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zoom RSS 旧約聖書の神「わし肉のほうがええからアベルage」でもメソポタミアの最初の神話では農耕が上だった

<<   作成日時 : 2016/07/26 00:10   >>

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忙しくなる前にと積み本消化中、シュメル神話の「ラハルとアシュナン」というエピソードを見つけた。

シュメール語の文学によくある「対論文学」のひとつで、相対する二者が優劣を言い争うものである。ここに出てくるラハルは牧畜の神、アシュナンは農耕の神。酒を飲んでよっぱらった二柱の神は、お互いの業績を自慢し、どちらが優れているかを言い争う。
そこにシュメールおなじみの高位神、エンリル神とエンキ神とが介入し、農耕の神であるアシュナンのほうを讃えて終わる。


これを見て意外だと思った。この神話では 牧畜 > 農耕 なのだ。

しかし、同じシュメール神話でも、「ドゥムジとエンキムドゥ」では、牧畜神のほうが上になっている。

これはイナンナ女神への求婚の神話で、牧神ドゥムジと農耕神エンキムドゥが争おうとするが、エンキムドゥのほうは自分から身を引いてしまい、イナンナはドゥムジと結婚することになる。とはいえ、神話の冒頭でイナンナは「ドゥムジと結婚するのは嫌だ」と言っているので、うっすらと農耕優位の痕跡も残っているように思われる。

牧畜か、農耕か。
この二者の優劣の問題は、旧約聖書まで引き継がれる。よく知られているアベルとカインのエピソードで、アベルは羊を、カインは農作物を神に捧げ、神はアベルのほうを良しとする。

シュメールには「パンを食べ、ビールを飲む」ことが文明人、都市人の証であるという概念が出てくる。ということは、最初は農耕のほうが重要視されていたと考えるほうがしっくりくる。農耕は文明の証なのだから、最初は牧畜より上位だったのではなかろうか。
しかしどこかのタイミングで、牧畜のほうが上位にくるようになるのだ。


このパラダイムシフトは実に興味深い。予想だと、遊牧民が都市に流入してきた頃(シュメールの都市が一度破壊されたあたり)か、都市間の戦争が増えたあたりから牧畜上位になるんじゃないかなと思う。今度調べてみよう。

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