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zoom RSS 漂流を始めた「三万年前の航海 徹底再現プロジェクト」―考古学が学問モドキに成り下がる時

<<   作成日時 : 2016/05/11 00:10   >>

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国立科学博物館と朝日新聞の鳴り物入りで宣伝され、クラウドファンディングで資金を集めていたプロジェクトの話である。

↓資金調達ページ
https://readyfor.jp/projects/koukai

読売新聞の記事
http://www.yomiuri.co.jp/life/special/tatsujin/20160301-OYT8T50041.html?page_no=1


これまでにも何度か疑問を投げてきたこのプロジェクト、情報が出てくるにつれ怪しい方向へと転がって行き、当たらなければいいなと思っていた予想が当たってしまいました…。

 ●そもそも三万年前の地形や海流は、現在と大きく異なる

 ●現在の海を航海できたとしても人類が海路で日本に渡ってきた方法の検証にはならない

 ●検証に用いる船が思いつきレベル。根拠になっていない

 ●三万年前に沖縄近辺にいた人類が現在の日本人の祖先という根拠もない



→にも関わらず、やろうとしていることは

「偉大な日本人の祖先の業績を明らかにすること」




ふざけんなレベルですねこれ。

こんなものは学問ではない、ただの見世物。
考古学が「ロマンを売り物にする学問モドキ」に成り下がろうとしている瞬間。


三万年前の海はもう、どこにもない。
今そこにあるのは現代の海。そこを現代の技術で作り上げたそれっぽい船で、現代の知識と技術をもって航海したところで、何をどう証明出来るんです? 三万年前の地形なんて大雑把にしか分からない。どんな海流が流れてたかも分からない。そもそも日本という国の形もできていない時代、そこがどんな気候だったのかも分からないわけですよね。

なのに一体、なにを「再現」出来るっていうんですか(笑)
すべてが空想で作られててツッコみどころしかないですよ。


現場の人たち、考古学やってる人たちは、もっと危機感を持ってほしい。これは旧石器捏造事件で地に落ちた日本古代を研究するジャンルの威信を、再び地に落とす行為だから。日本の考古学者ってのは、ファンタジーと現実の区別もつかないマヌケばっかりですか。このままだと、また70万年前の縄文時代の石器とか信じちゃいますよ^^;

何の根拠もない、ファンタジーで作り上げた「古代」や「偉大な日本人の祖先」を現代人と結びつけよるこれが許されるんだったら、葦舟でエジプトから南米まで航海したトール・ヘイエルダールの言う「エジプト人がマヤのピラミッドを造った」説だって実証されていることになるんです。そうじゃないだろ。考古学って何する学問なんだっけ? オカルトと学問の違いってどこにあるんだっけ??


世の中の考古学ファンやら一般人やらが、空想で作られた古代世界の"ロマン"を楽しんで、「苦難を乗り越えゴールしました!!」的な、お涙頂戴のよくあるドキュメンタリーを見て喜ぶと思ってるのなら、たぶんこの人たち二十年くらい遅れていると思う。



***********************

・航海が始まる前からグダグタいちゃもん言うのはなぜですか?

このプロジェクトが立ち上がった時点から眺めてましたが、現時点までに出た内容で結果が見えたからです。
前提からファンタジーが入っている説が正しい答えに着地することはありません。始まってから手の平返すよりは、最初から文句をつけておくほうがフェアだと思いました。
なお、著者の本と論文は一応読みました。Facebookとツイッターも見て、その上で「どこにも必要条件が無いやんけ」と言ってます。


・専門家でもないのに分かるんですか?

逆に、専門知識なんて全然要らない部分で素敵なトンチンカンをかましているツッコんでいます。
現在の海を航海して、どうして三万年前の航海と繋がるのか全く意味が分かりません。地形も海流も全然違います。三万年前の船が出土しているわけでもないので、実際に船があったかどうかも不明だし、どんな形状だったかももちろん分からない。にも関わらず"再現"できるというのだから、そんなの無意味じゃん? としか言いようがないです。


・でもクラウドファンディングでお金は集まりました

出資した人たちにはそれなりの思いがあったんでしょう。それに対しては別に何も。
ただ、人気のクラウドファンディングは高額商品から売れていくのに、このプロジェクトは最後まで高額商品が売れ残っていましたので、えらい人の口コミで人を集めたんだろうなーとは思ってます。


・新聞や各種メディアで宣伝されてますが?

"皆が言ってるから正しい"は、自分の中に判断基準がない人が選ぶ最後の選択肢です。
私は自分の判断基準に従いました。おかしいと思うポイント、判断基準は、最初に箇条書きで挙げたとおりです。

「そもそも三万年前の地形や海流は、現在と大きく異なる」ので「現在の海を航海できたとしても人類が海路で日本に渡ってきた方法の検証にはならない」とか、すっげぇ当たり前の話すぎて、気がつかないわけねぇだろとしかいいようがないです。先生方は気がついててあえて「話題にならなければ研究が出来ないもん!」くらいのノリでスルーしてるんだろうと思います。

それもまたふざけんなレベルの話になりますが。


・で、あんたはどうしてほしいの?


このプロジェクトが今更中止されることは無いでしょうし、別に中止しなくてもいいと思いますが、頼むから皆、

 おかしいところにはツッコんでくれ

そして軌道修正してくれ…。



★妥当と思われる方向性

(1)三万年以上前に沖縄近辺に海路で渡って来たヒトがいることを証明したい→ アリ

(2)それを航海実験で証明したい → 意味ない (1)の証明に(2)は不要

(3)三万年以上前に沖縄近辺に海路で渡って来たヒトが本州にも辿り着いたことを証明したい→アリ

(4)海路で渡って来たヒトは日本人の祖先である → 証明出来ない、それを前提としてはいけない
  そもそも三万年前に国家など存在しないので「日本」というくくりを出すことが間違い




仲間内だから手加減するとか、○○先生に嫌われたくないから黙ってるとか、そーいうの要らないから。それやってるとズルズルおかしな方向にいっちゃうから。これは、考古学が学問モドキに成り下がるかどうかのターニングポイントだと思ってます。変えられるのは現場の人だけだよ?

もし黙って見ているのなら、予言しよう、このプロジェクトは現代のヘイエルダールと後ろ指差されて笑われる。そして今後専門家のクラウドファンディングがすべて眉唾ものとして扱われることになる。それでもいいんでしょうかね業界の人。


****
参考

トール・ヘイエルダールと「モルディブの謎」
http://55096962.at.webry.info/201605/article_10.html

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