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zoom RSS 「ピラミッドに未知の空間が見つかったよ!」という発表、実際はまだ何も分かってないからね

<<   作成日時 : 2016/10/27 00:10   >>

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エジプト関連で何か発見された! というニュースを見るときに思い出して欲しいのは、ツタンカーメン墓の隠し部屋のカラ騒ぎである。

「空洞がある!(※実際は何も検知されてなかった)」から始まって、「隠し部屋がある」「美女ネフェルティティの墓が隠されているに違いない」「壁の向こうに有機物が検知された」と散々盛り上げるだけ盛り上げといて、最後に楽しくどんでん返しで「改めて別の人に調べなおしてもらったら、何もありませんでしたテヘペロ」とやらかしてそのまま音沙汰もないまま放置になっている、例のアレのことである。

何べんも言って申し訳ないのだが、これ、エジプトさんでは良くあるパターンなのだ。


マスメディアは、カネになると思えば容赦なく騒ぎ立てて不正確な情報でも平気で流すし、便乗商法も多く出回る。そして、その「注目を集められさえすればそれでいい」という考えの先にあるものは、「ウソでもウケれば構わない」であり、私がひたすら否定し続けてきた吉村作治という虚構の権威のやり方そのものである。吉村という人は、マスメディアの思うとおりに踊ったからバラエティの寵児となれたのであって、実力や権威は特にない。

ホラ吹きの先に本当の"ロマン"などあるはずもなく、待っているのは散々踊らされたあとの、空しい宴の後始末だけである。これを"情報の消費者"である一般人、つまり我々自身が理解しない限りは、いつまで経っても踊らされるばかりで「本当に面白いこと」には出会えないだろう。

学習しない限りは毎回同じパターンでカラ騒ぎに付き合うハメになる。
学習しましょう。



というわけで… 実際のところを知りたい人は以下を読むこと。

*****

名古屋大のプレスリリースのページ
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/

ここの、

「宇宙線による最新の透視技術でエジプト・クフ王のピラミッドに未知の空間を発見」(PDFでDL)
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20161017_imass.pdf

*******

これが公式に発表された一次ソースとなる。


今回のプロジェクトは珍しく日本の大学がメインでやっているので、我々は、どこよりも早く、しかも正確な情報を手に入れられる在り難い立場にある。(ちなみに他の発掘などのプロジェクトも、大抵、そのプロジェクトの主体となっている大学のホームページでプレスリリースが出される)

今後も何か発表されるたびに、ここのプレスリリースに情報が出てくるはずなので、興味のある人はここをチェックするといい。新聞や雑誌はわりとテケトーなので、ここに書かれていないことも憶測でデッチ上げる。が、一次資料に書かれている以上のことは、現時点では「分からない」。ということを覚えておいて欲しい。マスメディアは不正確な情報でも平気で流すし訂正もしない。自分で一次ソースを確認する以上に確実なことはない。



ちなみに今回のプレスリリースを見るに、、まだ何も「分からない」というのが正確なところだ。
速報として流れた中で知っておくべきことは、「来年もこのプロジェクトが継続される」という一点に尽きる。

今回の解析は、↓ココだけなので、まだ全体も終わってないし…

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全体スキャンするのにはだいぶ時間がかかるんだろうなーと思ってる。その意味でも、前に書いたとおり「年単位でかかるから、のんびり茶でもすすって待ってろ」の精神でいい。

 
インタビュー馴れしてない先生とかだと、電凸にテンパって、うっかり誘導されて余計なこと言ってそれを発表されたりしちゃうわけだけども(笑) 「空間は通路だ」とか「通路は道の部屋に繋がっている」とか、情報が伝言ゲームで一人歩きするうちに、発表に書かれていない内容がどんどん付け足されていくのもいつものパターンだけど、それは違うからね。

もう一度言うけど

 プレスリリースに書かれてない内容は「分からない」

これを心に叩き込んでおけば、ソース不明の噂に惑わされることはないかと思う。





プレスリリースにかかれてる内容をもうちょっとだけ判りやすく補足してみる。
ミューオンというのは宇宙から降ってくる粒子みたいなもんなんだが、物質を透過する。X線みたいなもんである。

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でも物質を通り抜けようとすると、通過する個数は減る。密度の高い物質を通るほど、通り抜ける確率は減り、検知板に届く個数が減る。

画像


なので、ピラミッドの内部に検知板を置いて、検知される粒子の個数を数えれば、

 板に届いてる個数が多い方向 = 密度が低い = なんか空間がある
 板に届いてる個数が少ない方向 = 密度が高い =  建材がギッシリ詰まってる

というのが判る。これが今回の「スキャン」プロジェクトの概要。
で、ミューオンは宇宙線の一種なので、宇宙つまり基本的に上空からやってくる。なので水平方向の観測がニガテだ。地面にぴったり張り付くような構造物の中身を探るのは難しい。(地下を掘らない限りは…)


何事もそうなのだが、データを「とる」ことと、データを「解析する」ことは、もの凄く大変だ。

まず狭いピラミッドの内部にパネルを水平に何枚も並べるのが物凄く手間がかかっている。
粒子が検知板を通過する方向が重要となるので、水平保たないと意味がない。なのでガタガタの地面の上で、精密に測りながら、手作業で板を設置していく集中力のいる作業をしなければならない。

そして分析は、検知板で受けた粒子ひとつひとつの角度を計算して、ピラミッドを通過してきている個数から、その方向の密度を計算するという、これもまた地味な作業となる。今回のミューオンの分析も、測定し終わってから何ヶ月も経っている。プレスリリースには、さらりと「それらのフィルムに蓄積した約870万本の宇宙線ミューオンの情報を分析しました。」とか書かれてるけど、870万本って何だよ(笑) 分析機器と研究所の中の人が過労死してないかが心配だ。

手間かかってるのはわかってるので、結果は急がなくていい。むしろ死なない程度にやってほしい。



なお、ミューオンの話はこの本がとても判りやすかったのでオススメ。
高校生くらいのレベルから対象で、ピラミッドを宇宙線で透視するというアイデアの歴史についても詳しく書かれている。

素粒子で地球を視る: 高エネルギー地球科学入門
東京大学出版会
田中 宏幸

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こんなカンジで、宇宙線が地球にやってくるときに分裂して二次宇宙線となった一部が、今回使われている「ミューオン」というモノだ。



画像







ピラミッドの中に空間があるのは当たり前なので、検知されるだろうとは思っていた。問題は、それがどういう意味をもつ空間であるか、だ。あれだけ石をぎっしり積み上げると重量がヤバいことになるので、デカいピラミッドは適度に空間を持たせている可能性がある。それが外から検知できるなら今回のプロジェクトすごいことになると思うんだけどね。ピラミッドの構造(建造手順)に関わる発見に期待しつつ眺めてます。

あ、未知の玄室やら財宝やらは期待してないです。多分そんなもん無いしね。
#マスコミはそっちしか食いつかないだろうけど



************
[過去記事]


ピラミッドに未知の空間が! 部屋がある?! → ちがいます
http://55096962.at.webry.info/201511/article_12.html

Nスペ「大ピラミッド 永遠の謎に挑む」 さらっと流されるピラミッドの現状
http://55096962.at.webry.info/201605/article_14.html

ミュオン(ミューオン)を利用したピラミッド透過プロジェクトの近辺
http://55096962.at.webry.info/201601/article_29.html

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