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zoom RSS 本当は怖いアマルナ王朝 ツタンカーメンの嫁が鬼嫁に見えてくる呪いをかける

<<   作成日時 : 2016/08/12 00:10   >>

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ツタンカーメンの嫁、アンケセナーメン。
ヤグルマギクのデマもあいまって、何かこう悲劇の未亡人、的なイメージの強い人かと思う。

(少女マンガでもネタになってましたしねぇ)




まぁ別にそれでも悪くはない、悪くはないのですよ…
しかし、私は女ってやつを信用していないひねくれ者なので、彼女はラスボスであった説をプッシュしたい。というか、歴史はとらえよう、ではあるものの、彼女たぶんものごっつ強い系の女だったと思うぞ…


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●アンケセナーメンの幼少期

父は宗教改革を断行した王、アクエンアテン。母はアクエンアテンを支え、かつ同等の権威を持っていたとされるネフェルティティ。誕生はアクエンアテンの即位4年目あたりだったと考えられており、ちょうどアマルナに遷都して「これからアテン信仰ばりばりやります!」なくらいの時代。彼女の幼少期は、アテン信仰にどっぷり浸かり、かつ母に倣って政治や祭儀の勉強なんかもしてたと推測されます。こんな↓感じで。

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●母の死後(?)は一時、父の妻もやってた可能性

娘たちの中でも年長組のアンケセナーメンは、成長後は一時期、父の第一夫人の座も占めていたとする説があります。父との間に子供が出来ていた可能性も。ネフェルティティがいつ死んだのかがはっきりしないため、母の死後に父の妻になったのかどうかは不明ですが、今のところ、父の妻の称号を得ていた可能性はそれなりにある模様。

…これが正しいとすると、ツタン様とは初婚じゃないのですよね。まあ、そもそも実の姉が第一婦人になるあたり普通のご家庭じゃないですけどね。(古代エジプトだからって近親婚ばっかりじゃないんですよ、ここの王朝だけおかしいの!)


●年下のダンナは影が薄い

アクエンアテンの子供たちは、王女たちばかりが全面に押し出されていて、男の子の後継者の影が非常に薄いです。ツタンカーメンと、おそらくもう一人いた兄(?)のスメンクカーラーは、滅多に碑文などに登場しません。そのため第一婦人のネフェルティティの産んだ子ではない、と言われてきました。(でも実母がどの妃だったのか今のところはっきりしない)
そう、アマルナ王家は女がやたらと強い一族。
何人も側室がいながら、第一婦人との間にばかり子供がいて、ほかの妃や子供たちの姿がほとんど出てこないあたり、正妻ネフェルティティの恐妻っぷりが目に浮かぶようです。アマルナ大奥マジ怖い。絶世の美女とか言われても、江尻エリカは嫁にしたくない…。

強い正妻の娘、しかも年上かつ既に男性も知っていたかもしれないアンケセナーメンと、年下で生母的に立場の弱いツタンカーメン、この夫婦の力関係はそりゃ言うまでもないですよね。


●ダンナの死後は即刻次のダンナ(婿養子)を求める未亡人

その年下のダンナ、ツタン様が若くして亡くなったからといって、悲嘆にくれるような真似はしませんでした。さすがネフェルティティ仕込みの強い女、アンケセナーメンはなんと当時敵国だったヒッタイトに、

  「そちの国の王子を寄越せ。わらわが娶って王にしてやるぞよ」

と、おったまげた書簡を送りつけます。エジプトからヒッタイトへの国際書簡です。

内容も、「あなたのところの王子を寄越して私の国を統治させてください。」(=エジプトがヒッタイトの舎弟になります)ではなく、「私の夫になって国を治めてください。」(=私が女王やるけど、それで良ければ王になれるわよ!)…の方向ですからね。

これが単なる錯乱した未亡人の思いつきではなく、一定の支持を得た政治的判断であることは、国際書簡がきちんと往復出来ていること、一度は交渉がまとまって実際に夫となる王子がエジプトに送り出されたことから明白です。そりゃそーです。単なる思い付きで小娘がわけわからん使者を立てようとしてたら、えらい人が止めますよフツー。そうじゃないってことは、誰にも止められなかったんです。彼女の父が唐突に「アテン信仰するから! 都うつすから!!」って言い出したときと同じように。

他国に正式に使者を仕立てて交渉できるだけの実力が、ツタンカーメンの嫁にはあったのです。


●ツタン様の墓が小くて雑な理由はもしかしたら

…と、ここまで考えてくると、ツタンカーメンの墓が歴代王の中でもみすぼらしく、狭いことにもう一つの理由が思い浮かびますね。彼はもしかしたら、生涯、妻の添え物に過ぎなかったからではないのだろうか、と。つまり墓の規模に見合うだけの活躍しかさせてもらえていなかった。王としての実権など、ほぼ無かった可能性もあります…。

ちなみに、ツタンカーメンの墓の中には、妻アンメセナーメンが手向けたというヤグルマギクの花束も、実在しません。日本のバラエティ番組が生み出した幻想です…。


***********************

というわけで、ここでは

 アマルナ大奥の影のボス

 第二のネフェルティティを目指した女、政治家アンメセナーメン


というイメージを描いてみました。


いいっすか、歴史なんて見方次第ですからの? NHKの大河ドラマなんて何年かに一回は信長とか秀吉とか有名どころが出てくるけど、毎回ちょっとずつ描かれ方が違うっしょ? どこをクローズアップするか、どう解釈するかで人物像なんて変わるんですよ。

アンメセナーメンは、悲劇の未亡人とかかわいそうな女性というイメージを強く描かれすぎた。
私は、彼女は本当はガチ強い女だったと思ってます。でなきゃヒッタイトと交渉なんてしない(笑)

つーかダンナを狭い墓にぽいと放り込んで、さっさと次のダンナを欲してるあたり、けっこうドライな女政治家で、ヤリ手だったんじゃないかと思うんですよねえ。将軍のホルエムヘブと宰相のアイは、彼女を抑えるために「嫌いだけど今だけ手を組んでやる、でないと無茶苦茶になるわコレ」みたいな感じでやってたんじゃないかなと予想。

エジプトネタで創作する人には、先行する作品やテレビのバラエティや有名どころの先生の意見なんぞにまどわされず、もっと枠を破っていって欲しい。エジプトジャンルは特に公式(研究&発見)からの供給がコンスタントで、史実なんて十年やそこらで変わるし、知識なんてすぐ劣化するからね!

先行作品の流用だけってのはダメだぞ!



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