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zoom RSS だいぶ古い本だけど面白い。「水中考古学入門」(1982年)

<<   作成日時 : 2016/01/22 00:10   >>

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古本屋で(以下いつもの)

けっこう状態いいやつだったのでそんなに古いと思ってなく、読み始めてから「あっこれ…昭和だ…」ってカンジになった本。今から30年以上前だからね!! 「しんかい2000」の運用開始が1981年、「しんかい6500」が1989年だからね、そりゃあ人類が潜れる海の深さも今よりは浅いよね…。

水中考古学入門 (NHKブックス (421))
日本放送出版協会
小江 慶雄

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古い本のいいところは、最近の本ではあまり出てこない、忘れられたような情報がぽそっと載ってたりすることである。たとえばつい最近おさわがせのサンホセ号。この本の中には、「サンホセ号を探していた地元ダイバーが、お宝の取り分をめぐってモメた挙句、十万ドル相当の財宝を海に投げ捨てた」という事件の話が出てくる。1974年のことだ。

サンホセ号探しは、発見される1982年の以前からずっと続けられていたらしい。
トム・グールというそのダイバーが見つけたのはサン・ホセ号ではなかったようだが、別の船から引き上げたお宝の取り分をめぐって州とモメた挙句、自分のものにならないなら海に戻すといってテレビカメラの前で海に投げ捨てたというのだ。結局その宝は回収できなかったという。

他にもノルウェー西岸ルンデ島沖に沈むアケレンダム号、メキシコ湾のヴェラクルス沖に沈んだアステカの財宝船など、金銀財宝を積んだ「お宝」沈没船の話がいろいろでてくる。かつては、それがまかり通っていた時代なんだろうなと思う。

水中考古学も、トレジャーハントも、水にもぐる技術の発達とともに生まれてきた新しい分野だ。長時間、より深い水の中に安全に潜れなければ生まれてはこない。この本が出た1980年代というのは、ちょうどそうした技術が発達しはじめた時代なのかもしれない。現在では、かつてより扱いやすく高性能なダイビングの道具がある。無免許でも、トレーナーと一緒なら初級ダイビングで何十メートルか潜ることだって出来てしまう。

しかし水中考古学というジャンル自体の発達は、トレジャーハンターたちの進化に比べると、たぶんあまり早くはないのだ…。



面白いなぁと思ったところは、「水中でしか見つからないもの」。
たとえばギリシャの青銅像は、陸上にはほぼ残っていない。鋳潰せば別の者に出来るので、ギリシャ文明衰退期にほとんど再利用されてしまったという。ローマが略奪して持ち出してる最中に沈んだ船から見つかるものが稀有な例になるという。
日本の古伊万里も、陸上には残っていない時代のものでも沈没船から立派なのが見つかることがあるという。
「水中でしか見つからない遺物」、「水中を探してはじめて繋げられる歴史」。たぶん"アンティキテラの機械"なんかも、その一つになるのだろう。考古学者は時に陸上以外の場所にも時のカケラを探しにいかねばならないのだ。

そんな遺跡を、いかに盗掘者から守っていくのか…というのは、数十年を経た今をもっても非常に難しい問題だ。機材や、現場に関わる人の技術は向上したかもしれないが、一般の人の認知度はまだまだ、という印象。何しろ与那国島近くの海底地形を「遺跡だ」と言い張ってるレベルのテケトーさですし…。

エジプトのアレキサンドリア沖にあるクレオパトラの宮殿跡みたいに、何か本物の、すごい遺跡とかあれば認知度は上がるかもしれないのにね、と、ちょっと思ったりもする。


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最近出た日経サイエンスの古代文明特集本でも、水中考古学の技術の発展についての記事があったので、あわせて読むと「ああーこの数十年でめっちゃ技術は向上したんだな」って話が繋がって面白いと思う。

古代文明の輝き (別冊日経サイエンス)
日本経済新聞出版社
2015-12-12
日経サイエンス編集部

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めも

★ノルウェー、ロスキレ・フィヨルドのヴァイキング船
http://www.vikingeskibsmuseet.dk/en/other-languages/japanese/

ヴァイキング船の復元といえばオーセベリのが有名だけど、ここにもある。

★柿本人麻呂の終焉の地と伝えられる、水没した島(かもしれない) 鴨島
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B4%A8%E5%B3%B6_%28%E5%B3%B6%E6%A0%B9%E7%9C%8C%29

果たして本当に島があったのか、今も良く分かっていないっぽい。

★アクティウムの海戦で沈んだ船の遺構
http://luna.cas.usf.edu/~murray/actium/brochure.html

女王クレオパトラの挑んだ負け戦。
発見1980年、この本が出た時点ではまだ調査予定は未定となっているがその後調査は行われている。



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