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zoom RSS "縄文時代"がカワルヨ! 土器の中に封入された手がかりから探る「タネをまく縄文人」

<<   作成日時 : 2016/03/12 00:10   >>

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科博のプロジェクトを調べてるついでに久々に縄文時代とか。



一昔前には「縄文時代は狩猟採集、弥生時代は農耕牧畜」みたいな感じで教わってたはずなんだが、最近では「縄文時代にも農耕はあった」ということが確実になってきている。旧来の学者の中には、「栽培はしていたが農耕の段階には至らない」というような、わけのわからない理屈をつけて、どうしてもそれを認めない人もいるが、言ってることに納得できなければ受け入れる必要はない。植物の生育サイクル把握して収穫管理してたんならそりゃ農耕っつーんだ。庭のみかん畑だってプランターのおくら栽培だって農耕だぞ、知識ないと作れないんだから。
専門家も所詮は人間である。ずっと信じてきた自説が覆ると存在価値を否定されたような気になることもあるのだろう。
まぁそんなもんで無くなる価値なら、早いうちに手放して別の価値を創造するほうが人生ムダにならずに済むと思うんだけどな。(ザクー

閑話休題。

この本をざっくり要約すると

 ・土器作りに使われてる土の中に多数の農耕の痕跡(栽培植物)が混入している
 ・コクゾウムシという農耕に付随する害虫も混入している、ただし当時この虫が食べていたのは穀物ではない
 ・栽培植物は多種に渡るが、大陸渡来のものだけではなく日本国内で栽培化されたものもある

といったところ。

文章だけではなく、詳細な研究データも提示してくれているので分かりやすいし信憑性があり、量的にも理解しやすい。
またこのテの本には珍しいほどの参考文献の量で、巻末の資料一覧を見てちょっと仰け反った。ど、どこから読めばいいの(汗


注目はまずこちら。

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近年、縄文時代の土壌から穀物が見つかることがあって、「あれ? 縄文時代にも既に稲作や麦作あったんじゃない?」みたいな感じになってきてたのが、その多くが後で取り消されていた模様。発見のニュースは大々的に流れるのでなんとなく知ってても、取り消しはニュースにはならないので追えていなかった。mjk...みたいな感じ。

ただ、全てが取り消されたわけではなさそうなのと、韓国でのアワ・キビの栽培開始年代がぐっと遡ってたりするので、もしかしたらこれからの発見で「縄文時代に穀物栽培があった」という説に落ち着く可能性も無いとは言えないと思う。ていうか土壌からはイネのものと思われるプラントオパールが見つかってるという研究があるので、それがどうなるか。
いずれにせよ。現在進行形で書き換えられている最中の研究だ。



あとこれね。

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遺跡から出てくる植物の量は、イコール利用頻度ではない、という話。
それぞれの植物には"残りやすさ"がある。くるみなんかだと殻は食べないので必ず残るけど、木苺なんかだと全部食べちゃうので痕跡が残らない。アズキやダイズなどの豆も同様。

実はこの本のハイライトの一つが「縄文時代ってマメが主食の一部で、かなり栽培してたんじゃん?」という話なのだが、それが分かったのは土器に使われている土の中にやたらとマメが混入しているからだったという話。土器はだいたい屋内で作るものなので、屋内にたくさんのマメが転がっていたということになる。

同じように土器の中から頻繁に見つかるのがコクゾウムシという穀倉庫に住み着く虫で、米びつの中に沸くやつ。ゴキブリ同様、人間の生活に密着した虫だ。こいつがたくさん見つかるということは人間の暮らしの中に常に食べ物が存在したということ。ただ、食べていたのはクリやドングリ。イネでなくても、デンプン質の食べ物だと繁殖できるらしい。この虫が大量に発見されることからして、おそらく縄文人は、クリやドングリを計画的に貯蔵していた。人間の手で管理されたクリ林は、要するに現代のミカン畑なんかと一緒で農耕なんである。今まで無計画な採集だろうと思われてたものが、実は計画的に運営された農園だったというわけだ。



このへんの話はここ十年くらいの間に書き変わってきた内容なので、追えていない部分も多くて、ほほうと思いながら読んでいた。現在の歴史の教科書は、既に自分が習った頃のものとは大きく変わっているのだけれど、これから先にはもっと大きく書き変わっていくのだろう。変わりつつある「縄文」のイメージ。これからが楽しみだ。

考古学なんて興味ないって人は多いと思うんだけど、これは日本の歴史だからね。日本人なんだから自国の歴史はまぁ知っといてもいいんじゃないかな、と思う。

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