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zoom RSS 人類と家畜の一万年。普段あんまり扱われないロバやラクダも出てくるよ! 「人類と家畜の世界史」

<<   作成日時 : 2016/06/24 00:10   >>

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最近トレンドになっている家畜化の起源とかの流れでちょっと本を探してたら見つけたこの本、ぱらっと開いたとこの見出しが「ファラオのロバ」だったのでそのまま読みました(`・ω・´)

…エジプトネタには弱い。

人類と家畜の世界史
河出書房新社
ブライアン フェイガン

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「家畜がいかに人類の生活を変えたのか」が主題なので、生活に革命を起こすほどのインパクトのあった動物をメインに取り上げている。

扱われている動物は

 ・イヌ
 ・ヤギ
 ・羊
 ・豚
 ・牛
 ・ロバ
 ・馬
 ・ラクダ

…である。

それ以外のネコやニワトリなどは、さほど生活にインパクトを与えたものではないためか、ちょこっと触れられているだけ。著者の興味の中心がイギリスを中心としたヨーロッパ周辺なので、新大陸のリャマやアルパカ、北欧のトナカイなども入っていない。最も、広く飼われている家畜の中から八種類だけ選ぶのなら、このリストは妥当だと思う。

圧巻はロバ。そう、ロバなのですよ…
馬より先に飼いならされたロバ。ラクダより先にキャラバンに使われていたロバ。

「ロバは古代のピックアップトラックである」。
隊商を組み、大量の荷を黙々と運ぶロバの存在が古代のグローバル経済を作った、というこの本の主張、なるほどと思った。メソポタミアもエジプトも、古くからロバを率いて遠征をしていた。ロバの道はピラミッドづくりの時代から砂漠の中までも続き、砂漠の中にしかない顔料や鉱物を獲得するために使われていた。

そしてロバの作った道が、次にラクダによって拡大されていく。


もちろんこれはヨーロッパをメインにした話で、ロバやラクダによる交易路が存在地域もあるのだが、古代オリエント世界にとってロバは、目立たないけれど非常に重要な家畜だったはずだなと認識を改めた。「ロバは古代におけるプロレタリアートである」という表現は秀逸。何者でもない、ごく普通の目立たない駄獣。しかし彼らが生活を支えなければ、経済は成り立たなかったのだ。

本の中で取り上げられた家畜たちは、いずれも、人間の生活を大きく変えたものたちである。
しかし動物たちとの関係は、機械の登場や社会の変化によって大きく変わっていく。たとえば馬は、かつては戦争において非常に重要なものだったが、銃火器の登場によって無用の長物と化した。また牛は、ただ乳を出すため、或いは肉をとられるためだけの換金物と化した。羊はより多くの毛がとれればよい。
一万年前には始まっていた人と動物の関係は、今や一方的な人間の略取となったのである。


…とまあ、最後のほうは若干悲観的というか説教臭くなっているものの、動物愛護団体の胡散臭さにはギリギリ踏み込まない程度に抑えてある。ていうかぶっちゃけ、キリスト教的な「人が動物を支配するのは当然」みたいな考え方は、著者の所属する西洋社会のものなので、我等日本人にはいまいちズレているように感じられてもしょうがない。あとがきに訳者が書いているとおり、なにしろ近代まで家畜をあんまり持ってなかった民族ですしね…。


日本ではなぜ家畜を囲い込むことか流行らなかったのかというと、ざっくり言えば、「そんなことしなくてもタンパク源が容易に手に入った」からだろうと思う。
羊飼うより魚釣ってくるほうが早いし美味いじゃんっていう。
あとニワトリ飼うより山に行けばウサギでもウズラでも獲れるじゃんっていう。
自然環境の違いが、家畜の必要性に関わっているような気がする。

だからこの本は、「人類の」と言いながら、西洋文明を念頭においた歴史の本だと思って読んだほうがいいかもしれない。おそらく新大陸をメインに家畜の歴史の本を書いたら、全然違うものが出来上がるだろう。そっちも読んでみたいから誰か書いてくれないかな…(笑)


***********

気になったとこ。


途中に「ピラミッド労働者に食用として肉が提供されていた」という記述がある。毎日大量の家畜が屠殺されていたというのだけれど、ピラミッド周辺でそんなに動物の骨って出てたかな?? あとで調べてみようと思う。

イヌの家畜化の歴史については、最新の発表分はまだ入っていない。

イギリスが最近まで地下の炭鉱で働かせるピットポニーを使っていたことは知らなかった。ていうか、そんな無茶苦茶な使い方してるから、反動で過激な動物愛護団体が出てくるんじゃないのか^^; ヨーロッパの家畜の扱いの歴史を見ると、イヌを食うなとか、かわいそうだからイルカショーのイルカは逃がせとかいうのは、極端から極端にブレた結果のようにしか思えない。

アジアについての記述は少なめ、インドあたりはかなり抜けている。他の本で補完したほうがよさそうだ。

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