっと、無理やりにでも明るい未来を描こうとする方向じゃなかったですっけねぇ…。


****

それと本来ツッコみたかったのは「アクエンアテンがツタンカーメンの父」という部分で、これは、実は確定していません。 

まずアクエンアテンのミイラ(骨しか残ってないけど)とされてるものが若すぎるので、最近、再鑑定しようという話も出ていたりする。
もう一つの問題が遺伝子型での鑑定に使われた手法と結果の解釈部分。複数の専門家から疑問の声が上がっているのだが、理由を見ていくと確かに違和感を感じる内容になっていた。

そのへんは以下にまとめてみた、長いので気が向いたらということで。
まあザックリ言うと、DNA解析には時間の前後は考慮されないので、「血縁関係がある」までは分かっても、「親子」か「兄弟」か「祖父と孫」なのかわからんよ、というのが一番大きいポイントかと思う。


ツタンカーメンの親子鑑定DNA解析に見る問題点(1) STR検査法とその使い方
http://55096962.at.webry.info/201604/article_20.html

ツタンカーメンの親子鑑定DNA解析に見る問題点(2) 科学の体裁を模した"解体ショー"
http://55096962.at.webry.info/201604/article_23.html

DNA解析の限界/実は単品ではあまり役にたたないという話
http://55096962.at.webry.info/201602/article_3.html

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