現在位置を確認します。

アクセスカウンタ

zoom RSS 相次ぐエジプト関連ニュース…古代ロマン? 乗せられてるようではまだまだ甘いぞ

<<   作成日時 : 2015/12/02 00:10   >>

トラックバック 0 / コメント 0

最近やたらと「宣伝」されている二つのプロジェクト。

 ・ピラミッド・スキャン・プロジェクト
 ・ツタンカーメンの隠し部屋

ちょっと過剰な盛り上げっぷりにいささかウンザリ気味の中の人ですこんばんは。
こういうのに乗っかって「ロマンですね!」とか盛り上がっちゃうのは一見さんだ。まだまだエジプトさんとの付き合いの浅い新人さんだ。こちとら、なにも上級者ぶってるわけではない。今までのこのテの報道の多くは、その後、続報がないままフェードアウトしていったことを覚えているだけだ。


エジプト考古学関連のニュースは、盛り上げるだけ盛り上げてあと投げっぱなしのことが非常に多い。
何しろ実際に確認するまではいくらでも期待出来るしリッピサービスし放題。話題になればなるほど儲かるし、取材も来るし、いいことづくめなもんで、エジプト側も過熱報道に歯止めをかけない。(ツタンカーメンのマスクのヒゲが取れた時は、報道規制して大本営発表だけしかしなかったけどね(笑))



近年、盛り上げるだけ盛り上げといて結局なにも出てこなくてそのままフェードアウトしたものといえば、たとえば「クレオパトラの墓」なんかがある。


 クレオパトラの墓まもなく発見か、頭部彫像など見つかる
 http://www.afpbb.com/articles/-/2592756

このタイトルで何も出ませんでした(キリッ
たぶんさいごに続報が流れたのが↓この時かな。

 クレオパトラの墓… かもしれない神殿、発掘続報
 http://55096962.at.webry.info/201005/article_26.html

エジプト騒乱が起きて発掘が中断されたことになっているけれど、見込みがあればとっくに発掘は再開してるはずだろう。おそらく、このまま無かったことにされると思われる。ちなみにこの時も1〜2年はずっとこの話題で盛り上げて、ナショジオでも特番が組まれていた。にもかかわらずフェードアウト。このくらいはわりとよくあるパターン。



他には、ツタンカーメンの王妃が出てくるかも! と事前に盛り上げまくったKV63の話などがある。

(なお、このときの発掘主任の学者先生が最近お亡くなりになったため、TOPページは追悼様式になっている)
http://www.kv-63.com/

結局、KV63は墓ではなく物置だった訳なのだが…NHKの特番は最初に盛り上げまくってた時のストーリーのまま流して、どこかのエジプトファンにめちゃくちゃ叩かれてましたね懐かしい。





今回、ツタンカーメンの墓に空間が見つかったというニュースがばんばん流れて、マスコミが流すニュースはやたらと期待を盛り上げようとしている。

しかし、王墓の中に未知の空間を見つけて、掘ってみたけど未完成の通路でしかなかったという前例は実は既にある。「セティ1世墓の通路」だ。

No secret Burial at end of Seti I Tunnel
http://www.independent.co.uk/life-style/history/no-secret-burial-at-end-of-seti-i-tunnel-2014674.html

174mも掘ったのに、結局なにも出てこなくて通路は行き止まり。おそらく拡張計画があったものの中断されてしまったのだろう。途中には階段があったり、建築時に紛れ込んだらしいシャブティ像が落ちていたりと、経過のニュースはなかなかに期待させるものであったが、残念ながら穴は壁で終わっていたのである。

もし、ツタンカーメン王墓の壁の向こうに本当に未知の空間があったとしても、現時点では、それが意図的に作られた部屋なのか、工事中断によって放置されたただの穴なのか判別をつけることは出来ない。

煽るだけ煽って、何も出てこなかったとしてもマスコミもエジプト政府も特に痛みはないのである。
ただ後に、期待したぶんだけがっかりするファンが残るだけだ。
まぁ、何か出てくればいいなと私も思いはするが、今の時点では、可能性を語る段階ですらないと思っている。無責任に煽ってる連中に乗っかる必要は全く感じない。




あと、ぶっちゃけ、「ピラミッド・スキャン・プロジェクト」と「ツタンカーメンの隠し部屋」がプッシュされまくっているのはエジプト政府の意向が大きいと思う。

昔からエジプトさんは、ネガティブな事件が起きるとポジティブな報道で隠す、という手法をよく取ってきた。何か考古学的な発見があっても即時報道はしない。取っておいて、例えば爆弾テロの事件があった日に同時に流す。するとトップニュースは古代の新発見の話になる(笑) ちなみに、どんな大発見だろうがエジプトのえらい人がOK出さないと勝手に報道できないのがエジプト考古学の世界だ。(報道するとめっちゃくちゃ怒られてヘタすると出禁になる。)

なので、対外的なニュースで考古学関連の派手なニュースがばんばん流れてるときは、その裏に隠したいネガティブなニュースがある。
今回は、直近でシナイ半島での爆弾テロによるロシア機の墜落(エジプト政府はテロだと認めずに有耶無耶にしようとしているがw)、ピラミッド近くでの警官殺害+IS犯行声明など、ガチでヤバい事件が起きている。インパクトの大きなネガティブニュースなので、そのインパクトを打ち消せるだけのポジティブニュースを流さねばならないのだ。プロジェクトの情報を小出しにして連日騒いでいる裏にある、悲しい事情である。



<結論>
というわけで…

マスコミ様とエジプト考古相を前に、いちいち騒ぐのはただのエジプトマニアだ。「ほーん、で、次の報告いつ出んの」と鼻ホジしながら静観してられるのはよく訓練されたエジプトマニアだ。まったくエジプトマニア界は地獄だぜ! フゥーハハハァー!


************

それにしても、発掘がエンタテイメント化されているのには軽くイラっとすることがある。

何かを見つけようと目的をもって行う考古学は、時として、その目的に反するものを黙殺することがある。目の前にあるツボを取り上げようとして、ツボの周りの地面に残っている祭壇の痕跡を破壊する、みたいなことだ。今行われているこの2つのプロジェクトは、あまりにも目的を前面に押し出しすぎていないだろうか? 特にツタンカーメン王墓の隠し通路のほうは、財宝を見つけることだけを目的としていた前世紀の「宝探し」を思い起こさせる場面もあり、応援する気が起きない。

それから、発掘をただのエンタテイメントにしてしまったら、「なんだ何も見つけられなかったじゃないか」「学者どもは詐欺師だ」という話になってしまうんじゃないかという懸念もある。違うでしょ、そーじゃないでしょと。何か掘り出すだけが考古学の目的じゃないし、財宝を見つけられた人がより偉いとかいう訳でもないでしょうと。

ま、うちは静観っすかね…ほんと「で、次の報告いつでんの? 小出しにされても分からんのだけど」の世界。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

相次ぐエジプト関連ニュース…古代ロマン? 乗せられてるようではまだまだ甘いぞ 現在位置を確認します。/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる