現在位置を確認します。

アクセスカウンタ

zoom RSS 出た時期とテーマからすると良心的。DNA分析+人骨分析「日本人の起源」

<<   作成日時 : 2016/09/27 00:10   >>

トラックバック 0 / コメント 0

活字成分に飢えていたのでなんとなーくゴソっと手にとって以下略

同じようなタイトルの本は何冊もあって、内容のレベル感とか著者の守備範囲とかも本によって全然違うんだけど、この本はアタリだったと思う。明らかに「ん?」っていうとこは無かったし、守備範囲も広め。何より前期旧石器時代の捏造事件(通称ゴッドハンド事件)にちゃんと言及しているあたりが良心的。マジで、本によっては無かったことにされてるから…な…。

日本人の起源 古人骨からルーツを探る (講談社選書メチエ)
講談社
2013-05-24
中橋孝博

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 日本人の起源 古人骨からルーツを探る (講談社選書メチエ) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


お約束として、本の最初は人類の起源からスタートする。
ヒトと類人猿はどこが違うのか。最古のヒトはいつくらいに、どのへんにいたのか。それらに纏わる論争の歴史などから始まって、アフリカを出た人類が世界に拡散していく話が続く。

「日本人はどこから来たのか」といえば、その最初はアフリカなのである。いつかの時点で、のちに日本列島となるあたりの地域に人間が住みつき、全滅したり増えたり、また新しくやってきた人たちと交じり合ったりして、そのうちのいくらかが現代に繋がっている。日本人が日本人になったのは、日本という国が出来た近代に過ぎないので、「起源」を辿ろうとすると、過去に日本にやってきた様々な人々を拾い上げて研究することになる。

当たり前のことなんだけど、その当たり前の前提を分かってないまま本を書いちゃってる人はいるんで、普通で当たり前のことが扱われているだけでも安心できたりするものなんですよ(´・ω・`)

本が出たのは2005年初頭なので、今から10年前。なのでこの10年で動いた部分は載ってないのだが、それでも十分読める内容になっていた。逆に、少し古い本なので、「この時代のDNA解析の技術でもこのくらいのレベルのことは分かってたんだな…」みたいな読み方も出来た。すでに縄文時代に日本列島にいた人と、弥生時代にいた人との差異は認識されているし、縄文から現代人にそのまま繋がるわけではないことも分かっている。渡来系の人たちとの混血がどのようにして始まったのかも考察されている。なぜか最近は、その過去の研究が吹っ飛んで過去に戻ったかのような研究を見ることもあるのだが、本来なら過去に得られたものの上に積み重ねてゆくべきだったろうと思う。

一つ自分が知らなかったのが、縄文人の歯のサイズは弥生人よりも現代人よりも小さい、という研究である。

Japanese tooth size: Past and present
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ajpa.1330590410/full

縄文時代のほうが人の頭蓋は扁平で横長だし、全体の骨格も骨太だから、てっきり歯も大きめなのかと思っていた。だが実際は逆で、現代人よりも小さくて歯だけが華奢な感じになっているという。不思議な事実だ。これも、縄文人から現代人にすんなり繋がるわけではない、という根拠の一つになっているという。

日本には、いくつもの時代に渡って幾度となく、様々なルートで人が流入してきた。
その内訳をめぐる研究はいまだ途上で、はっきりとした図は描けていない。しかし、日本人が「日本列島の中で交じり合うことによって」日本人となったことは確かである。日本とその周辺から見つかる古い骨はどれも、我々にとってどこかで繋がる可能性のあるご先祖様、なのかもしれない。


で、最近何かとツッコんでいる例のアレに関連しそうなセクションもあったのだけれど、「港川人絶滅論」なるものがあることを知って「やっぱあるんだ!」と思った。
これがどういう説かというと。更新世後期までに渡って来た人たちは、氷河期が終わって温暖化して沖縄周辺が島嶼化すると、十分にエモノが取れなくてそこでいったん全滅してるんじゃないか、という説だ。最後の骨が出てる時点から、貝塚が現われる6000年前までの間に1万年くらいの間が開いてるのは、そういうことなんじゃないかと。

人骨の年代を見ると、確かにそう。1万年くらい間あいてる。陸伝いに渡ってきて、周囲が海になって取り残された人たちが絶滅したか、かなり数を減らしてしまったのだとすると、沖縄と本土の古い人骨の遺伝子の差も納得できる筋書きが書けるし、それ正解なんじゃない? と思った。

なんかやっぱり、あの三万年前の航海云々のプロジェクトは、どっちの方向から見ても怪しい詐欺プロジェクトにしか見えない。



こっちのジャンルはあまり手を出していないので古代日本史にまつわる研究はまだ知らないことが多くて、また一つ勉強になったなという感じがした。この本が出てから10年経過しているし、たぶん今はもっと分かってることも多いと思うので、また気が向いたら本を探してみたいと思う。


さて。つぎの…まとまった休みは・・・


ねんまつ・・・ です・・・ かね・・・・ (遠い目

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

出た時期とテーマからすると良心的。DNA分析+人骨分析「日本人の起源」 現在位置を確認します。/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる