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zoom RSS 講演会「西アジアから南コーカサスへー新石器時代農耕の拡散と社会の変化」に行ってきた。

<<   作成日時 : 2017/02/27 00:10   >>

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前日がアレでアレだったので半分寝ながら現地に入(
あ、はい、聞いてる最中は起きてました。行き帰りの記憶ないけど。

講演者の先生いわく「べっべつにシリアが掘れなくなったからコーカサスに行ったわけじゃないもん! 前から農耕の起源とか興味あってコーカサスいってたんだもん」らしいっす。

http://aom-tokyo.com/event/170225.html

今回のお題の南コーカサスは、西アジアにおける農耕・牧畜の起源地である、いわゆる「肥沃な三日月地帯」から北の方向にある。距離的には600kmくらいなのだが、そっち方面への農耕や牧畜の伝播は1000年くらいかかっているらしい。しかも内容的に一部しか伝わってない。何でなんだろうなあ、というお話。

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最近出てきた説として、「農耕技術は、それをもってる移住者の拡散とともに広まった」というのがある。

 ・農耕やってる部族は人口が増えるのが早い
 ・しかも農耕に面積をとるので増えたぶんどんどん新しい土地に移住しないといけない
 ・溢れた人口が移住するにつれて農耕の範囲も広がっていく

というもの。日本における、縄文時代の人間と弥生時代の人間の入れ替わりも同じようにして説明されている。

ただしこれは、民族がまるごと入れ替わるというものではない。移住していった少数の集団が、移住先の母集団に技術を伝えつつ混血する、というイメージである。ただし農耕をやると人口の増加率が上がるため、世代を重ねるごとに、結果的に農耕を伝えた移住者の遺伝子が優勢になっていくことになる。

今回の講演で出てきた南コーカサスの遺跡で、農耕などの技術伝播が遅れたのは、どうもそっち方面の人口密度が元々高く、あまり移住していけなかったのが原因ではないかという話だった。まあね既に人が住んでるとこによそ者が入り込んでいって畑作るのやりづらいからね…。なので、農耕技術の確立後、最初の伝播は北ではなく西や南の方向になる。つまりメソポタミアやエジプト方面。

また北の方向である南コーカサスでは、農耕技術が伝わっても、即定住開始とはならず、季節的な住み方をしていたらしい。農耕の道具や、家畜を飼う為の中庭を持つ建物群は、きわめて短期間で建て替えられていて、通年で住んでいた形跡がないという。別荘みたいな扱いなのだ。

コーカサスには「大コーカサス山脈」という6000m近い高さをもつ万年雪の山脈がデンと構えている。この山脈がポイントで、山の麓に住んでた人たちは、夏の間はヒツジやヤギを連れて山の上、冬になったら降りてきて畑をつくる、という半定住生活をしてた可能性があるという。巧い具合に、「肥沃な三日月地帯」の野生小麦は、冬に育つ冬小麦である。

 寒くなってくる10月頃に下山、たねを撒く→翌年4月に刈り入れ→6月頃にあったかくなってきたら夏草を食べさせるために家畜を連れて山へ

っていうサイクルで暮らしてたんだとすると、農耕をやってても一つの村に定住しないで済む。これは今でもインド北部とか、南アメリカのアンデス山脈近辺とかでやってる人がいる暮らし方である。農耕と牧畜が同時に始まった理由って、案外こんなところなのかもしれないなーと思った。双方が補完しあえる状態にあったから。食料確保の手段を増やせるから。いきなり農耕一本にしちゃうと、不作の年は死ぬしかないわけだが、牧畜と組み合わせて、どっちかがダメな年でももう片方で生き延びられるようにしとけば、リスク分散になるじゃないかと。

まあ講演会ではそこまで言ってなかったんで、これは自分の考えなんですが(笑)


あと面白かったのは、シリア方面から農耕・牧畜の技術が伝わっても、土器作りの技術がなぜか伝播せず、紡績機も殆ど出てこないという話。土器作りや糸紡ぎは一般に女性の仕事だったと考えられていて、これらが伝播しなかった=初期の移民には女性は少なかったのではないか、という説があった。

増えすぎた人口が新天地を目指して移住するとき、先陣を切るのは男性だけで、女性や子供など家族は伴って行かなかったのかもしれない。なんとなくライオンの群れから若い雄ライオンが分離・移住するというルールを思い出した。

まだ分からないことも多いというが、人類のフロンティアについて新しい見地を得られる講演会だった。
なお今回発表しなかった続きの話は、3/35の別の講演会でやるそうなので、聞きたい人はもう一回来てくださいとのこと…ですよ…。


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おまけ

たぶん関連するのがこれ
8千年前のヤギのDNA解析

http://55096962.at.webry.info/201606/article_16.html

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