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zoom RSS 船形埴輪 〜他界へと運ぶ船

<<   作成日時 : 2016/01/19 00:10   >>

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ちょっと前に、「エジプトのシャブティと日本の埴輪は似てないよ、意味違うよ」という話をしたのだが、そのとき埴輪についてあれこれ調べてたら、「船形埴輪」というのが出てきた。

なんでも死者の魂を運ぶ船らしい…?!

あれ、エジプトの太陽の船に似てる?


つかエジプトと日本の古代葬送の類似を語るんなら、シャブティと人型埴輪より太陽の船と船形埴輪のほうが似てるんじゃね。なんで誰も指摘しないんだこれ。

念のためググってみたけど、まだ誰も言ってないっぽいぞ。よしよし。
というわけで、今日は 船形埴輪と太陽の船は似ている という話をしてみたいと思う。


まず太陽の船というやつだが、これはクフ王の船のことではなく、「死者の書」など古代エジプトの葬祭教義に登場する、死者の魂を載せて昼と夜の世界を巡る船のこと。

太陽は昼間は「昼の船」に乗って空を東から西へと旅する。
夜間は地中にもぐり、「夜の船」に乗って地下世界を西から東へと旅する。
そして朝には再び東の地平から出てくる。

この船に死者の魂も相乗りして、太陽とともに死(夜/地下)と復活(日の出)を繰り返すという思想があったのだ。

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そしてこちらが、日本の船形埴輪。

画像


形は決まっておらずバラバラ。
ただし、これら船の形をした埴輪は、「他界」である古墳と、現世との境界線に置かれるというルールがあったようなのだ。

"くりかえすが古墳はこの世につくられた他界である。船は他界へと死者の魂をいざなう乗物。それゆえに高廻り二号墳の船形埴輪は、両世界の境界をなす濠内に置かれた。宝塚一号墳の船形埴輪が古墳の裾に置かれていたのもうなずける。

王の墓と奉仕する人びと/山川出版社"


高廻り2号墳の船型埴輪の詳細は、公式ページでも解説されている。
http://www.occpa.or.jp/ikou/haniwa_gallery/ikou_01_02.html

日本の他界には、根の国(地下)、高天原(空)というものがあるが、同時に、島国ならではの外洋あるいは内海の向こうという概念もあったのだろうか。埴輪の船は焼き物であり実際に水に浮かべることはできないが、「死者の乗る船」のイメージは古代日本にもあったということが出来そうだ。

ただ、この船は太陽の船と違い、現世に戻ってくることは出来ない。日本の死者の国は、行きて帰らざる不帰の国である。それはイザナギがイザナミを連れ戻すことが出来なかった時に決定付けられた絶対の断絶だ。だとすれば、船形埴輪は、魂を一方的に死者の国へと押し流すためのもの、…片道切符な乗り物でもあったのかもしれない。


************

[付記]

クフ王のピラミッドの側に埋められている船は、一部の研究者から「太陽の船」と呼ばれているが、死者の書などに描かれる太陽の船とは形状が異なることなどから、太陽の船だと確定しているわけではない。英語圏だと「クフ王の船」(Khufu ship/Khufu's boat)と呼ばれていることが多い。

またクフ王以前の墓の場合、船は二隻ではなくもっと多数出てきており、これらの船の中には実際に使用された形跡もあることから、死者の魂を運ぶ儀礼的なものというよりは、"死者の財産"として持ち物の中で価値ある乗り物を埋葬した可能性もある。(ツタンカーメンの時代には戦車が墓に埋葬されている)

日本のエジプト学者だと太陽の船って説明しちゃう人が多いとは思うが…何しろクフ王の船だって、本当は五隻だからな。現存してるのが二隻ってだけで。

http://55096962.at.webry.info/200807/article_30.html
http://55096962.at.webry.info/201107/article_39.html

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