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zoom RSS 王家の谷で長年スキャンし続けていた技術者の話とKV64

<<   作成日時 : 2015/12/08 00:10   >>

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最近よく話題に上がってるこれ。

 ツタンカーメンの隠し部屋、日本の技術者が活躍
 http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/120200344/

隠し部屋があるかどうかとか、ネフェルティティがどうのとかは今の段階ではなんともいえないのでまー流していっかなと思ってる。そうじゃなくてココ。

"渡辺氏は15年前にも、リーブス氏が手がける別のプロジェクトのためにこの谷を訪れている。そのときは複数の地下室の存在を示す証拠が数多く発見され、後にそのうちの一つが墓であることが判明した"


いやそこツッコめよ、わざわざ元配信のタイトルになかった「日本人技術者が活躍」って言葉まで入れてんのにさ(笑)

(ちなみに元の配信記事はコレ↓。内容はおんなじだがタイトルの付け方が違っている)
Radar Scans in King Tut’s Tomb Suggest Hidden Chambers
http://news.nationalgeographic.com/2015/11/151128-tut-tomb-scans-hidden-chambers/


人が書かないものは自分で調べに行くのだ。
というわけで、ここに書かれている「過去にリーブス氏と組んでやったプロジェクト」を探してみた。


ARTP Radar Survey of the Valley of the Kings
http://www.nicholasreeves.com/item.aspx?category=events&id=160

リーブス氏の公式ページっぽいとこから繋がってたので、たぶんこれだろうと思う。
やってる人が日本人なので、英語ページなのに右側にリンクされてる画像にちょくちょく日本語が入っているのがシュール。


ニコラス・リーブス(Nicholas Reeves)氏は、1998〜2000年にかけてAmarna Royal Tombs Project (ARTP)を行った、とされている。KV55 と KV62の近くでスキャンをして、未知の墓の可能性のある空間を探していたようだ。ネフェルティティの墓うんぬんは最近出てきた話ではなく、この頃から探していたんだなってことが分かる。

ちなみに2000年ごろはまだADSLとかなくてダイヤルアップもしくはISDN(最高128K)という凄まじい低速インターネットの時代なので、ネットを通じてこんな資料を探すなんてことはまず出来なかった時代でつ(´・ω・`) そもそもネット上にサイトなんてほとんど無かったし、Googleみたいな検索エンジンも開発されてないからリンク辿るしかなかったんだよね…。

閑話休題。

いくつか上がった候補のうちアタリだったのは一箇所。現在KV64としてナンバリングされているものだ。
http://www.nicholasreeves.com/item.aspx?category=Comment&id=81

記事中にある「後にそのうちの一つが墓であることが判明した」というのはコレのことだろう。なるほどここに繋がるのかーと納得。
ちなみに上記の記事は2006年のもの。2000年に可能性が判明してからどうして発掘まで間が空いたのかというと、ニコラス・リーブス氏に発見遺物の密輸の疑いがかけられたからのようだ。

記事にも書かれているが、経歴を調べてみると、2002年に発掘品の密輸を疑われ発掘許可が停止、2005年に疑いが晴れて現場に復帰しているという情報が出てきた。何があったのか詳細はよく分からないが、2008年までズレこんだものの結果的にKV64が発見できたのは僥倖だった。

この発見によって、レーダースキャンの有効性が実証されたことも、2015年のKV62の壁面調査へと繋がっていく前段階となっているわけである。



しかしこの渡辺さんって人、調べてみるとほんと面白い。考古学の調査に考古学者以外の専門家が関わってることは多いんだけど、名前が出てくることは滅多にないし、何十年も続けてる人はごく稀だと思う。
ピラミッドの内部を探る宇宙線スキャンプロジェクトでも科学技術方面の科学者の人がたくさん関わっているが、考古学における多分野の連携はなにも最近始まった話ではないんだなと分かる。

こういう縁の下の力持ちな人の話けっこう好きだ。
エジプトさんの商業主義にもマスコミの話題優先にもうんざりするが、現場で真摯に頑張る技術屋の人は素直に応援したいなと思う。



**********

ちなみにKVはKings Valley(王家の谷)の略、後ろの数字は墓のナンバー。62がツタンカーメン王墓だ。
62以前の墓は古代から盗掘にあってほとんどオープンにされていたため見つかった順番にははなっていないので注意。全リストはいちおう ここ にある。現時点ではKV65まで発見済み。

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